【2023年最新】歯科業界における今後の課題とは?ニーズが高い歯科治療分野と歯科医院のDX化について解説!

【2023年最新】歯科業界における今後の課題とは?ニーズが高い歯科治療分野と歯科医院のDX化について解説!

2023年09月14日

「歯科医院の競争が激しく経営が難しくなっている」、「歯科業界の現状や今後の課題が知りたい」

歯科業界は、従来と比較して競争化が進み、差別化や診療スタイルの変更などさまざまな変化への対応が求められています。

本記事では、歯科業界が現状抱えている課題や今後の競争を生き残るための対応について詳しく解説します。

歯科業界を取り巻く環境と今後の課題

歯科業界は競争化が進み、さまざまな課題が発生しています。歯科業界の現状や今後の課題として挙げられる項目をピックアップしたので詳しく解説します。

歯科業界を取り巻く環境

以前までは地域住民の来院だけで成り立っている歯科医院も多く、競争も今ほど激しくはありませんでした。一方、現在の歯科業界は競争が激化しつつあり、今まで通りのやり方ではいかない場合がほとんどです。そこで、 歯科業界を取り巻く環境について4つの観点から解説します。

1.歯科医院は増加傾向にある

1960年代〜70年代において、歯科医師の不足が問題視されたことをきっかけに歯科大学や歯科部が新設されて以降、歯科医師の数は増加傾向です。
参照元:令和2(2020)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

歯科医院の数は厚生労働省の調査データによると、2021年時点で約7万におよびます。
参照元:厚生労働省 令和3(2021)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況

比較対象として、同年のコンビニエンスストアの数が約5万5,000店舗なことから、コンビニエンスストアよりも歯科医院の方が多い結果となっています。
参照元:一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会

とくに都心部においてはその傾向が顕著です。

2.虫歯罹患率が減少している

近年では、口腔内の状態が健康を大きく左右することが明らかとなっており、国民の健康意識が高まっています。

虫歯予防のためのフッ素入り歯磨き粉や電動歯ブラシ、液体歯みがきなどの進化により、虫歯になる子供の患者が減っているのが現状です。
参照元:文部科学省 令和 3 年度学校保健統計調査速報( 歯科部分抜粋)

その結果、現在の歯科医院は虫歯治療から予防診療へとシフトしつつあります。

3.患者の高齢化

現在社会問題になっている少子高齢化に伴い、患者の高齢化が進んでいます。歯科業界の競争が激化する中で、今後も発展・成長していくためには高齢者への対応が求められます。

たとえば、虫歯治療だけでなく義歯治療や来院が難しい方への訪問歯科診療など、時代の変化に合わせて対応の検討が必要です。

歯科業界の今後の課題

歯科業界は社会情勢の変化や競合の増加に伴いさまざまな課題を抱えています。今後も安定した経営だけでなく成長や発展していくには対策が必要です。

歯科業界が抱える今後の課題について、主な4つの項目をピックアップしたので詳しく解説します。

1.保険診療だけでは収益が見込めなくなる

歯科医院における売上は、保険診療の「単価」と「患者数」によって決まります。ただし、単価は診療報酬で定められており、売上をアップするには患者数を増やすしかありません。

しかし、医療の技術革新によって予防医療の市場規模は年々拡大しており、虫歯を治療する人は今後減少することが予想されます。さらに、日本全体の人口減少も顕著であることから、患者数を増やせない医院は収益が見込めなくなるかもしれません。

また、患者のニーズは少しずつ変化しており、質の高い診療を求める声が増えつつあります。今後の歯科医院経営は保険診療の医療スタイルを見直し、自費診療を増やすなどのアプローチが必要です。

2.歯科医療従事者の人手不足と働き方改革

歯科業界での人手不足は深刻な問題です。厚生労働省が公共職業安定所(ハローワーク)における求人や求職、就職の状況をとりまとめ、求人倍率などの指標を表す「一般職業紹介状況」では、2022年度平均の有効求人倍率が「1.31」であったと発表しています。
(有効求人倍率:求職者1名に対して求人枠がいくつあるかを表した指標。指標が高いほど、求職者の取り合いになり、採用が難しい状態を表します)

なお、一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会が発表した「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」によると、歯科衛生士の求人状況は2021年のデータで有効求人倍率が「19.4」と驚異的な数字になっています。
参照元:一般社団法人全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」
   :一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について | 厚生労働省

歯科助手や受付業務においても、一般企業との競争が激化しており、スタッフの確保が難しい状況です。その結果、既存スタッフの負担が増大し、労働環境の悪化を招く恐れがあります。

対策として、採用活動を強化したり、労務管理の全面見直しが挙げられます。また、スタッフのほとんどが女性であり、ライフステージに応じて働き方のニーズが変わりやすい点にも注意が必要です。

