スタッフがリードするサブカルテ導入・活用のススメ ~ 患者さんが視覚的に理解・納得できるコミュニケーションの実現 ~
医療法人として鹿児島県と宮崎県で2医院を経営しており、全ての歯科医院でDentisをご利用いただいている医療法人まほうつ会ITプロジェクトチームの久保木様、福留様、上平熊様、上拾石様にインタビューを行いました。
- 久保木 春佑 医療法人まほうつ会 事務局
- 福留 美里 医療法人まほうつ会 受付
- 上平熊 莉呼 医療法人まほうつ会 歯科衛生士
- 上拾石 秀太 医療法人まほうつ会 事務局
課題・ニーズ |
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効果 |
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ー最初に法人のご紹介をいただけますか
(久保木様)医療法人まほうつ会 みやかわ小児矯正歯科と申します。当院は小児歯科専門医院です。1日の平均患者数は約80名。紙カルテの数は15000冊ほどでした。院内でITプロジェクトチームを立ち上げ、2023年4月よりDentisを導入し院内のデジタル化、ペーパレス化へ取り組んでいます。
ーDentis導入前に感じていた課題を教えてください
(久保木様)当院は紙でカルテや資料を管理していました。診察前にカルテ庫からカルテ出しをする作業が必要でしたが、この作業にとても時間がかかっていました。1日の来院患者数分のカルテを出すとなるとスタッフ1〜2名で対応し3〜4時間の時間がかかります。急患が入れば追加でカルテを出す作業が発生したり、予約のお電話がかかってきた際にも受付スタッフがカルテ探しに院内を走りまわったりと作業効率が悪いことが課題でした。
また、当院は小児歯科ということもあり毎回の診療で写真や動画を沢山撮影します。写真や動画は専用のパソコンで管理をしていたので、管理工数がかかることと、いざ写真を確認したいタイミングでは専用パソコンでしか確認できないことに不便さを感じていました。
歯科業界でもIT化が進んでいる中でこのまま紙ベースの運用を続けていくことに将来の見通しがたたないと感じていました。IT化で効率化できる部分は効率化し、人にしかできない目の前の患者さんの対応に時間をかけていきたいと思っていたのがシステム導入を検討するきっかけでした。
↑診察室の様子
ーDentis導入の準備はどのように進められましたか?
(久保木様) まず当院が目指すオペレーション実現のため、スタッフ人数分のiPadを購入し一人一台iPadを利用できる状態を作りました。また院内のネットワーク環境も見直し、快適にDentisにアクセスできる環境整備を実施しました。
(上平熊様) 現場のスタッフからは、慣れている紙カルテからデジタルへの運用変更に反対の意見が多かったです。サブカルテの作成にもApple Pencilの感覚に対する違和感だったり、iPadを起動するなどちょっとした変化へのストレスの声が毎日現場から上がりましたが、これらは衛生士達が直接のメリットを感じられていなかったことが原因でした。
そのため、ITチームのメンバーでデジタル化を進めることのメリットとして「将来的にカルテも電子カルテへ移行していく構想があること、電子に慣れていくことで情報の利用範囲が広がることやアクセスしやすくなること」などを一つ一つ伝えていきました。
また、デジタル化を進める中で現場から出た課題はすぐ解決するようにチームメンバーで動いていました。具体的にはデジタル用の文書雛形の用意やDentis操作に関するFAQなどに対応しました。
その結果、将来へのイメージを現場メンバーともすり合わせることができ、活用を進めることができました。大切なのは、プロジェクトメンバーが「Dentis導入により診療がどのように改善できるか」を理解すること。そして、現場スタッフの意見や要望へは早急に対応し続けることが成功の鍵だと感じています。
ーDentis利用後、課題への効果をどう感じていますか?
