【2023年最新】歯科医院におけるIT導入補助金の概要|申請要件や補助対象、DX化の例をご紹介!

【2023年最新】歯科医院におけるIT導入補助金の概要|申請要件や補助対象、DX化の例をご紹介!

2023年09月11日

歯科クリニックを新しい形に変化させるには、ITを使った改革、いわゆるDX化が欠かせません。そこで本記事では歯科医院におけるIT導入補助金の概要や、ITを活用した具体的なDX化の例について、2023年最新の情報を元にわかりやすくご紹介します。

歯科医院におけるIT化の課題・現状

歯科医院は競争が激しく、新たな患者を増やしたり経営を安定させたりするのが困難な課題に直面しています。また、技術と知識を持つ歯科衛生士等の人材不足も深刻です。

最新のIT技術を使い始める場合は大きな費用がかかり、全体の取り組みが必要となるため、導入は簡単ではありません。

しかし、IT化は歯科医院の運営を助けます。予約受付や会計、発注・在庫管理といった日常業務の効率化や自動化により、治療や患者ケアに集中できる時間が増えるからです。

なお、IT導入補助金を利用すると、IT技術の導入に伴うコスト負担を軽減でき、歯科医院におけるデジタル化を早めることができます。

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入するための経費の一部を、国が補助する制度です。ITツールの導入によって、業務の効率化や自動化、生産性の向上、売上の増加などを目指せます。

IT導入補助金は、通常型(A・B類型)とデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)の2種類です。

通常型は、ソフトウェアや導入関連費用が補助対象で、最大450万円まで2分の1以内が補助されます。デジタル化基盤導入枠は、ソフトウェアに加えてPCやタブレットなどのハードウェアも補助対象で、最大350万円まで3分の2以内が補助されます。
参考:事業概要 | IT導入補助金2023

対象と申請要件

IT導入補助金は、生産性向上や業務効率化を図るためのITツールを導入しようとする中小企業や小規模事業者を対象としています。以下の要件を満たすことが条件となっています。

  • 中小企業・小規模事業者等であること
    これは、経済産業省が定める中小企業基本法の定義に基づくものです。
  • 日本国内で事業していること
    海外展開している企業でも、日本国内に事業所を持ち、その事業所でのIT導入を目指す場合には適用可能です。
  • 事業場内最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること
    これにより、良好な労働環境の下でITツールを最大限活用できることが期待されます。
  • gBizIDプライムを取得していること
    「gBizIDプライムアカウント」を持っていない場合は「gBizID」ホームページより取得できます。
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言を行うこと
  • 国及び中小機構その他の独立行政法人の他の補助金等と重複する事業については、補助事業の対象として含んでいないこと


要件を満たすことで、IT導入補助金の対象になり、効率的なITツールの導入を通じて業務改善や生産性の向上を図れます。なお、通常枠(A・B類型)、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入類型でそれぞれ申請要件が異なりますので、詳細は確認してみてください。
参考:補助対象について | 中小企業・小規模事業者のみなさま | IT導入補助金2023

対象類型

IT導入補助金には、以下の3つの類型があります。

通常型(A・B類型)

通常型は、ソフトウェアや導入関連費用が補助対象で、最大450万円まで2分の1以内が補助されます。A類型は、5万円以上150万円未満の申請額で、1つの業務プロセスに対応するITツールを導入する場合です。

B類型は、150万円以上450万円以内の申請額で、4つ以上の業務プロセスに対応するITツールを導入する場合です。B類型では、賃上げの目標が必要です。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型)

デジタル化基盤導入枠は、ソフトウェアに加えてPCやタブレットなどのハードウェアも補助対象で、最大350万円まで3分の2以内が補助されます。
デジタル化基盤導入類型は、会計ソフトや受発注ソフトなどのデジタル化基盤となるITツールを導入する場合です。

複数社連携IT導入類型は、複数の事業者が共同でITツールを導入する場合です。デジタル化基盤導入枠では、インボイス制度に対応したITツールを優先的に選ぶ必要があります。
参考:IT導入補助金について | IT導入補助金2023