スタッフのストレスやニーズに応じた労働環境の提供が重要になります。今後持続的に歯科医院の経営を続けていくためには、働き方改革などの取り組みは避けて通れない課題です。

3.経営者の高齢化

歯科医院を経営する方の高齢化も今後の課題として挙げられます。厚生労働省によると、日本の歯科医師の平均年齢は、2020年のデータでは平均52,4歳です。

さらに、歯科医院の経営者の年齢に関する調査結果では、2022年時点で60歳以上の経営者の割合が6割を占めています。
参照元:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

経営者の高齢化が進む原因としては、後継者問題が挙げられます。多くの経営者が後継者問題で悩んでおり、後継者が見つからない場合は事業の売却や廃業を迫られる可能性もあります。

4.「修復治療」から「予防処置」への変化

近年、口腔の健康が全身の健康と密接に関わっていることが多くの研究で明らかになりました。

糖尿病や皮膚のトラブル、早産のリスクにまで口腔の健康状態が影響するなどの背景から、歯の健康に対する意識が高まっています。歯磨き粉の進化や、フッ素入りのケア製品の普及により、子供の虫歯による診察の必要性が減少傾向です。

また、子供だけでなく大人も虫歯などの予防を意識するようになり、歯石の除去や定期健診を受けるための通院が増えています。

上記のことから、歯科業界では「修復治療」から「予防処置」へとアプローチが変化しつつあります。

歯科業界で今後のニーズが高まる3つの歯科治療分野

歯科業界は競争が激化しており、今後は今までのように外来の虫歯治療だけでは経営が難しくなる可能性が高いです。そのため、今後自院を成長・発展させるには外来の虫歯治療以外の診療メニューを準備する必要があります。

今後のニーズが高まると予想される3つの治療分野について詳しく解説します。

1.予防歯科

近年、歯周病や虫歯の予防が重要視されるようになっています。厚生労働省のデータでは、20歳以上の人々の中で、過去1年間で歯科健診を受けた人の割合は、2016年時点で50%を超えています。

国民の中で予防歯科が重要な認識が広まりつつある証拠です。予防歯科の取り組みが増える中で、治療内容も予防的アプローチにシフトしつつあります。

歯科業界全体で予防歯科の動きが増えており、将来的には経営の安定化につながります。
参照元:厚生労働省 歯科口腔保健に関する最近の動向

2.審美歯科

最近では、歯の健康だけでなく美しさも求められつつあります。2021年に公開されたアメリカの調査結果では、2020年から2027年の間に、アメリカの審美歯科史上は年間6.71%の成長が見込まれています。
参照元:PR TIMES 審美歯科市場は2027年まで6.71%のCAGRで成長する見込み

審美歯科のトレンドは日本にも影響を及ぼしており、ホワイトニングや歯列矯正などの審美歯科への関心を示す患者が増加傾向です。

補綴治療の患者が増える中で、審美目的の治療も増えています。最近では、セラミックなどの歯科材料の使用が増えており、患者の要望に応えられるようになっています。

3.訪問歯科

日本では少子高齢化が進み、訪問歯科診療の需要が高まっています。現在の日本の人口の4分の1は高齢者で、今後も増加傾向です。

高齢者は体力や免疫力が低下しており、定期的な診療を受けないと虫歯だけでなく、口腔内の細菌がさまざまな健康問題を引き起こすリスクがあります。

訪問歯科診療を受け、健康リスクを未然に防ぐことで年間の医療費の削減も期待できます。人生を豊かに生きるには食事を楽しんだり、コミュニケーションをとったりすることが不可欠です。

そのためには口腔内の健康が欠かせません。訪問歯科診療を行うことは、患者のQOLを向上させる役割も果たせます。

クラウド歯科業務支援システム「Dentis」は訪問スケジュールの管理、患者情報の一元管理、診療報告書の作成など、訪問歯科診療の機能を提供しています。

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歯科業界の今後にDX化が必要な理由

近年では、デジタルトランスフォーメーション(DX)が各業界で重要視されています。

2018年に経済産業省が、DX化の推進に関するガイドラインを発表したことで、多くの企業がDX化の取り組みをスタートさせました。

ガイドラインによれば、日本の企業が国内外での市場で成功を収めるためにはDX化の導入が欠かせないとされています。DX化の取り組みを進めない企業は業務効率化や競争力の向上が難しくなり、ビジネス成長が停滞する可能性も考えられます。

上記の流れから、歯科医院もDX化を検討することが不可欠です。

歯科業界内でのDX化をいち早く進めることで、競合との競争に負けず、持続的に発展することが可能です。

歯科業界のDX化で実現できること

各業界でのDX化が進んでいることについて解説しました。では歯科業界においてはDX化でどのような変化が発生するのでしょうか?

