歯科医院を開業するための手続きは5ステップ|必要書類や記載方法の注意点も徹底解説します!
2023年09月12日
歯科医院を開業するには、さまざまな手続きや書類が必要です。しかし、その内容や方法はあまり知られていません。
この記事では、歯科 開業手続きに関する詳しい情報やよくある質問に答えています。歯科医院の開業を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
INDEX
歯科医院を開業するための手続きは5ステップ
歯科医院を開業するための手続きを5つのステップに分けて説明します。
- 届出の事前相談
- テナントの契約
- 診療所開設届の提出
- 実地検査
- 社会保険手続き
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.届出の事前相談
歯科医院を開設する前に、予定地を管轄する保健所に相談しておくことが重要です。
保健所では、開設届や施設の構造、名称や標榜科目などについてアドバイスを受けられます。事前相談することで、開設届の不備や施設の改造などのトラブルを防ぐことが可能です。
事前相談は、予約制や窓口対応など保健所によって異なりますので事前に電話やメールで確認しておきましょう。また、相談時には敷地の平面図や建物の平面図などを持参するとスムーズです。
2.テナントの契約
歯科医院を開設する場所を決めたら、テナントとして賃貸契約を結ぶことが必要です。賃貸契約は、歯科医院開業者と不動産業者との間で行われます。
賃貸契約書には、賃料や敷金、保証金、契約期間、更新料などが記載されます。賃貸契約書は、開業届や社会保険の手続きに必要になるので、大切に保管しましょう。
テナント契約時には、歯科医院として使用することを不動産業者に伝えておくことが重要です。歯科医院は、一般的なオフィスや店舗とは異なる設備や工事が必要になる場合があります。
そのため、不動産業者から許可を得る必要があります。また、工事費用や工事期間なども事前に確認しておきましょう。
3.診療所開設届の提出
診療所開設届は、歯科医師が個人名義で歯科診療所を開設する場合に必要な届出書です。
- 歯科診療所の名称
- 所在地管理者の氏名
- 免許番号
- 診療に従事する歯科医師の免許証の写しと職歴書
- 臨床研修修了登録証の写し
- 土地や建物の登記事項証明書
- 敷地や建物の平面図
以上の書類などが必要になります。
診療所開設届の様式は、保健所の窓口で配布されています。
4.実地検査
開設届を提出した後、保健所から歯科医院施設の実地検査を受けます。実地検査では、届出書類との違いや、施設の構造や設備に不備がないかをチェックされます。
歯科医院長や施工業者などが立ち会うことが必要です。実地検査に合格すれば、保健所から「診療所開設届受理通知書」が交付されます。
この通知書は、後に社会保険の手続きに必要になるので、大切に保管しておいてください。
5.社会保険手続き
社会保険手続きは、歯科医師や従業員が健康保険や厚生年金保険に加入するために必要な手続きです。会社設立の事実が発生してから5日以内に年金事務所に提出することが求められています。
被保険者資格取得届は、従業員が入職した日から5日以内に提出する必要があります。手続きには、社会保険適用事業所届や被保険者資格取得届などが必要です。
社会保険手続きは、事業主の責任で適切に行わなければなりません。手続きの遅延や漏れがあった場合には、遡って保険料を支払わなければならない場合や、罰則を受ける場合があります。
歯科医院の開業手続きに必要な書類は3つ
歯科医院の開業手続きに必要な書類は、以下の3つです。
- 歯科診療所開設届
- 保険医療機関指定申請書
- 労災保険指定医療機関指定申請書
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.歯科診療所開設届
歯科診療所開設届は、歯科医院を開くときに保健所に提出する書類です。この書類には、歯科医院の名前や住所、管理者の名前や専門分野などを書きます。
開業した日から10日以内に出すことが義務付けられています。また、開設届と一緒に以下の書類も提出が必要です。
- 管理者の歯科医師の免許証のコピー
- 管理者の臨床研修を終えた証明書のコピー
- 歯科医師の免許証のコピー(診療する人全員)
- 歯科衛生士の免許証のコピー(診療する人全員)
- 土地や建物の登録内容を示す書類
- 土地や建物を借りている場合は、契約書のコピー
- 敷地の図
- 敷地周辺の地図
- 建物の図
- X線を使う部屋の防護対策の図
- 歯科医院への行き方の地図
開設届は厚生局に提出する必要があります。また、そのほか厚生局に提出する書類は、歯科診療所開設届と管理者の歯科医師の免許証のコピーが必要です。
2.保険医療機関指定申請書
保険医療機関指定申請書は、社会保険で治療費を受け取るために、厚生局に提出する書類です。この書類には、歯科医院の名前や住所、管理者の名前や治療内容などを書きます。歯科診療所開設届と同じく開業した日から10日以内に出すことが義務付けられています。