歯科医院における補助対象

歯科医院における補助対象となるITツールは、以下のようなものがあります。

  • 電子カルテ
  • レセプト管理
  • 予約管理
  • 患者管理
  • 会計管理
  • 在庫管理
  • 発注管理
  • 勤怠管理
  • 給与管理
  • ホームページ作成
  • オンライン診療

これらのITツールは、歯科医院の業務を効率化や自動化し、生産性や売上を向上できます。ただし、IT導入補助金の補助対象となるITツールは、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供するものに限られます。

IT導入補助金を活用して歯科医院が取り組みたいDX化の例

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に、その経費の一部を国が補助する制度です。

ITツールの導入によって、業務の効率化や生産性向上、働き方改革などを目指せます。歯科医院がIT導入補助金を活用して取り組みたいDX化の例としては、以下のようなものがあります

1.在庫管理を目的としたITツールの導入

在庫管理は、歯科医院にとって重要な業務の1つです。ただし、目視で数えたり、ノートに記録したりする方法は手間がかかります。

そこで、在庫管理を目的としたITツールを導入することで、在庫の把握や発注の自動化、賞味期限やロット番号の管理などができるようになります。これによって、診療に必要な資材の欠品や廃棄を防ぎ、コスト削減や品質向上につなげることが可能です

IT導入補助金対象ツールの一例としては、「スマートマットクラウド」や「歯科医院向け在庫管理システム」などがあります。

2.レセプト管理のIT化

レセプト管理は、歯科医院の収入源である診療報酬を正しく請求するために必要な業務です。紙ベースで行う場合はミスや漏れが発生しやすく、時間もかかります。

そこで、レセプト管理のIT化をすることで、電子カルテと連携して自動的にレセプトデータを作成したり、保険点数や診療内容のチェック機能を利用できます。これによって、レセプト作成や送信の効率化や精度向上につなげることが可能です。

IT導入補助金対象ツールの一例としては、「レセコン」や「レセプトクラウド」などがあります。

3.電子カルテシステムの導入

電子カルテシステムは、患者の診療記録や画像データなどを電子化して保存・管理するシステムです。電子カルテシステムを導入することで、紙カルテよりも情報の検索や共有が容易になり、診療時間の短縮や医療ミスの防止ができます。

また、電子カルテシステムはレセプト管理や予約管理などの他のITツールと連携することで、院内業務の一元化や効率化にも貢献します。IT導入補助金対象ツールの一例としては、「歯科電子カルテシステム」や「歯科医院向け電子カルテシステム」などです。

4.予約管理システムの導入

予約管理システムは、患者の予約状況や来院履歴などを管理するシステムです。予約管理システムを導入することで、予約受付や確認の自動化、空き時間の最適化、リコールやキャンセル対策などができるようになります。

これによって、受付業務の負担軽減や患者の満足度向上、来院率や売上の向上につなげることが可能です。
IT導入補助金対象ツールの一例としてクラウド歯科業務支援システムDentisがあります。
クラウド歯科業務支援システムDentisは、WEB予約などの歯科業務を効率化することができ、歯科医院のDX化を図ることができます。
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IT導入補助金の申請に必要な書類と手続きの流れ

IT導入補助金を申請する際には、必要な書類の準備を行ったうえで指定された流れで手続きを行う必要があります。

必要書類

 IT導入補助金を申請するためには、補助金の要求、ITツールの導入計画、購入情報、企業の財務状況、従業員への適正な賃金支払い等を証明するための複数の書類が必要です。

  • 【交付申請書】補助金の要求とその使用方法を記述します。
  • 【IT導入計画書】導入目的、期待する効果、具体的な導入計画を詳しく説明します。
  • 【購入関連書類】購入見積書、契約書、請求書、領収書、納品書など、透明性と追跡可能性を確保します。
  • 【事業計画書】企業の短期・長期目標と補助金の適合性を示します。
  • 【決算書】企業の財務状況と補助金の必要性を証明します。
  • 【賃金関連報告書】従業員への給与支給総額報告書と事業場内最低賃金報告書で、適正な賃金と適切な労働環境を確認します。


