オンプレからクラウドへシステム移行の裏側に迫る ~デジタル運用の標準化と管理コストの大幅削減を実現 ~

オンプレからクラウドへシステム移行の裏側に迫る ~デジタル運用の標準化と管理コストの大幅削減を実現 ~

医療法人として複数医院を経営しており、全ての歯科医院でDentisをご利用いただいている医療法人芯聖会理事長の仮屋先生と経営企画部チーフの松本様にインタビューを行いました。

課題・ニーズ
  • オンプレ型レセコンの長期の契約期間に対して、世の中のシステムとの変化のスピードにギャップを感じていた
  • オンプレ型だと費用が定期的に数百万円発生するなど費用面での課題を感じていた
  • 医院間での情報連携の際に紙の情報が必要でスムーズに実施できていなかった
  • 法人内で運用が標準化できておらず、効率的なオペレーションで標準化を実現したかった
効果
  • 契約期間に縛られず、リーズナブルにシステムを利用できるようになった
  • 患者さんの診療情報の連携や、医院売上の確認という現場と事務の連携など様々な連携がスムーズに実施できるようになった
  • 各医院でバラバラだった運用の標準化が進み始めた
  • スタッフが情報を意識的にわかりやすく、効率よく残して連携をしていこうという意識に変わった

ー最初に法人のご紹介をいただけますか

(仮屋先生)平成29年に医療法人芯聖会を設立し現在4件の歯科医院を徳島と沖縄で運営しています。法人の理念として、「笑顔の鍵を握る歯科治療」を理念に、保険診療だけではなく笑顔の元になるホワイトニングや矯正治療など自費診療も提供しています。地域に根差した愛されるクリニックを目指して日々患者さんへの対応をさせていただいております。

二軒屋医院の皆様

ーDentisを導入いただいたきっかけと実現したかったことを教えてください

(仮屋先生)現在運営している4医院ともオンプレ型のレセコンを導入していました。
オンプレ型のレセコンを導入してから7年が経ち、様々な変化のなかでデジタル化を推進することで患者さん、スタッフ、業務に対して何事も効率的にできるなと感じたことがあったので、次に導入するのであればクラウド型の電子カルテ・レセコンを導入したいと思ったのが最初のきっかけでした。

ー検討時はオンプレ型のレセコンで困っているというより先を見越しての変更だったのでしょうか?

(仮屋先生)オンプレ型のレセコンはリース契約などで約6〜7年が一つの区切りになるのが一般的です。これだけ変化の早い世の中で7年間同じシステムを利用するというのは非現実的で私自身がイメージできませんでした。
また当院では様々な場所で勤務しているドクター、スタッフがいます。患者さんのちょっとした情報にしても医院の中でしか確認出来ないことが負担になっていました。そういう意味でも場所にとらわれないクラウド型のシステムに切り替えたいという思いがありました。

ー検討の中で重要視された点はどのような部分だったのでしょうか?

【診療サイドの要望】
(仮屋先生)診療サイドと事務局サイドでそれぞれ要望がありました。診療サイドでは、日々の診療の中で沢山の紙媒体を用いて患者さんへ説明をしたり、同意を得たりで紙カルテがどんどん分厚くなっていくことをこの7年間で経験しました。当院は、基本的にカルテを印刷し、カルテファイルの中に資料を入れてカルテ庫に保管をする運用をしていたのですが、どんなに気をつけていても稀に資料を紛失することがありました。

こういった出来事から「紙を減らせること」「デジタルで資料が管理できること」が要望としてありました。また「時代の変化に応じて、日々システムが拡張していくこと」や今後紙媒体を増やさないためにも患者情報をデジタルで一元管理できる機能「サブカルテの機能」が必要でした。

業務効率化やコストを抑制する観点からも、複数システムを導入するのではなく予約から会計まで一気通貫でできるシステムはないのかな?と思っていたので、診療サイドの要望を叶えられるシステムを探していました。

【事務局サイドの要望】
(松本様)事務局サイドでは、予約から会計までの業務の中で複数のシステムを導入するとなると、事務局として支払いや領収書の管理、システム毎の問い合わせ先など管理することが増えることが想定されますし、スタッフが複数のシステムを習熟するまで時間がかかります。管理工数を削減するため、予約から会計、サブカルテに至るまで一つのメーカーで完結できるシステムを希望していました。

また当院の受付スタッフは、医療業界未経験の方を採用することが多いので、歯科知識がなく、医療システムを触ったことがなくても「システムを感覚的・直感的に操作できる」ことをシステム選択の基準としていました。Dentisは直感的に操作できると業界未経験のスタッフからも好評でした。

また複数医院を管理する上で日計表、月計表など各種帳票類に関しても要望がありました。
今までは各医院で紙で売上を記載し、エクセルなどにまとめて事務局へ送っていたのですが、数字の確認作業は医院へ訪問したタイミングでレジ金額とエクセルデータを付き合わせて実施していました。
確認には訪問が必要なため、日々の締め作業で金額が合わない場合に、すぐ対応できず確認のやりとりに現場も事務方もかなり時間を取られていました。そういった問題が起きた時に訪問をしなくてもスムーズに解決できるようにしたいと思っていました。

