データドリブン経営への転換 Dentisが歯科医院の治療継続率の増加とDXを加速

データドリブン経営への転換 Dentisが歯科医院の治療継続率の増加とDXを加速

Dentis編集部

記事監修

株式会社メドレー Dentis編集部

歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。

東京都中野区にある土田歯科医院の土田修史先生にインタビューを行いました。先代から医院を継承し、医院運営の効率化と質向上に積極的に取り組む土田先生が、Dentis導入によってどのように課題を克服し、効果を実感されているのかを伺いました。

課題・ニーズ
  • 定量データ不足による、経験や勘に頼った経営判断だった  
  • 制度変更への対応が遅れ、レセプト業務の電子化が急務だった  
  • 既存システムでは将来的な成長の見通しが立たなかった
効果
  • 分析機能によるキャンセル率や収益データの可視化、客観的データに基づく戦略的意思決定ができるようになり、キャンセル数が減少した。  
  • システム老朽化や保守切れ問題を解消し、常に最新機能を利用可能になった。

ー Dentis導入いただいた背景をお伺いできますか。

Dentis導入を考え始めた背景には、複数の要因がありました。まず、長年の課題としてあったのは、紙媒体の予約台帳です。紙媒体の台帳は手軽ですが、紛失リスクや過去データの参照が煩雑で、再現性の乏しさがありました。また、予約システムとレセコンが別システムでは真の一元管理は難しいと感じており、より効率的な方法を模索していました。さらに、電子カルテへの移行も以前からの検討テーマとしてありました。

また、喫緊の課題としてオンライン請求への対応も残っていました。レセコン入れ替え前、当院はオンライン請求に未対応で、オンライン請求必須化の期限が目前でした。そのため、レセプト業務のオペレーションを根本から見直す必要がありました。

加えて、当時使用していたオンプレミス型レセコンが古くなり、メーカーさんから「あと1〜2年で保守ができない」と告げられました。バージョンアップも選択肢としてありましたが、拡張性に乏しいと感じていました。

しかしながら、この状況はチャンスでもありました。オンライン請求という、医院として対応せざるを得ない課題を“大義名分”に、長年検討してきた予約システムや電子カルテ化、老朽化したレセコンの刷新を一気に進められると考えたのです。いきなり「システムを変える」と言っても反発が予想されますから、スタッフに新システム移行を納得してもらう絶好の機会と捉えました。

そんな最中にDentisで課題の解消ができることを見つけて資料請求したり、偶然にも参加する定例会で説明を聞くなどのきっかけが重なり、これらの複合的な課題を解決し、当院が目指す効率的で質の高い医療提供体制を構築できるシステムとして、Dentis導入を決定しました。

ー Dentisを導入して変わったことはございますか

分析機能活用による「感覚頼りの医院運営」から「データドリブンに基づく医院運営」への転換

以前の医院運営は、紙の予約簿やカルテで管理されており、情報を溜めていても、それを“経営の意思決定”に活かせていないことが実情でした。「今月はキャンセルが多かった気がする」という感覚はあるものの、その根拠となるデータを瞬時に取り出して比較したり、具体的な対策に落とし込むのはとても難しい状況でした。

Dentis導入後、最も大きく変わったのは、予約数、来院患者数、キャンセル数やその理由、診療内容や収益など、あらゆる数字が一元管理・リアルタイムで可視化された点です。これによって「憶測」や「経験」ではなく、全てを実際のデータに基づいて判断できるようになりました。

以前なら「何となく多い」と感じていたキャンセル数を、月別・時間帯別に分析し、その要因や対策まで具体的に話し合えるようになりました。「今月のキャンセル率は〇〇%だから。改善のために…しよう」といった具体的な議論が定例会で生まれるようになり、実際、客観的データに基づき対策を講じることで、キャンセル率は着実に低下しています。また、データドリブンがスタッフの動機付けとなり、具体的な行動変容にも寄与しています。。目標も数字で明確にスタッフに共有できるため、現場の納得感やモチベーションも大きく向上しました。

実例を1つ紹介しますと、当院ではキャンセル対策として治療の担当者が直接次回予約を行うようにオペレーションを変更しました。Dentisの導入により、受付でなくとも、各自のipadで予約が取れるようになりましたので、治療後にチェアサイドで、患者とコミュニケーションを取ってもらい、次回予約を取るようになりました。そうすることで、患者さんに継続治療の重要性を理解いただき、担当者が直接「約束」することで精神的にキャンセルが抑制されることを狙っております。

さらに、次回予約業務が、受付に集中しなくなりましたので、、受付スタッフの業務負担が軽減され、患者さんの待ち時間短縮が実現しました。この効率化は、スタッフの働きやすさを向上させ、結果としてスタッフと患者さんの双方の満足度の向上に繋がっていると実感しています。

データを元に定例を行うお姿

ー Dentisに切り替えるまでの準備についてお伺いできますか

新システムへの移行は、既存のやり方に慣れたスタッフには大きな変化となりますので、反発が全くなかったわけではありません。むしろ最初は「なぜこんなことを?」という雰囲気でした。この切り替えをスムーズに進めるために最も重視したのは「理由付け」と「タイミング」です。

