
アプリ登録率99% アプリを通じて患者に寄り添う
2025年11月07日
名古屋駅から徒歩5分の場所に医院を構える「松岡歯科」。同院は、メンテナンス重視の診療を特徴とし、定期的に通院する歯医者だからこその「家族でも友達でもないが、患者様の人生を共に知っていく特別な場所」というコンセプトを掲げている。院長を務める松岡先生は、院内の業務効率化と患者とのより深い関係構築を目指し、クリニックのDXを積極的に進めている。スムーズなDX推進を可能にしたのはクラウド型電子カルテ「DENTIS(デンティス)」と、患者向けアプリ「melmo(メルモ)」だった。診察券を廃止し、アプリへの完全移行を断行した結果、驚異的な登録率を実現。なぜ松岡歯科は徹底したデジタル活用に踏み切れたのか、その背景にある想いと、DXが可能にした新たな医療体験について、詳しく伺った。
名古屋駅から徒歩5分。患者の人生に寄り添うクリニック
まず、クリニックの概要や特徴について教えていただけますか?
名古屋駅から徒歩5分のオフィスとマンションが混在するエリアにある、ごく一般的な歯科医院です。
患者様とのコミュニケーションをとても大事にしており、患者様とスタッフの楽しそうな笑い声がいつも聞こえてきます。患者様には穏やかで歯医者っぽい感じがないと言われますね(笑)。
メンテナンスで月1回以上通ってくださる患者様が多く、毎回楽しくお話を聞かせていただいているのですが、何十年と積み重ねて、「家族でも友達でもない患者様の人生を知っている特別な場所」になれたらと思っております。楽しい会話だけでなく、ご自身に合った歯磨き粉の選び方から成分表の見方、オーラルフレイルを防ぐマウスウォッシュの方法など、患者様のデンタルIQを高める工夫をしています。
メンテナンスもEMSエアフローやマイクロスコープを使用し、不快感なく今まで以上に効果がある技術もどんどん取り入れております。クリーニングは痛い、不快だと思っている方は、ぜひ一度受けてみていただきたいですね。

決め手はデザイン性と“人情味”。DENTIS導入の背景
貴院が弊社のシステム「DENTIS」を導入されたきっかけは何ですか?
当院は患者様とのコミュニケーションを大事にしているので診療や患者様との会話に時間を割くために、無駄な業務を減らそうと思いました。
電話対応・受付・カルテ入力・会計・資料の手交などを省くために、予約受付から診療、会計、画像管理まで、すべてをシームレスに一元管理できるシステムを探したところ、「DENTIS」しかありませんでした。リーズナブルなクラウド型なので、サポートは事務的でAIチャットボットが対応するというイメージを当初は持っていましたが、実際は人間味のある温かい会社だなと感じています。皆さん非常に勉強されていて、知識が豊富で迅速かつ的確な返答をくださり、大変助かります。
実際使ってみると、画面がきれい、見やすいとスタッフの評価が高いです。
DENTISはデザイン性が高く操作がわかりやすいので、治療の合間にスタッフがカルテ入力できるようになりました。
会計も、患者様が登録したクレジットカードから自動で引き落とされるため、会計業務自体がなくなり、患者様も会計待ちが無くなったことで良い評価をいただいています。
導入前は、歯科衛生士が入力するプラークコントロールレコード( 磨き残しが何%あるか)の操作性が気になり導入をためらっていましたが、ご相談したところ、すぐに改善してくださったんです。スピード感をもってユーザーの声を取り入れてくれる姿勢に信頼できる会社だと思い、導入に至りました。

診察券を廃止しアプリへ完全移行。驚くほど高かった患者の受容性
「melmo(メルモ)」は、どのような目的でご活用されていますか?
患者様とのつながりをより強化したいという目的でアプリを使うことにしました。
医療機関は毎日多くの患者様がいらっしゃり、コミュニケーションや説明の時間に限界があります。
患者様はアプリで歯科医師からの説明を読んだりレントゲンを確認することで、来院していない時にも自分自身について落ち着いて考えることができます。
診療が終わってからも適切なフォローをすることで、効率的な診療と患者満足度向上を両立させることができました。
アプリの登録は、どのような流れで案内されているのでしょうか?
まず、Web問診表の最後に「アプリをインストールしてください」という質問項目を設けて、「はい」にチェックを入れてもらいます。これで半数の方は来院前に登録してきてくれます。
残りの方には、来院されたらチェアサイドで説明用のスライドを見せながら、その場でインストールしてもらいます。「診察券はアプリなので入れてください」とお伝えするだけで、ほとんどの方が登録してくれますね。
アプリ登録率は脅威の99%。DX化がもたらす信頼関係
アプリを活用する中で、患者様から印象的な反応はありましたか?
アプリを患者様全員に使ってもらうのは大きな変革に思えますが、やってみると意外と簡単でした。
アプリを開くだけで予約日時が確認でき、高齢の方も使いこなしていらっしゃいます。
LINEと連携し予約もとれるようにしていますが、「LINEだとスクロールして医院を探さないといけないからアプリの方が使いやすい」と、若年層からも好評です。
レントゲンや口腔内写真を患者様がアプリに連携しているので、透明性の高い診察をしてくれると感じていただけています。
以前、カップルで通院されている患者様が、お互いのレントゲン写真をアプリで見せ合っていた、という話も聞きました(笑)。コミュニケーションのきっかけにもなっているようです。
大きな病院へご紹介する際は、紹介状をお渡ししたり大病院の予約をクリニック側が取り確定を連絡する手間がありますが、アプリで連絡できるようになりました。
9月からマイナンバーカードもスマートフォンに搭載できるようになったので、当院を受診する際は診察券も保険証もマイナンバーカードも財布も必要なくなりました。できるだけ荷物を持たずに身軽に行動したいというスマート志向の患者様に、非常に好評ですし、医院として常に進化し続けている印象を与えることができていると感じます。
患者様だけでなくスタッフからも好評です。今まで当たり前の作業が無駄だったのかと医院全体で感じました。スタッフも無駄な業務をしている医院には転職できないと思いますね。経営面でも受付が無人化できたり、スタッフの無駄な業務がなくなったり、良いことばかりです。
より良い医療体験のために。現場から寄せる未来への期待と改善要望
「melmo」や「DENTIS」に、今後期待することや改善要望はありますか?
メドレーさんは今までの古いやり方にとらわれず、AIなど新しいことをすぐに取り入れてくれるフットワークの軽い会社だと個人的に感じています。
将来的に薬局との連携が強化され、医師と薬剤師が気軽にチャットでやりとりできたりする未来に先導して変えていってくれるのではないかと期待しています。他には、melmoを通して先生のコラムが読めたり、患者様の病状に合った記事が流れてくるともっと面白くなると思います。

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