オンライン診療を活用して患者のニーズに合わせた矯正歯科を実現。患者・クリニック双方のメリットを追求した"新しい歯科医院像"とは
矯正歯科クリニック柏の葉は、2018年に柏の葉で開業し、「患者一人ひとりのニーズに対応した矯正治療」をコンセプトに現在では200人以上の矯正患者を抱える矯正専門医院です。
院長の浅田薫先生は、長年フリーで矯正歯科医としてのキャリアを持ち、さまざまな症例を経験してきました。
またご自身も過去に2回の矯正治療を経験し「歯並びに対するコンプレックス」は誰よりも理解できるのと「矯正をして良かった」と思えた喜びを多くの方に体験してもらいたいとの思いから、2020年7月にCLINICSを導入。マウスピース矯正の経過観察においてオンライン診療を日々活用しています。
今回は浅田先生に「オンライン診療を導入して感じたメリット」や「初診にこそオンライン診療をおすすめしたい理由」を伺いました。
※ Dentisに先駆けて運営しているCLINICSオンライン診療サービスをご利用いただいている時期のインタビューとなります
※ インタビュー当時 (2020.10) のご活動状況であり、現状とは異なる場合がございます
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オンライン診療の導入で患者・スタッフのストレスが軽減、好循環が生まれた
──なぜオンライン診療導入に至ったのでしょうか。
まずは「患者さんの来院回数を減らす」ことが目的でした。
医院の売り上げを高めるには「多くの患者さんを診ること」が必要です。もちろん患者数を増やすためには、その分のスタッフが必要になります。
スタッフを増やせば、その分多くの患者様に対応できますが、ユニット数と診療時間は変わりません。つまり1ユニットごとのスケジュールを過密にするしかないんです。
すると「患者様が予約を取りにくくなる」という問題が出てきます。「希望の時間に予約が取れない」「変更すると次の予約が3カ月先になってしまう」なんてこともあるんですね。矯正はただでさえ治療期間が長いので、予約が取りづらいことは患者さんにとって大きなストレスになってしまいます。
またアポイント調整が複雑になり、スタッフにも負担が増えていく。無理にスケジュールを詰め込むと、こうした「悪循環」につながってしまうわけです。
それでも、治療を希望してくれる患者さんがいる限りなるべく多くの患者さんを受け入れたい。そこでオンライン診療を導入したら医院の混雑が改善できるのではないかと思い、導入しました。
──導入してみていかがですか?
まず業務に余裕ができた実感がありますね。オンライン診療は院長室で実施することが可能です。つまりユニットがいらないので、アポイント枠が単純に増えます。1回オンライン診療をすると1回分ユニットが空くんです。
そのうえ、対面診療のように受付やお会計の手間と時間が削減されるため、効率化(※1)にもなります。
※1:予約受付から保険証の確認、患者呼び出し、請求処理がCLINICSで完結するので、効率化に繋がります。
結果、患者さんは増えた今でも、予約が取りづらいということはありません。むしろ医院全体に余裕が生まれ、患者さんもスタッフもストレスが軽減されていると感じていますね。
ー患者様に対するメリットはどのあたりに感じますか?
まず「家でも診察を受けられること」が大きいと思います。対面だと、毎回医院まで来てもらわなければいけませんが、オンラインだと患者さんは自分の生活スタイルに合わせて通院方法を選べます。いつでも・どんな状況でも担当歯科医師と繋がれるんですね。
また導入のタイミングで新型コロナウイルスの感染拡大が起き、実際にコロナの影響で「来院を控えたい」というニーズで使っていただくことも増えました。「感染防止」という観点でも、優れたツールだと思いますね。
今まで対応できなかった患者さんも受け入れる体制が実現。
──オンライン診療を活用している患者さんの反応はいかがですか?