必要な書類は申請者が法人か個人かによって異なる場合があります。
参考:申請・手続きフロー | IT導入補助金2023

手続きの流れ

補助金の申請は、経済産業省のオンラインサービスへのアクセスから始まります。
その後、専門家の選択、ITツールの選択、申請書の作成と提出、審査の待機と進行、そして最終的に補助金の受領というステップを経て完了します。

  • 【gBizIDの取得】このIDは経済産業省のオンラインサービスへのアクセスを可能にします。
  • 【IT導入支援事業者の選択】申請には専門家の支援が必要です。
  • 【ITツールの選択】業務効率化や生産性向上に必要なツールを選びます。
  • 【交付申請書の作成と提出】企業情報と導入計画を記入し、経済産業省に提出します。
  • 【審査結果の待機】申請内容と予算配分の審査を待ちます。
  • 【交付決定通知書の受領】補助金の交付が承認された場合、通知書を受け取ります。
  • 【ITツールの購入】通知書を受け取った後、ITツールの購入と納品スケジュールの調整を行います。
  • 【実績報告書の作成と提出】ITツール導入後の成果を報告し、補助金の使用状況を審査します。
  • 【補助金の受領】実績報告書が承認された後、補助金が企業の口座に入金されます。


IT導入補助金は、毎年予算が決まっています。
申請期間や審査基準に注意して、早めに申請しましょう。
参考:申請・手続きフロー | IT導入補助金2023

歯科におけるIT導入補助金でよくある3つの質問

歯科でIT導入補助金についてのよくある質問を3つ紹介します。

【質問1】IT導入支援事業者とは何ですか?

IT導入支援事業者とは、IT導入補助金の申請に必要なパートナー企業のことです。IT導入補助金は、歯科医院だけでは申請できず、ITツールを提供する支援事業者と共同で申請する必要があります。

支援事業者は、ITツールの導入に関するコンサルティングや保守などの役務を提供します。支援事業者は、経済産業省が公募して登録した企業です。登録されたITツールも公開されています。

【質問2】IT導入補助金を申請する際にまずやるべきことは?

IT導入補助金を申請する際にまずやるべきことは「gBizID」の取得です。
gBizIDとは、法人または個人事業主のための共通認証システムで、各種補助金の申請手続きなどをインターネットで行えます。gBizIDの中でも、法人代表者や個人事業主向けのアカウントがプライムアカウントで、各種補助金の申請に必須です。プライムアカウントの発行には2~3週間かかりますので、早めに手配することがおすすめです。
参考:GビズID

【質問3】2023年のIT導入補助金のスケジュールは?

2023年度のIT導入補助金のスケジュールは、以下の通りです。

  • 4月1日:公募開始
  • 4月15日:第1回公募締切
  • 5月31日:第1回採択結果発表
  • 6月15日:第2回公募締切
  • 7月31日:第2回採択結果発表
  • 8月15日:第3回公募締切
  • 9月30日:第3回採択結果発表
  • 10月15日:第4回公募締切
  • 11月30日:第4回採択結果発表
  • 12月31日:交付申請締切

参考:スケジュール | IT導入補助金2023

まとめ

デジタルトランスフォーメーション(DX)を歯科医院に導入することで、業務の効率化やサービスの向上が期待できます。在庫管理ツール、レセプト管理ツール、電子カルテシステム、そして予約管理システムの導入は、それぞれ院内の業務を効率化し、医療ミスの防止やコスト削減、患者の満足度向上に寄与します。

しかし、電子カルテシステムの選択は慎重に行うべきで、システム間の連携、レセコンとの関係、デバイスやOSの制限、そして作成サポート機能を考慮に入れるべきです。導入コストや既存のシステムへの依存、セキュリティや法規制への懸念も、導入の障壁となる可能性があります。

IT導入補助金を活用すれば、システム導入の負担を軽減することが可能です。ただし、申請にはIT導入支援事業者との協力が必要で、gBizIDの取得も必要となります。

クラウド歯科業務支援システムDentisは、IT導入事業者であり、WEB予約などの歯科業務を効率化し、歯科医院のDX化を図ることができます。
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