保険医療機関指定申請書は、所轄の厚生局に郵送または持参で提出します。
3.労災保険指定医療機関指定申請書
労災保険指定医療機関指定申請書は、仕事中にケガや病気になった人が治療費を受け取るために必要な医療機関として、都道府県労働局長に認めてもらうために必要な申請書です。開業した日から10日以内に出すことが義務付けられています。
この申請書には、医療機関の名前や住所、管理者の名前や診療科目などを書きます。
また、以下の書類の提出も必要です。
- 管理者の歯科医師の免許証のコピー
- 管理者の臨床研修を終えた証明書のコピー
- 歯科医師の免許証のコピー(診療する人全員)
- 歯科衛生士の免許証のコピー(診療する人全員)
- X線を使う部屋の防護対策の図
- 病院(診療所)の施設に関する書類
- 開業許可証
- 労災指定病院などとして登録(変更)したことを報告する書類
- 知事に届け出た内容を示す書類のコピー
- 労災治療費を計算するときに必要な内容が書かれた書類
歯科医院の開業手続きにおける記載方法の2つの注意点
開業手続きにおける、記載方法の注意点について説明します。
- 歯科診療所開設届
- 保険医療機関指定申請書
それぞれについて詳しく説明します。
1.歯科診療所開設届
書類には、歯科医院の名前、住所、管理者の名前、専門分野などを記入します。歯科医院の名前には、歯科医師会の規約に従って、「歯科」という文字を入れなければなりません。建物名や部屋番号も書きますが、郵便番号や電話番号は書く必要はありません。
管理者の名前には、氏名と歯科医師の免許番号が必要です。複数の管理者がいる場合は、代表者の明確な記載が必要です。
歯科医師法で定められた8つの専門分野のうち、自分が取得したものを書く必要があります。特定の治療をする場合は、それに合わせた専門分野を書きます。
2.保険医療機関指定申請書
書類には、歯科医院の名前、住所、管理者の名前、治療内容などを記入します。歯科医院で行う主な治療を書くときは、歯科医師法で定められた8つの専門分野のうち、自分が取得したものを書く必要があります。
たとえば、「一般歯科」「矯正歯科」「インプラント」「審美歯科」などです。また、特殊な治療をする場合は、その旨も記載します。
歯科医院の名前は開設届と同じでなければなりません。異なる名前を使用すると、保険診療ができなくなる可能性があるため、間違えないように注意してください。
歯科開業手続きでよくある3つの質問
【質問1】歯科医院を開業するにはいくら必要ですか?
歯科医院を開業するには、平均して約5,000万円の資金が必要と言われています。
このうち、内装工事費や医療機器・材料費などの設備投資が約3,000万円、敷金や保証金などの初期費用が約1,000万円、運転資金が約1,000万円という内訳になります。
ただし、開業する場所や規模、専門分野などによって必要な資金は変わります。
そのため、個別に見積もりを取って、具体的な金額を確認してください。
【質問2】歯科医院を開業するとき、スタッフは何人必要ですか?
一概には言えませんが、一般的には以下のような目安があります。
- 歯科医師:1~2人
- 歯科衛生士:1~2人
- 歯科助手:1~2人
- 受付・事務:1~2人
つまり、最小でも4人、最大でも8人のスタッフが必要となります。しかし、これはあくまで平均的なケースであり、歯科医院の規模や診療内容、患者数などによって変わる可能性があります。
また、スタッフの採用や教育には時間やコストがかかり、人件費も歯科医院の経営に大きな影響を与えます。
なるべく少人数で、効率的に歯科医院内の業務を遂行できるように工夫が必要です。
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【質問3】歯医者の開業年収はいくらですか?
歯医者の開業年収は、個人で開業した場合は平均約646万円、医療法人の院長の場合は平均約1,475万円となっています。
しかし、これはあくまで平均値であり、実際の年収は開業時の借入金額や返済期間、診療報酬や経費の額などによって大きく変わります。
また、都市部で自費診療を中心に行っている歯科医師や矯正やインプラントなど専門分野に強い歯科医師は、年収1,500万円以上を得ているケースもあります。
まとめ
歯科医院を開業するためには、さまざまな手続きや書類が必要です。
この記事では、歯科医院の開業手続きについて、開業までの5つのステップと提出書類について紹介しました。
歯科医院を開業することは大きな挑戦ですが、開業に必要な準備を理解して、計画的に開業準備を進めるようにしてください。
また、歯科医院の運営においては、業務を円滑にまわすための工夫が必要です。歯科医院の開業前にこれらの対策についても十分に検討しておくようにしましょう。
クラウド歯科業務支援システムDentisは、Web予約、オンライン診療、キャッシュレス決済などの機能を提供し、患者とのつながりを強化し、業務効率を向上させることを目指しています。
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