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スマートクリニックの最前線:芦屋まにわ歯科 空間 × デジタル × 構造の最適解

2025年6月、兵庫県芦屋市に開業した芦屋まにわ歯科。「治療への不安を解消し、口腔内の健康への関心を高めること」を理念に掲げています。丁寧な説明を通じて納得感を深め、長期的にご自身の歯を守るための「前向きに通える環境づくり」を大切にしています。
同院の最大の特徴は、単に便利なデジタルツールを入れているだけでなく、院内のレイアウトからシステムのデータ連携に至るまで、スタッフや患者様が「無理なく、自然と最適な行動をとれる仕組み(構造)」が徹底して作り込まれている点にあります。
スマートな医院運営の裏側にある「行動を導く仕組みづくり」について、馬庭院長とTC*松村様に伺いました。
*TC:トリートメントコーディネーター
「個人の努力」に頼らない。空間とシステムで行動を導く
開業にあたって、どのような医院を目指されましたか?
以前勤務していた大規模な医院では、人数が多いゆえの難しさを感じる場面がありました。例えば、一度スタッフが裏の作業場に入ってしまうと、誰がどう動いているか見えません。そうなると、「今、仕事を頼んでもいいのか?」と互いに顔色をうかがって迷いが生じます。また、受付に業務が集中して患者様をお待たせするなど、状況が見えないことによるスタッフの疲弊を見てきました。
こうした経験から、開業時は「個人の気遣いや頑張り」に頼るのではなく、スタッフ全員がどこにいても自然と状況を把握でき、迷わず動ける「構造」を作ることが不可欠だと考えました。
同時に、診療以外の雑務を減らすことにも注力しました。基本セットはレンタルを利用し、外部に委託できる業務は切り離す。あらかじめ診療以外の作業をなくす仕組みをつくることで、少人数のスタッフでも目の前の患者様に100%集中できる環境を整えました。
「見渡せる空間」と「一元管理システム」で、スムーズな連携を実現
建物の設計や、DENTIS導入の決め手について教えてください。
まず、院内のレイアウトは「状況の分かりやすさ」を建物の設計段階から組み込みました。具体的には、私の診療室からは待合室や玄関が見渡せるようにし、さらに院内の中央に滅菌室を配置しています。

この「見渡せる空間設計」により、互いの状況をパッと見て把握できるため、「今話しかけていいか」と探り合う無駄な時間がなくなります。そのため、空間そのものが、今誰が何をしているかを一目で教えてくれる役割を果たしています。
そして、デジタルの面でこのオープンな情報共有を支えるのがDENTISです。 導入を決めた最大の理由は、「予約・問診・カルテ・会計が一つに繋がっている点」でした。複数のシステムをまたぐと、データの二重入力や転記ミスといった人為的なミスが必ず発生します。情報を一つの場所に集約することで、物理的なミスを防ぐことができます。また、受付から診療室まで一貫したデータを瞬時に確認できるため、患者様の情報や業務連絡などの伝達スピードが上がりました。その結果、チーム全員の認識が常に揃い、患者様をお待たせしないスムーズな連携が可能になっています。
当たり前の前提を疑う。紙の診察券の廃止と、渋滞を避ける空間設計
アプリの登録率8割と非常に多くの患者様への導入が進んでいます。診察のフローと合わせて、高い登録率が進んでいる理由を教えてください。
現在のフローは、以下の通りです。
予約: webまたは電話。web予約時に事前問診とアプリ登録をしていただくことで来院時の受付をスムーズにしています。
受付: マイナ受付後、必要に応じてweb問診を実施。紙の診察券は発行しません。
診察: マイクロスコープでの映像などを活用し、治療内容を詳しく説明。カウンセリングルーム等でアプリ登録をご案内。

会計: キャッシュレスで即会計。

当院では、患者様のアプリ(melmo)利用率が約8割と非常に高いのですが、その背景には「そもそも診察券は必要なのか?」と、これまでの当たり前を疑ったことがあります。 診察券の本来の役割は、カルテ番号の確認や次回予約の日時を知らせることです。しかし、電子カルテなら番号を探す手間はありませんし、紙に予約日時を書くことは、かえって書き間違いなどのミスを生む原因になります。そのため、紙の診察券はなくし、患者様ご自身のスマホで管理できるアプリを利用することにしました。
ただ、アプリの「登録案内と場所」には工夫が必要です。 多くの医院では、初診の受付時にさまざまな登録をお願いしがちですが、受付は院内で最も業務が集中し、渋滞が起きやすい場所です。その中で色々なお願いが重なると、患者様も「面倒だ」と警戒してしまいます。
そのため当院では、アプリの登録案内をあえて受付では行わず、空間を変えて「カウンセリングルーム」で行うようにしています。 レントゲン準備などのちょっとした隙間時間に、落ち着いた環境でスタッフが隣に座ってサポートする。受付という「早く済ませたい場所」から、カウンセリングルームという「対話のための場所」へ場面を切り替えることで、患者様の心理的なハードルが下がり、自然とアプリ登録を受け入れていただけるようになりました。

「通い続けられる」安心感と、キャンセルへの考え方
アプリを利用している患者様の反応はいかがでしょうか?
予約から会計までの流れがスムーズになり、待ち時間などのストレスが最小限になったことで、「ここなら無理なく通い続けられる」と、通院への心理的なハードルが下がっているのを感じます。
実は開業当初、「アプリを入れると簡単に予約変更ができるため、キャンセルが増えてしまうのではないか?」という懸念もありました。しかし、現在はそう考えていません。 丁寧な説明と確かな技術を提供し、患者様としっかり向き合っていれば、医院のファンになってくださるからです。「簡単にキャンセルできるシステムだからキャンセルが増える」というわけではありません。大切なのは、システムそのものではなく、システムによって生み出された「ゆとり」を活かして、いかに信頼関係を築いていくかだと実感しています。
整った仕組みが生み出す、患者様と向き合う「時間」と「ゆとり」
仕組みを整えたことで、スタッフ側にはどのような効果がありましたか?
空間とデジタルの両面から仕組みを整えたことで、事務的なミスや「言った・言わない」の確認作業が激減しました。 受付での問診内容がリアルタイムに診療室へ届き、システムが事務作業を引き受けてくれるからこそ、私たちには「ゆとり」が生まれます。そのゆとりがあるからこそ、待合室でのご案内や診療室での説明など、患者様と深く向き合う接遇に集中できるのです。
また、クラウド型システムにより「働く場所の柔軟性」が高まったことも大きなメリットです。院外からでも状況を確認できるため、場所の制約を受けずに連携できる環境は、スタッフにとっても心強いはずです。
DENTISは操作も直感的で、新しいスタッフもすぐに慣れてくれました。デジタル化で事務的なやり取りが減った分、患者様との対話の時間をこれまで以上にとることができています。
これから開業する先生方へ、DENTISのおすすめポイントと今後の展望を教えてください。
後からシステムを継ぎ足して連携の苦労をするよりも、開業時から「情報の軸となる基盤」を作り上げてしまうことが重要です。任せられる事務作業はシステムに任せ、エラーが起きない仕組みを作ってしまえば、少人数のスタッフでも医師が理想とする診療に専念できる環境を構築できます。
今後の展望としては、現在の仕組みをベースに、より患者様にストレスのない環境を追求していきます。システムと空間の工夫によって生み出された時間は、患者様との対話の時間や、より質の高い治療の時間にあて、価値のある歯科医療を提供し続けていきたいと考えています。
馬庭院長、松村様、ありがとうございました!
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