ーDentisの導入で苦労された点はありますか

(仮屋先生)どの程度の期間旧レセコンとDentisの運用を被らせたらよいのか、歯科衛生士が問題なく使えるかなど稼働前に不安はありました。ただ、導入準備期間にはサポートをしっかりしてもらえたので、パソコンを普段利用しないスタッフも抵抗なく使い始められました。結果的に、大きな混乱もなく切り替えできました。

(松本様)Dentisの問題では無いのですが、以前のレセコンからデータ出力をしてDentisにインポートする際に、当時利用していたレセコンから出力される情報に不足があったので、データが入らなかった箇所を事務局で手動入力し補完していく作業には苦労しました。

(仮屋先生)データ移行作業にパワーをかけてでも一気にシステムを変えようと思ったのには理由があります。同じ会社で新しいバージョンのレセコンへ変えても引き継げるデータが患者の基本情報やレセプト病名くらいだったので、結局何に変えても今回のようなデータ移行に関わる作業は発生していました。同じ作業を実施するなら長期的に時間コストを削減できるものがいいと考えました。

ー 過去もDentis導入時には、スタッフによって習熟度合いが違うという問題が発生しましたよね?

(松本様)ここに関しては旧レセコンと併用で通常業務をしながらDentis導入を進めていたので、スタッフによっては「旧レセコンで操作ができているから、新しいシステムでも大丈夫だろう」という慢心があったのかなと思います。
一方、受付スタッフに関しては、予約から会計が一気通貫に変わり全く別のシステムになることを理解していたので、覚えないといけないという気持ちが強かったのでシステム理解も早かったです。スタッフ毎の覚えないといけないという意識が重要なのだと気がつきました。

弊社も貴院のフィードバックから、ドクター、歯科衛生士、歯科医師ごとにマニュアルを作成し習熟度を確認できるチェックシートを作成するきっかけとなりました。大変貴重なご意見をありがとうございました。

ーDentisを利用しての効果はいかがでしょうか。

(仮屋先生)Dentisを導入してから様々な取り組みを行っているのですが、その中でも特に効果を感じていることを3点紹介します

1点目は院内や医院間の情報共有に関してです。
当法人は、現在4医院のドクター総勢9名がオンラインで集まって定期的にドクターミーティングを実施しているのですが、今までは紙を見なければ情報共有できなかったことが現在はDentis上からレントゲン画像や治療計画といった情報を確認できるようになり、情報共有の精度が高まったと思っています。

診療現場では、ドクターだけでなく歯科衛生士や受付スタッフなど各自が患者さんに関わるコメントを簡単に入力できるので、「痛いのが苦手」など患者さんのパーソナルな部分もスムーズに共有できるようになりました。その結果、スタッフが「よりわかりやすく情報を残そう」という意識に変わりました。

2点目は患者さんへの情報共有に関してです。
様々な資料をデジタル化し保存することで患者さんの説明に標準化された資料を使うことができるようになりました。結果、説明や共有がしやすくなり、より納得して治療・処置の同意を得やすくなり、患者さんとのコミュニケーションの質が高まりました。

今までスタッフによって記載する内容や分量が異なったり、前回は誰がどんなことを記録したか探さなければならなかったので確認がすぐに取れなかったのですが、Dentisに情報が集約されたことで、誰が・いつ・どんな内容を記載したかをすぐ確認でき、文書作成のスタッフによる質のばらつきも減りました

最後は経営に関してです。
Dentisの機能を利用して、予約前日のリマインド連絡を始めました。今まではキャンセル率が平均10%を超えていましたが、Dentisでリマインドを実施することで5%まで減少し、キャンセル率の変化だけではなく、リマインドをすることで患者さんから予約確認のお電話も減少しました。スタッフは来院されている患者さんに集中して対応できるようになったと思います。

(松本様)当法人は、徳島に2件医院がありスタッフがシフトで医院間を移動することがあります。今まで同じメーカーのレセコンを4医院とも導入していましたが、バージョンによって操作が異なり慣れないスタッフは操作に戸惑うこともありました。今は4医院ともDentisで統一していて、常に最新のバージョンに更新されているためスタッフが医院間を移動してもスムーズに対応できるようになりました。

医院毎の予約状況を即座に確認できるので、患者さんのご希望日に北島院の予約が埋まっていても二軒屋院では案内できますよとご案内ができるようになり、患者さんにとっても予約が取りやすい、通いやすい医院になったのではないかと思います。

また事務局から医院のスタッフにお願いすることや個別連絡することが減りました。事務局から申し送りがある患者さんへは予定メモに記載したり、アクティビティに記録しておけばスタッフも確認ができますし、伝達ミスもなくなります。毎月各医院へ訪問しなくても業務ができるようになったため、移動時間がなくなったのですごく楽になりました。