歯科業界のDX化で実現可能になることについて、主に2つの項目をそれぞれ解説します。

1.受付窓口業務の効率化

受付窓口は、歯科医院の顔とも言うべき部分です。しかし、従来の受付業務ではミスが発生する場面もあり、効率的な業務が求められています。

Web予約システムの導入で、患者はいつでもかんたんに来院予約ができるようになります。その結果、歯科医院での電話予約の手間が減りミスを減らすことが可能です。

リマインダー機能が付いているWeb予約システムを導入すれば、患者の予約忘れや無断キャンセルも防げて患者との信頼関係の構築に寄与できます。

また、支払業務においても自動精算機やキャッシュレス決済の導入を行うことで、金銭の取り扱いに関するミスをなくせます。

受付業務を効率化させることで、業務負担が減るだけでなく別の業務に対応できるなど生産性向上も実現可能です。

2.顧客情報のクラウド管理

歯科医院での顧客情報の管理は重要な業務の一つです。従来では紙やエクセルなどの管理方法が主流でした。しかし、上記の方法では情報漏洩や紛失などのリスクがあります。

顧客情報をクラウド管理にすることで、情報漏洩などのリスクを大幅に減らせます。クラウド管理にすることで、データ喪失した場合でもバックアップから復元可能です。顧客情報だけでなく、スタッフの空き情報や予約スケジュールも一元管理できるので、業務効率化が期待できます。

また、セキュリティ対策も進んでおり、顧客情報の安全な管理が可能です。最近では金融機関でもクラウドサービスが使用されており、信頼性が証明されています。

歯科業務のDX化を行う際におすすめの会社

歯科業務でDX化を行うにはツールの利用が欠かせません。歯科業務でDX化を行う際におすすめの会社を3つピックアップしたのでそれぞれ詳しく解説します。

1.Dentis

引用:Dentis

Dentisはクラウド型歯科業務支援システムです。歯科医院のスタッフは常に時間との戦いです。Dentisでは、患者の予約や受付、スケジュール管理や会計業務など、一連の歯科医院の業務をシームレスに管理できます。

当日の来院予約やスタッフのスケジュールなどもひと目でわかるので、人為的ミスを軽減可能です。

DX化が進む現代において、非効率な業務はスタッフの離職に直結します。Dentisは、デジタル化にありがちな特定のスタッフしか利用が難しいなどの理由での属人化を防ぎ、誰でも利用できるので、スタッフ全員の業務負担が軽減され離職率の軽減にも期待できます。

2.東和ハイシステム

引用:東和ハイシステム

東和ハイシステムは、歯科医院でのあらゆる業務を効率化させる歯科電子カルテ統合システムを提供しています。

東和ハイシステムでは歯科医院のDX化の基礎的な、スマホを利用した予約やオンライン診療だけでなく、視診・歯周検査のデータを電子カルテと自動連携し、患者への視覚的説明が可能です。

患者の健康への関心が高まっており、視覚的にわかりやすい説明は患者からの信頼性を高めるのに寄与します。

また、自費診療でも、治療提案書や見積書、同意書などをワンストップで作成できるので、治療メニューから希望に合わせた最適な治療計画を立てられるのも魅力です。

3.プラネット

引用:プラネット

プラネットでは、iPadを中心に歯科医院の業務をサポートしてくれるサービスを提供しています。受付から診療、会計だけでなく、治療や患者への説明などもiPadを使って視覚的にわかりやすく対応できます。

プラネットが提供しているサービスは多岐にわたり、歯科業務の支援サービスだけでなく、ホームページ制作やキャッシュフローのサポートなども対応可能です。

そのため、既に歯科医院を経営している方も、これから歯科医院を開業したいと考えている方にもおすすめのサービスです。

まとめ

本記事では、歯科業界の現状や今後の課題について詳しく解説しました。今までは保険診療だけでも問題なく経営できていた歯科医院も、歯科医院の増加に伴う競争の激化や診療報酬の低下による経営難などさまざまな問題が発生する可能性があります。

患者のニーズは昔と比較して変化しており、「虫歯治療よりも予防診療」、「美しさを求めて審美診療」「高齢化による訪問歯科診療」など柔軟な対応が求められます。

また、競争の激化を勝ち抜くためにも歯科医院でもDX化の対応を進めるのがおすすめです。歯科医院では、まだ従来の紙やエクセルを使った管理方法が定着しており、効率化の余地があります。

DX化を進めることで、人的ミスの削減や業務負担の軽減につながり、働きやすい職場環境が整うことでスタッフの離職率軽減にも寄与します。

クラウド歯科業務支援システムDentis、歯科医院の業務をトータルに支援するクラウド歯科業務支援システムです。レセコンや電子カルテといった基本的な機能に加えて、WEB予約やオンライン診療などのかかりつけ支援機能も備えています。

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