【業務別】歯科衛生士の新人教育で使えるチェックリストの項目例|活用メリットや運用のポイントも解説!
2023年09月11日
新人歯科衛生士が「すぐやめてしまう」と悩んでいませんか?実は、新人歯科衛生士がすぐにやめてしまう原因として、職場でのコミュニケーションが取りづらいという場合があります。
そのため、結果的にコミュニケーション不足によるミスが増え、それを原因に退職するというケースも少なくありません。それらの原因を解決するために、この記事では業務別、歯科衛生士の新人教育で使えるチェックリストの項目例を紹介します。
記事監修
株式会社メドレー Dentis編集部
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INDEX
- 歯科衛生士の新人教育が重要な理由
- 新人歯科衛生士がすぐやめてしまう主な3つの原因
- 1.教育体制が整備されていない
- 2.コミュニケーションを取りづらい雰囲気がある
- 3.仕事量が多すぎる
- 歯科衛生士の新人教育でチェックリストを使う2つのメリット
- 1.伝え忘れや認識のズレが起きにくくなる
- 2.目標の達成度を確認しやすくなる
- 【業務別】歯科衛生士の新人教育で使えるチェックリストの項目例
- 基本業務に関するチェック項目
- 患者対応に関するチェック項目
- 専門知識・スキルに関するチェック項目
- 歯科衛生の新人教育でチェックリストを使う際のポイントは3つ
- 1.育成カリキュラムも同時に運用する
- 2.何度もセルフチェックしてもらう
- 3.チェックリストを電子化する
- まとめ
歯科衛生士の新人教育が重要な理由
歯科衛生士は、歯科医師の指示のもと歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図る重要な役割を担っています。そのため、歯科医療の知識や技術、コミュニケーション能力などを必要とします。
そのため、患者のニーズや状況に応じて適切な対応ができるようになることが必要です。歯科診療所や病院だけでなく、介護施設や学校などでも活躍する場が広がっているので、さまざまな環境や相手に対応できる柔軟性や適応力を身につける必要があります。
これらの理由から、歯科衛生士の新人教育は、歯科診療所や歯科医師だけでなく、歯科衛生士自身や患者にとってもメリットが大きいと言えます。
新人歯科衛生士がすぐやめてしまう主な3つの原因
新人歯科衛生士がすぐやめてしまう原因は、以下のように考えられます
1.教育体制が整備されていない
新人歯科衛生士は、学校で学んだ基礎的な知識と臨床現場で求められる実践的な技術との間に大きなギャップを感じることが多いと言われています。そのため、入職後にも継続的かつ体系的な教育や指導を受けることが必要です。
しかし、歯科診療所によっては、教育担当者や教育プログラムが十分に整備されていなかったり、教育時間や予算が十分に確保されていなかったりすることがあります。
このような場合、新人歯科衛生士は自己流で仕事を覚えようとするか、あるいは不安やストレスを抱えたまま仕事をすることになります。
これは、新人歯科衛生士の質やモチベーションに影響を与えるだけでなく、患者の満足度や安全性にも悪影響を及ぼす可能性があります。
2.コミュニケーションを取りづらい雰囲気がある
新人歯科衛生士は、歯科医師や先輩歯科衛生士、他職種のスタッフと円滑にコミュニケーションを取ることが必要です。
しかし、歯科診療所によっては、コミュニケーションの方法や頻度が明確に決まっていなかったり、意見を言いづらかったりすることがあります。
このような場合、新人歯科衛生士は自分の疑問や悩みを相談できなかったり、フィードバックや評価を受けられなかったりすることになります。
これは、新人歯科衛生士の自信や成長に影響を与えるだけでなく、チームワークや患者にも悪影響を及ぼす可能性があります。
3.仕事量が多すぎる
新人歯科衛生士は、仕事を覚えるために多くの時間や労力が必要です。しかし、歯科診療所によっては、患者の数や診療内容が多くて忙しかったり、スタッフの人数や配置が不足していたりすることがあります。
このような場合、新人歯科衛生士は自分のペースで仕事を学べなかったり、過度な負担や疲労を感じたりすることになります。これは、新人歯科衛生士の健康や安全に影響を与えるだけでなく、患者へのサービスやケアにも悪影響を及ぼす可能性があるのです。
このような状況において、新人歯科衛生士の仕事量を減らし、学ぶ時間を増やす工夫が必要です。
クラウド歯科業務支援システムDentisは、予約管理、オンライン診療、キャッシュレス決済、リコールなどの歯科業務の効率化により、スタッフの負担を軽減します。
歯科衛生士の新人教育でチェックリストを使う2つのメリット
チェックリストとは、教育や指導の内容や項目を事前に明確にしておくツールです。チェックリストを使うメリットは以下になります。
1.伝え忘れや認識のズレが起きにくくなる
チェックリストを使うことで、教育担当者と新人歯科衛生士の間で、何をどのように学ぶか、どこまでできるようになるか、どのように評価するかなどを共有できます。
これにより、教育担当者は伝え忘れや重複を防げて、新人歯科衛生士は自分の学習目標や進捗状況を把握しやすくなります。
また、チェックリストは、歯科医師や先輩歯科衛生士など、新人歯科衛生士と関わるスタッフ全員が参照できるようにすることが望ましいです。これにより、スタッフ間のコミュニケーションや連携も円滑になります。
2.目標の達成度を確認しやすくなる
