歯科医療業務の未来を見据えたクラウド一元化への期待

歯科医療業務の未来を見据えたクラウド一元化への期待

Dentis編集部

記事監修

株式会社メドレー Dentis編集部

歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。

Dentisをご利用されている北海道旭川市の鷹栖歯科・口腔外科の木津先生にインタビューを行いました。先生は歯科診療の中で口腔顔面痛という特殊な分野を専門とされており、Dentisの導入の経緯と口腔顔面痛診療との関連についても深くお話しいただきました。

ーDentisを導入いただいた理由をお伺いできますか

Dentisには予約とオンライン診療を行えるプランと、それに電子カルテ・レセコンまで使えるプランがありますが、当初はまだ旧レセコンがリース中であったため、予約やオンライン診療のプランから導入しました。導入の理由は色々ありますが、最大の要因は「クラウドサービス」である点です。クラウドシステムなので、インターネットがあれば業務の場所や時間帯、デバイスを問わずにアクセスできる環境が整っています。またオンプレミス型サーバー等周辺機器が不要なので、受付も省スペース化できます。

当院では紙媒体の予約台帳に不便を感じていました。そのため、Googleカレンダーなどのデジタルツールに切り替えた経緯があります。その頃Dentisに関する情報を知ったことで、より便利な予約管理が可能になると期待し、導入を決意しました。特に私の専門である口腔顔面痛(Oro Facial Pain)という分野は、患者様の痛みに関する症状等を詳細に把握する必要があり、Web問診やオンライン診療がパッケージングされた効率的な予約システムが効果的と考えています。

更に北海道には口腔顔面痛の専門医が非常に少なく、道北エリア唯一の認定医として遠方からの患者様にも対応しています。季節や距離、交通の影響で来院が困難なケースも多く、オンライン診療による新たなアプローチの必要性を感じていました。このような課題解決の手段として、Dentisトータル支援システムへの変更が効果的であると考え、オンプレミス型レセコンリース満了後に、Dentisでシステム一元化計画を立てました。オンプレミス型は端末費用や保守管理コストが高くなるため、経費削減目的もDentisの電子カルテ・レセコンシステム導入のもう一つの要因です。

ー口腔顔面痛でのオンライン診療の活用方法を具体的にお伺いできますか

主に医療面接やカウンセリングを行っています。特に遠方の患者様は、車で1時間以上、場合によっては泊まりがけでの来院を余儀なくされることもあります。このような状況下で、オンライン診療は距離や季節に影響されることなく、診療を実施できることは大きな強みと言えます。

患者様に対して触診ができない環境でも、痺れや痛みの範囲を具体的に指差していただくことで症状を確認しながら診察を行います。適切な質問や範囲の確認を通じて、診断に必要な情報を引き出すことができます。また口調や表情から心理状態を推察、傾聴、共感は遠隔でもある程度可能ですので、これにより患者様にも安心して診療を受けていただくことができるのです。また現行処方に関して処方箋原本を郵送していますが、今後は電子処方箋による対応が可能になることを期待しています。

ー最初に予約機能を入れて、その後電子カルテ・レセコンを導入されましたが、導入時にご苦労されたことや工夫されたことはありますか

システム上、現行利用のアカウントに新たな機能が追加されるため、入力練習は当院患者様に対して行わなければならず、実働業務となってしまいます。そのため導入準備段階では、練習用別アカウントで架空の患者に対して業務デモを体験することになります。この練習では本番さながらにオンライン資格確認などを利用することはできなかったので、システム実装稼働してから戸惑うことがありました。

導入準備に際し、当院独自の情報を担当者に伝えることで、都度インポートしてもらうことができました。またレセコン入れ替えに備え、既存システム撤収前に院内の配線を整理し、配線が混乱しないように各線にナンバリングを施しました。有償往訪サポートもありますが、自助努力の範囲で作業することによりコスト削減できたことは良かったと考えています。

ー導入されて良いと感じる点はどんなところでしょうか

まずシステムに場所 ・端末 ・時間帯問わずアクセスできることが挙げられます。オンプレミス型レセコンを使用していた以前は、受付のみで業務を行っていました。Dentis導入により、学会移動中や自宅でもデータにアクセスできるようになりました。これは診療の効率化に大きく寄与しています。システムが一元化されているため、情報が特定の端末でしか閲覧できないという制約が解消され、カルテや問診、予約情報を全てどのデバイスからでも確認できる環境が整ったことは特に助かります。

過去のカルテに関しては法的な保管義務があるため、紙媒体やPDFで保管をしていますが、導入後はペーパーレスとなり、物理的スペースの確保にも貢献しています。

またチャットサポートの対応が迅速で、Dentis営業時間内に回答が得られないことで、こちらの業務が滞ることはほとんどありません。

クラウド型の特徴として、端末に問題が生じた場合でも他の端末を使用すれば、業務を遅滞することなく安定したサービスが提供できます。以前のオンプレミス型ベンダーは営業支所が札幌のため、 トラブル発生の際、往訪に旭川へは早くても1時間半ほどかかります。 当日往訪は難しく、冬季や天候によっては往訪不可の時もあります。もちろんそれぞれ一長一短あり、オンプレかクラウドかの単純比較は一概にできませんが、当院はクラウド型が合っていたと思います。  

また、WEB予約機能も非常に役立っています。従来は電話予約のみでしたが、Dentis導入により、若い世代の方のみならず、年配の方々のWEB予約利用が増えています。予約手段の追加は、スタッフの電話対応頻度を減少させることにも繋がっています。Googleアナリティクスのデータによると、予約の70%以上がスマートフォンから行われていることが示されており、スマートフォン対応の予約機能があることは患者様にとっても非常に良いと言えます。

ー少し話は変わりますが、歯科ではクラウド一元化というのはまだ黎明期かと思います。先生は今後をどのようにお考えでしょうか

医科では多くのクラウド一元化システムが整備されていますが、歯科特化型のものはまだ少ないのが現状です。ただし、今後はクラウド一元化の潮流が歯科にも押し寄せてくると感じています。国が進める医療DX政策を通じて、電子処方箋や電子カルテの情報共有サービスが積極的に推進されており、紙媒体による処方箋や紹介状といった従来の常識が、新たなデジタルデータ共有に置き換わる日も近いと思います。

またシステム一元化とともに、情報のセキュリティ強化が今後ますます重要になると考えています。一方でアナログ的な手法も柔軟に活用しながら、時代の潮流に乗りつつも流されないことが重要です。以前「クラウドシステムに切り替える」というテーマのセミナーで、クラウドは最初から全ての機能が備わっているわけではなく、自分でカスタマイズしていくことが当たり前なのだと理解しました。将来的にはさまざまな拡張を行い、AIによる業務サポートシステムとの連携に期待しています。

ー最後に、Dentisはどんな方におすすめですか

口腔顔面痛を専門にされている先生には、Web予約 ・問診やオンライン診療、サブカルテといった機能は非常に有効だと感じていますので、機会があれば紹介しています。これからの歯科医療において、クラウドシステムを活用し、Web予約 ・問診、カルテ ・レセコンシステム一元化を図りたいと考えている歯科医療従事者にとっても、Dentisは有用な選択肢であると思います。


木津先生、貴重なお話をありがとうございました。

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