【2023年最新】歯科開業医の廃業率とは?主な原因や廃業率を下げるためのポイントをわかりやすく解説!
2023年09月13日
「歯科医院を開業したい。しかし、続けていけるのか不安……」このように考えて開業に二の足を踏む方は少なくありません。
この記事では、実際のデータを元に歯科開業医の廃業率や、廃業率を下げるためのポイントについて解説します。
これから開業を目指す勤務医の方は、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
- 歯科開業医の廃業率とは?
- 歯科開業医が売上によって廃業する主な3つの原因
- 1.立地条件が悪い
- 2.競合との差別化ができていない
- 3.院内スタッフの対応が悪い
- 歯科開業医が経費によって廃業する主な2つの原因
- 1.開業資金投資額が大きい
- 2.優秀な人材が定着していない
- 歯科開業医の廃業率を下げる売上アップの4つのポイント
- 1.新しい患者を集患する
- 2.再診率を高める
- 3.物販の売上を増やす
- 4.自費診療の割合を増やす
- 歯科開業医の廃業率を下げるコスト削減の2つのポイント
- 1.スタッフの業務効率を上げる
- 2.固定費を削減する
- 開業医の廃業率でよくある3つの質問
- 【質問1】歯科医院を廃業するかどうかの判断基準は何ですか?
- 【質問2】歯科医院の廃業数はどのくらいですか?
- 【質問3】歯科医院を廃業する場合にかかるコストはいくらですか?
- まとめ
歯科開業医の廃業率とは?
歯科開業医の廃業率とは、休業や倒産などの事情によって廃業した比率です。帝国データバンクの調べによると、2021年における歯科医院の閉院数は84件となっています。
2021年における歯科医院の総数は68,024箇所となっており、廃業率は約0.001%と多くはありません。しかし、潰れそうな状態で歯科医院経営を継続しているケースが多いのが実情です。
また、経営規模が小さな診療所の廃業が増えている傾向にあります。
参考:医療機関の休廃業・解散動向調査(2021年) | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
歯科開業医が売上によって廃業する主な3つの原因
歯科開業医が売上によって廃業する主な原因には、以下の3つが挙げられます。
- 立地条件が悪い
- 競合との差別化ができていない
- 院内スタッフの対応が悪い
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.立地条件が悪い
歯科医院の売上は、立地条件によって大きく左右されます。たとえば、歯科医院が多い地域へ開業してしまうと、患者を取り合うだけの状態となってしまいがちです。
そのような場所で開業すると、どのように宣伝活動を行っても効果を期待できません。そのため、人口比率や世帯数などを事前に調査し、需要が見込める場所へ開業することが重要です。
それと併せて、地域性や年齢層と診療コンセプトが合致しているのかも確認しなければなりません。
2.競合との差別化ができていない
患者の獲得競争が激しい地域においては「差別化戦略」が売上に直結する要因です。選択肢が複数あるなかで「この歯科医院へ通いたい」と感じさせるには、技術の高さやコンセプト、接遇のよさなど、選んでもらうための理由が欠かせません。
他院との差別化に成功している歯科医院は、自然と良好な口コミが集まりやすく、集患の期待もできます。しかし、差別化に失敗すると、売上が立たずに廃業せざるを得ないことも考えられます。
3.院内スタッフの対応が悪い
受付から治療まで院内のスタッフが患者対応を担います。しかし、対応が悪いスタッフがいると、院内トラブルだけではなく、患者が抱くイメージも低下してしまいがちです。
このようなことから患者の足が遠のき、廃業の原因となることも考えられます。特に、自費診療に力を入れている医院においては、ホスピタリティのある接遇が求められ、対応1つでほかの歯科医院を選ぶことにつながりかねません。
歯科開業医が経費によって廃業する主な2つの原因
歯科開業医が経費によって廃業する主な原因には、以下の2つが挙げられます。
- 開業資金投資額が大きい
- 優秀な人材が定着していない
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.開業資金投資額が大きい
歯科医院を開業しようとすると、最低でも5,000万円の設備投資が必要とされています。しかし、最新機器を導入したり、好みの内外装に仕上げたりすると、より高額な資金を投入しなければなりません。
参考:歯科の開業資金や自己資金って実際はどのくらい必要?税理士・公認会計士に直接聞いてみました。
多くの場合、借入をして開業しますが、あまりにも費用をかけすぎてしまうと、運転資金が足りなくなるおそれがあります。そうなると、毎月の返済が追いつかなくなり、廃業に追い込まれてしまうおそれがあります。