(久保木様)非常に効果が出ている点はカルテ出しの作業時間が削減されたことです。現時点で半分の所要時間に削減できました。一日にデジタル化できる紙カルテは30〜40冊ほどで、1冊当たり10〜30枚ほどの紙資料がまとめられています。現時点で2000冊ほどスキャンが完了している状態です。2025年3月には全てのスキャンを完了する予定です。
(上平熊様)1冊のカルテが膨大な量になっていましたが、それが今ではDentis上でデータとして整理されているため、一目で確認したい資料が確認できるようになりました。また写真データも手元のiPadですぐ確認できるようになったことで、患者さんにも動画や写真を大きな画面で見てもらえるようになりました。
その結果、今まで以上に患者さんに理解してもらえるように説明ができるようになり、患者さんの反応も目に見えて違います。
ーDentisを利用してからの具体的な診療の流れをお伺いできますでしょうか
- 事前準備
(福留様) 診療2日前に担当スタッフがカルテ出しをして、診療当日までにスキャン機器(ScanSnap)を使って書類のデータ化を行います。スキャンができたら、Dentis上で「電子カルテ対応済み」の患者ラベルを付与し、きちっと対応が済んだことがわかるようにします。 診療当日は、紙を使わずにiPadのみでカルテを閲覧できるようになります。
- 診察
(上平熊様)歯科衛生士もしくは歯科助手がDentisに保存されている過去カルテや前回のコメント、写真を確認し診察室内へ患者さんをご案内します。
お母さんから食べ方が気になると相談された場合には、ガムトレーニングの記録を動画で残し、トレーニングの結果改善した様子を視覚的に確認いただきます。iPadのカメラを起動してガムトレーニングの様子やMFTのトレーニング動画、患者さんの口腔内や顔貌を撮影しDentisに記録として保存します。*1
診察完了後に保存してるDentis内の文書雛形を利用して、歯科衛生士とドクターがそれぞれ診察内容や口腔内の状態、次回の予定や次回に残したい会話内容などをiPadで記載します。文書雛形については、28種類準備しており、食生活、口腔内初見、DH、DR用の診療記録などそれぞれの用途に応じて雛形を使い分けます。*2
- 次回予約
(福留様) 受付スタッフがDentisの「アクティビティ(患者ページ内のチャット機能)」に記録された次回予定内容を確認し次回のご予約を取ります。その際に患者さんからあった質問や物販購入商品等を受付スタッフが「アクティビティ」にコメントを記録します。
*1 iPadで撮影した画像・動画をDentisにそのままアップロードし保存することが可能です
*2 医院で利用されている文書雛形を取り込み利用することが可能です
↑スキャンを実施されている様子
ーDentisを利用して今後実施されたい運用はありますか?
(上平熊様) CLINICSアプリの活用を進めたいと思っています。まだ院内で患者さんへご案内するためのオペレーションが定まっていないので、患者さん向けにCLINICSアプリ登録マニュアルを作成し、患者さんへご案内しようと思っています。
アプリを利用して、Dentisに保存している治療の記録や動画をCLINICSアプリ上で共有しいつでも親御様に治療の記録を確認いただけるようにしたいです。
すでにご登録いただいている患者さんもいて、当日の診療内容を共有して変化をご確認いただきました。
ー最後にDentisを活用してみてそれぞれの感想をお願いします。
(久保木様) Dentisを導入し最初は大変な部分もありましたが、チームで一つ一つ課題を解決していきました。それによりオンライン診療の選択肢や患者さんへの説明の幅など診療の幅が広がったことを実感しています。何か困ったことがあるとDentisサポートに相談すれば、早期に解決や提案をいただけます。これからも当院のデジタル化にお力添え宜しくお願いします。
(上拾石様) 満足度は高いです。現時点の商品の良さもありますが、これからバージョンアップされていくと日々感じられることが良いです。
Dentisはサブカルテだけでなく予約管理やレセコンなど幅広く対応しているので、将来の見通しもたちました。デジタル化に向け大きな一歩を踏み出せたと実感しています。また今回ITプロジェクトチームで初めての取り組みでしたが、チームを主導にスタッフ皆に一体感が生まれ、本プロジェクトを通じて成長できたことが嬉しいです。
(上平熊様)紙カルテと比較すると圧倒的に見やすくなりました。1冊のカルテが膨大な量になっていたので、それがDentis上でデータとして整理されていることで過去を振り返りながら診療する私達も大いに助かっています。
今回の取り組みが患者さんにとっても良い影響が出ていることを実感できているので、今後もDentisの様々な機能を有効活用し、今よりも効率的で質の高い診療を目指していきたいです。
(福留様) 受付として電子化の推進は待ち望んでいたことでした。日々のカルテ探しや、電話中に慌ててカルテ庫にいき、カルテがない時の絶望感はつらいものがありました。電子化によりそういったスタッフのストレスもなくなり、カルテ確認で患者さんをお待たせすることも減らせたので、受付スタッフも安心して働けるようになったと感じています。
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