チェックリストは、新人歯科衛生士の学習成果やスキルレベルを客観的に評価するための基準としても使えます。
チェックリストには、各項目に対して達成度を示す指標や尺度を設定することが重要です。たとえば、「口腔内診査」の項目では以下の尺度を設定できます。
- 患者さんの口腔内状況を正しく観察し、記録できる
- 観察項目が全て揃っている
- 記録内容が正確でわかりやすい
- 観察時間が5分以内である
このようにチェックリストを使うことで、教育担当者は新人歯科衛生士の強みや弱みを明確に把握し、フィードバックやアドバイスを与えやすくなります。また、新人歯科衛生士も自分の目標達成度や改善点を確認しやすくなります。
【業務別】歯科衛生士の新人教育で使えるチェックリストの項目例
次に業務別のチェックリストの項目例を紹介します。
基本業務に関するチェック項目
歯科衛生士の基本業務として、歯科医師の診療補助や器具の準備・消毒・整理などがあります。チェック項目としては、例えば以下のようなものが考えられます。
- 診療補助時に必要な器具や材料を適切に準備できる
- 歯科医師の指示や患者さんの状況に応じて適切にアシストできる
- 使用した器具や材料を正しく消毒・廃棄・回収できる
- 診療台やユニットなどを清潔に保てる
- 診療室や滅菌室などの整理整頓ができる
患者対応に関するチェック項目
歯科衛生士は、患者さんと直接接する機会が多く、受付や予約管理、カルテ作成、問診や説明、予防指導などをします。チェック項目としては、例えば以下が考えられます。
- 丁寧で親切な対応ができる
- 個人情報やプライバシーを守れる
- 予約や来院状況を正確に管理できる
- カルテを正確かつ迅速に作成・更新できる
- 問診や診療内容を適切に聞き取り・伝達できる
- わかりやすい説明や指導ができる
専門知識・スキルに関するチェック項目
歯科衛生士は、歯科医師と協力して患者さんの口腔ケアをするため、歯科医療の知識や技術を身につける必要があります。チェック項目としては、例えば以下が考えられます。
- 口腔内診査や口腔衛生評価ができる
- 「フッ化物塗布」等の薬物塗布、歯垢(プラーク)や歯石など、口腔内の汚れを専門的に除去する「機械的歯面清掃」など、予防処置ができる
- 口腔機能訓練や食育などの口腔機能管理ができる
- 診療補助や歯科医師の指示を受けて歯科治療の一部を担当することができる
歯科衛生の新人教育でチェックリストを使う際のポイントは3つ
チェックリストを使う際のポイントを説明します。
1.育成カリキュラムも同時に運用する
チェックリストは、新人歯科衛生士が身につけるべき知識や技術、態度などを具体的に示すツールですが、それだけでは教育の効果は限定的です。
チェックリストを使う際には、育成カリキュラムと連動させることが重要です。
育成カリキュラムとは、新人歯科衛生士が一定期間で達成すべき目標や学習内容、方法、評価基準などをまとめたものです。
育成カリキュラムを作成することで、教育担当者は新人歯科衛生士の学習プロセスを管理しやすくなり、新人歯科衛生士も自分の学習計画や進捗状況を把握しやすくなります。
また、育成カリキュラムは、医院の方針や目標、新人歯科衛生士のレベルやニーズに応じて柔軟に変更できるようにすることが望ましいです。
2.何度もセルフチェックしてもらう
チェックリストは、新人歯科衛生士の学習成果やスキルレベルを客観的に評価するための基準としても使えます。チェックリストを使う際には、教育担当者だけでなく、新人歯科衛生士自身にも何度もセルフチェックしてもらうことが有効です。
セルフチェックとは、自分自身で自分の能力や行動を評価することです。セルフチェックをすることで、新人歯科衛生士は自分の強みや弱みを客観的に認識し、改善点や目標設定に役立てられます。
また、セルフチェックは、教育担当者とのフィードバックや相談の機会を増やすことにもつながります。
3.チェックリストを電子化する
チェックリストは、紙媒体で作成することもできますが、電子化することでより便利に使えるようになります。電子化することで、以下のようなメリットがあります。
- 作成や更新が容易になる
- 共有や閲覧が簡単になる
- 記録や管理が効率的になる
- データを分析や活用が可能になる
まとめ
新人歯科衛生士が「すぐやめてしまう」歯科医院では、業務品質やチームワークの改善は難しいかも知れません。新人歯科衛生士が仕事を覚えて一人前に成長できる環境を整備しないと、患者へのサービスや治療の効果にも悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、新人歯科衛生士が仕事を覚えられない原因はさまざまで、教育体制の不備やコミュニケーションの不足、仕事量の過多などが挙げられます。これらの問題を解決するためには、新人歯科衛生士の教育にチェックリストを活用することがおすすめです。
チェックリストは、新人歯科衛生士が学ぶべき内容やスキルを明確にし、教育者や新人自身が進捗や評価を確認しやすくするツールです。チェックリストを使うことで、新人歯科衛生士の教育が効率的かつ効果的に行われるようになります。
しかし、チェックリストだけでは十分ではありません。歯科医院の業務管理や情報共有にも工夫が必要です。
クラウド歯科業務支援システムDentis、歯科医院の予約管理やカルテ管理、会計管理などの業務を一元化し、新人歯科衛生士だけでなく、歯科医師や受付スタッフも業務効率を向上できます。
記事監修
株式会社メドレー Dentis編集部
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