まず、「オンライン請求への対応が国から求められており、これに対応しないとレセプトが出せなくなり、結果として皆さんの給料にも影響が出る可能性がある」と、朝のミーティングなどで繰り返し伝えました。これは私個人の意向ではなく、医院として対応せざるを得ない状況だと理解してもらうためです。Dentis側からも導入までのロードマップを丁寧に示してもらったことも、スタッフの不安緩和に大きかったと思います。

また、レセコンの保守期限が迫っていたことも、変更の大きな後押しとなりました。この「タイミング」を逃すと、数年間は古いシステムを使い続けなければならない可能性があります。スタッフへの説明では、単に「変えなければならない」と伝えるだけでなく、新システムがもたらすメリットを、それぞれの立場に置き換えて具体的に示すことを心がけました。大きな変化に敏感になりやすい受付スタッフには、チェアサイドでアポイントが取れることで受付業務がどれだけ軽減されるか、患者さんの待ち時間がどれだけ短縮されるか、そしてカルテを紙で出力する手間がなくなることなどを具体的に説明しました。例えば当院はユニット5台で、一斉に患者さんが入れ替わる時間帯には受付が一度に多くの患者さんに対応しなければなりません。チェアサイドでアポイントが取れれば、このピーク時の負担を大幅に減らせるという話は、受付スタッフにとって大きなモチベーションになったようです。

もちろん、導入当初は操作に戸惑うこともありましたが、スタッフがそれぞれの持ち場で新しいシステムに慣れていけるよう、声掛けやサポートを続けました。特に予約システムは、誰か一人が担当するのではなく、各衛生士が自分の担当患者さんのアポイントを管理できるよう設定を工夫するなどして、属人化を防ぎ、誰でも対応できる体制を目指しました。電話応対時にも、患者情報をDentisのメモ機能に残すことで、次に誰が電話に出ても状況が把握できるようにするなど、院内での情報共有がスムーズにするようにルールをひとつひとつ考えて設定していきました。

新しいシステムへの移行は、単に機器を入れ替えるだけでなく、医院全体の指揮系統や組織のあり方を見直す良い機会にもなったと感じています。診療所にとっての心臓部であるレセコンとカルテシステムを変えることは確かに大変な努力を伴いますが、それを乗り越えることで得られるメリットやリターンの方が大きいと確信しています。

ー 今残っている課題や今後チャレンジしたいことはございますか

Dentisを導入し、業務効率は確実に向上しましたが、まだまだ挑戦したいこと、そして改善をしていきたい点はあります。

1つ目は、院内ペーパーレスの拡張です。現在はカルテの紙出力をなくす段階ですが、今後は患者さんとのコミュニケーションツールとして、Dentisの機能をさらに活用していきたいと考えています。例えばCLINICSアプリを活用し、口腔内写真や治療計画、注意事項などを共有することで、患者さんの治療への理解とモチベーションを高められるのではないかと考えてるので、患者様への案内をこれからしていきたいと思っています。

2つ目は、電子カルテという新しい情報管理の形に、医院全体としてさらに習熟していくことです。紙カルテに長年慣れ親しんでいたので、一覧で把握しやすい、特定の記録へ直感的にたどり着きやすいといった、紙ならではの扱いやすさがありました。電子カルテになったことでガラリと変わって戸惑うことがあるのも事実です。Dentisは豊富な情報をデジタルでアクセスできる大きな利便性がある一方で、私たち自身がその情報を最大限に活用し、かつ紙媒体が持っている利点を補うような運用方法を自分たち自身で確立していく必要があります。Dentisのアップデートにも日々期待していますが、過去の診療情報をはじめとする様々なデータへよりスムーズに、そして効率的にアクセスできるよう、院内での運用方法やスタッフのスキルアップを継続していくことが、今後の課題の一つです。

3つ目は属人業務の撤廃です。院内では、レセプト入力など、まだ一部で属人化している業務があります。これを解消し、スタッフ全員がDentisを最大限に活用できる体制を整えていくことも今後の課題です。そのためには、私自身もDentisの機能をさらに深く理解し、スタッフへの教育や情報共有を継続していく必要があります。

先般の課題解消の見通しが立ちましたら、Web予約の本格的な活用や、アプリを利用した診察券の運用や決済による会計業務の効率化なども視野に入れています。これらが実現すれば、受付業務はさらにスリム化され、患者さんにとってもより快適な医院環境を提供できると考えています。

最後に、もしDentis導入を検討されている他の先生がいらっしゃるとしたら、特にオンプレミス型システムに限界を感じているが、なかなか一歩を踏み出せない先生にこそ、検討の価値があると伝えたいです。確かに、新システムへの移行は勇気がいりますし、スタッフ教育も必要です。しかし、クラウド型のDentisが持つ拡張性、どこからでもアクセスできる利便性、そして分析機能などを活用することで、医院運営の可能性は大きく広がります。レセプト業務の効率化だけでなく、スタッフ間の情報共有の円滑化、そして患者さんとのより良いコミュニケーションツールとして、Dentisは大きな助けとなるはずです。変化を恐れずに、新しいシステムと共に医院の未来を切り拓いていくことをお勧めします。


土田先生、貴重なお話をありがとうございました。

システム選定相談会を開催中です

記事を見てDentisに興味をもった方、システム選定の相談をしたい方に向けて、無料面談を実施中です。以下からご都合の良い日程をお選びください。担当者がオンライン面談形式にてご説明します。

Dentis編集部

記事監修

株式会社メドレー Dentis編集部

歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。

導入事例一覧に戻る