既に通っている患者さんは「すごく便利ですね」と好反応です。皆さんスマホを持っていますし、アプリのダウンロードやクレジットカードの登録に拒否感を示す方は今のところいません。
また一度オンラインで経過観察をした方は次もオンラインを希望される方が多いんです。「使ってみたら、意外と対面と変わらずに安心して診察を受けられる」ということに気付かれるんだと思います。オンライン診療を導入してみて、改めてみなさん忙しいんだと思いましたね。
──「場所を問わない」という点は患者様としても大きいのかな、と思います。
そうですね。急な転勤や引越しがあっても、かかりつけの医院でオンラインで治療を継続できます。
矯正は治療費も高いですし、期間も長い。だからこそ引っ越しによって、治療途中で担当医が変わることに不安を覚える患者さんもいらっしゃると思います。その点、オンライン診療を使えば、最後まで同じ歯科医師が担当できるのが便利ですね。
──なるほど。
そういえば、ちょうど今日、来院される患者さんはミャンマーに駐在されている方なんですよ(※取材当日)。
「日本での矯正治療を希望している」と相談に来られたんですよね。お話を聞くと1年に1回は日本に帰って来るとのことで「じゃあそのタイミングで来院してもらって、あとはオンラインで経過観察をしましょう」と。
患者さんもとても喜んでくれて、当院としてもオンライン診療の体制が整っていて良かったと思いました。そのほか「地方に転勤中の方」も含めて、遠方にお住まいでオンラインで経過観察をしている方は何人かいらっしゃいますね。
──さまざまなオンライン診療サービスがあるなかで浅田先生がCLINICSを評価する点はどのような所ですか?
「0円で決済できるところ」です。当院はトータルフィーですので、0円で決済する必要があります。CLINICSさんは儲からなくて申し訳ないですが(笑)。
また、オンライン診療は導入時にハードルがあると思いますが、定期的にオンラインでサポートしてくださってたので、挫折することなくスムーズに開始できました。その後、分からないことがあった際にも、すぐ的確にご回答いただけるのも、ポイントが高かったです。
──今後、CLINICSに期待する点はありますか?
電子カルテやレセコンと連動(※2)できたら嬉しいですね。より業務を効率化できると思います。あとは、画面共有機能(※3)があれば、さらにカウンセリングの質が上がりますので、期待しています。
※2 歯科専用システムDentisでは、電子カルテ・レセコンにオンライン診療機能が内包されており、一気通貫で予約からオンライン診療、診療記録、会計までを1つのシステムで実施できます
※3 2022年9月現在、画面共有機能は実装されており、浅田先生にもご活用いただいております
患者さんに選ばれる歯科医院を目指して
──オンライン診療を検討している先生方へアドバイスはありますか?
「オンラインでおこなう歯科での初診相談」は、今後普及して欲しいと思っています。
というのも、患者さんが「自分に合った歯科医院・先生なのか」がわからないまま治療が進んでしまうケースって多いと思うんです。患者さんが、初めてのクリニックで虫歯が見つかり、当日そのまま治療する。でもその歯科医院って偶然見つけたところ、というだけで患者さんのニーズにマッチしているか、わからないですよね。
その点、ちゃんと理解して納得した上で治療を選択するために、事前に10分でもオンラインで相談をして「医師の人柄」や「医院の治療方針」がわかるのは双方にとって良いことです。
私がそう感じるのには理由があります。当院に通っている患者さんから「治療でいい歯医者ありますか?」と聞かれることがとても多いんです。つまり、みなさん「かかりつけ歯科医院」を持たず、痛くなったときだけ近くの歯医者を探していくという方法で歯科医院を転々とされているんだと思います。
その背景には「一つの歯科医院に通い続ける理由がない」という問題があります。これは「医師が人柄や診療方針を伝えきれていないからだ」と思うんですね。どんなに良い治療ができたとしても患者さんに知っていただき、理解していただかないと意味がありません。
治療前にオンラインで相談でき、納得した状態で治療を進められることが、患者さんにとって「ここに通い続けよう」と感じるきっかけになるのかなと思います。
──なるほど。たしかにそういった意味では患者と医院の双方にメリットがありますね。
そうですね。事前の10分間の相談だけで歯科医院の印象は変わります。さらにいうと、医院の特徴を伝えるうえで「デジタルを取り入れていること」って、患者さんにとって、すごく魅力的な要素だと思うんですよ。
世の中的にデジタル化が進むなか、患者さんにとって「最新技術を用いた治療」は安心材料です。当院でいうと、テクノロジーを取り入れている様を見て「最先端の診察をしている」「良い選択肢を選んでいる」と感じていただけた方に、通っていただけていると思いますね。
日々の技術の進歩についていき、常に新しいことに取り組む。そういう姿勢は患者さんにも伝わります。私が患者だったらそういうクリニックに通いたいです。オンライン診療を検討している先生方にはぜひチャレンジして欲しいと思いますね。
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