ーDentisを利用した具体的な診療の流れをお伺いできますでしょうか

予約・問診

WEB予約のタイミングでWEB問診を登録いただきます。ただ当院は患者さんに合わせて電話での予約・紙で問診を取得することもあります。今まで4医院で内容が異なる問診を利用していましたが、DentisでWEB問診を作成するタイミングで雛形を統一しました。

事前に問診を取得できるようになったことで、患者さんにより配慮ができるようになりました。例えばご高齢の方は入り口近くの診療室にしようとか、疾患があり事前準備が必要な場合はその準備をしたりしています。主訴を事前に把握できることで歯科助手も診療器具の準備もしやすくなりました。

患者さんの来院後、歯科助手がDentisに必要情報を登録してくれるので、ドクターは診察前に必ずアクティビティに記載されている内容とオンライン資格確認の薬剤情報を確認し、全身状態を確認してからお話しを始めるようにしました。

また、当院は医科歯科連携を実施していることもあり、Dentisの患者ラベル機能※を活用して「お薬手帳があります」「情報共有の資料を提出しています」など、歯科に限らず医科情報もタグで管理しています。Dentisでは患者検索時にタグ別に絞り込むこともできるので、定期的な治療が必要なSPTの患者さんをリストアップして管理するなど活用しています。

カウンセリング・治療計画立案

今まではレントゲン画像の投影も、院内に設置している一部のタブレットでしか利用できなかったため、他のスタッフが利用している場合パノラマ画像を紙に印刷して患者さんに説明しており、タブレットと紙両方の運用が発生していました。

いまでは院内の画像システムとDentisが連携しているため、すべてのタブレットからDentisの画面でパノラマ写真を確認したり患者さんにDentisの画面を見せながら説明ができるようになりました。またサブカルテ機能を利用してチェアサイドでカウンセリング内容や治療計画を記録しています。

カルテ入力・会計

これまで会計業務はオンプレ型のレセコン2台で入力を実施していたので、レセコンの前に人が入れ替わり立ち替わりで慌ただしく、入力待ちもしばしば発生していました。

Dentisになってからはインターネットにつながる端末を複数用意しておけばチェアサイドで、各自の端末からカルテが入力できるようになりました。入力待ちをすることもなく、カルテ入力や会計がスムーズになりました。またDentisは電子カルテですから、カルテの印刷・保管といった業務自体がなくなりました。

ー アクティビティ*はどんな運用ルールで利用されているのでしょうか

アクティビティ機能についてはこういう情報は必ずピン留め*するなどの3医院共通の運用ルールを検討しています。運用ルールが決定したら今後開院するクリニックでも適用していく予定です。

ー今後のDentisに期待していることやご要望はございますか

(仮屋先生)想像以上に使いやすかったです。強いていうならカルテ入力の標準化でしょうか。
当院は勤務しているドクターが多数在籍しているため、人によってカルテ作成や保険点数への理解度に差があります。できるだけ差が出ないようにシステムとしてカルテやレセプトチェック標準化のサポートをより強化していただけると大変助かります。

Dentisを活用してようやく私たちも情報の共有化ができるようになったので、もう少しシステマチックに診療して行くことが今後の目標です。
これからはDentisがコントロールタワーとなっていろんなことをやりたいと思っています。その一つとして、患者さんとのコミュニケーション強化があります。

Dentisに標準搭載されているオンライン診療の機能も非常に使い勝手がよく、沢山利用させていただいています。いっぽうで、もう少し患者さんとライトにやりとりができるコミュニケーションツールがあると嬉しいのと、患者さんへの提案資料が充実すると助かります。

(松本様)気になった際はすぐにDentisサポートにコミュニケーションがとれ、タイムリーに要望を解決いただいているので基本的に問題はないです。強いていうならば、自費の見積り機能や患者さんへの提案資料が充実してくると嬉しいです。今度那覇院が改装になるタイミングでDentisを使った運用を設計し、受付を完全にデジタル化していきたいです。

ーDentisをどんな方にご紹介したいですか?

(仮屋先生)私自身がオンプレ型のレセコンからクラウドシステムのDentisへ変えて大きな変化だと思っているのが、台数に制限がなく金額がリーズナブルなことです。
オンプレ型のレセコンは300万〜500万くらいの大きな出費が定期的にあります。レセコンにそれほど費用をかけず、その分診断器具や患者さんのチェアに投資し患者さんに還元したい先生へおすすめです。

新規開業の先生にもおすすめしたいですが、圧倒的に多店舗の医院運営をしている方におすすめしたいです。

* 患者ラベル : 患者の属性情報や注意事項を予めラベルとして登録し、患者に付与することができる機能です。該当のラベルが付与されている患者を検索しリスト表示することも可能です。

*アクティビティ : 患者が抱える「Problem(問題)」と、解決のための「Plan(計画)」「Progress(過程)」をアクティビティログとして自動で登録・表示できます。また歯式を使いメモを記録したり、コメントに対して顔文字でリアクションをしたりなど患者さんを中心とした院内コミュニケーションが可能です。

*ピン留め : アクティビティの中でストックしたい重要な情報を固定することができる機能です。ピン留め機能で、簡単に情報を確認することが可能です。

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