このような事態を防ぐには、事前に事業計画を立てて、資金の範囲内で開業することが重要です。
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2.優秀な人材が定着していない
優秀な人材を定着させることが歯科医院の成功の鍵を握ります。現在、歯科衛生士の人材不足は加速しており、1人の新卒に対して20以上の歯科医院が争奪戦を繰り広げているような状況です。
歯科衛生士が定着しなければ、十分な医療サービスの提供は難しくなり、集患にも影響を及ぼします。また、育成にも力を入れることが求められ、従業員満足度が低い医院では、退職率が高まってしまいかねません。
人の入れ替わりが激しい職場では、人材採用コストが膨らみ、経営を圧迫するおそれもあります。このような状況が続くと、いずれ売上が立たなくなり、廃業しなければならなくなります。
歯科開業医の廃業率を下げる売上アップの4つのポイント
歯科開業医の廃業率を下げる売上アップのポイントには、以下の4つが挙げられます。
- 新しい患者を集患する
- 再診率を高める
- 物販の売上を増やす
- 自費診療の割合を増やす
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.新しい患者を集患する
歯科開業医の廃業率を下げるには、売上を向上させる必要があります。そのためには、患者数を増やすことが重要です。
新規の患者を増やすには、マーケティング理論の観点からWebサイトやSNSの運用を戦略的に行っていくことが求められます。
現在、多くの人がスマホから歯科医院の情報を手に入れることが可能です。つまり、患者は情報を比較したうえで、自分に合った歯科医院を選んでいます。
自院を選んでもらうには、患者がどのような情報を求めているのか・安心感を与えられるのかといった視線から情報を発信しなければなりません。
2.再診率を高める
売上を増やすには、新規集患ばかりでなく、再診率を高めることも必要です。歯科医院において再診率を高めるには、丁寧な診療を行うことが求められます。
丁寧な診療とは、患者に対して理解できる言葉で診療内容を説明し、同意を得ながら診療を進めることで、これをインフォームドコンセントと言います。このような、同意を得ながら進めるプロセスを徹底することで、不安を和らげ再診率を高める効果を期待できます。
継続して治療する患者数が増えることに比例して、売上も増加します。上記以外にも、Webサイトを活用して経験の豊富さや適切な情報開示を心がけることが重要です。
さらに、受付から治療まで心地よくいられるように、社員教育に力を割くことも求められます。
3.物販の売上を増やす
歯科医院の売上の中で軽視されがちなのが物販です。しかし、注力することによって収入源のひとつとなります。
歯科医院の規模によって月の売上高には違いがあります。力を入れている歯科医院は、物販の売上で30万円を確保している場合が多いようです。
30万円をコンスタントに売り上げると年間で360万円、原価率を30%とした場合、年間利益は約250万円程度を見込むことができます。
見せ方や売り方などの戦略を決めて取り組むことにより、大きな利益を生む可能性があります。
4.自費診療の割合を増やす
自費診療の割合を増やすと、客単価も連動して上がります。そのため、歯科医院では、自費診療を取り入れている場合がほとんどです。
自費診療の割合を増やすには、単価にのみこだわるのではなく、保険診療と並列するように展開することが求められます。
あらゆるニーズに応えられる技術力の高さを訴求することにもつながります。しかし、自費診療を勧める際、押し売り感が出ないように注意してください。
基本的には、保険診療では得られないメリットを丁寧に説明し、患者自身が納得して診療を受けられるようにすることが大切です。
歯科開業医の廃業率を下げるコスト削減の2つのポイント
歯科開業医の廃業率を下げるコスト削減のポイントには、以下の2つが挙げられます。
- スタッフの業務効率を上げる
- 固定費を削減する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.スタッフの業務効率を上げる
売上を高めるにはスタッフの業務効率を上げることが重要です。業務効率を上げるには、歯科医師とスタッフ間の協力と連携が求められます。
医院内全体がスムーズに連携することによって、効率的な時間管理を実現し、診療の質とスピードが高まります。
歯科医師との連携が上手くいっていない場合、高品質な医療サービスの提供は難しくなります。連携を高めるには、日頃からのコミュニケーションはもちろんですが、情報共有しやすいツールの導入をすることが効果的です。
クラウド歯科業務支援システムDentisは、社内の情報共有に特化したサブカルテ機能を使い、院内の情報共有のDX化ができ、歯科医院の業務効率化に貢献します。
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2.固定費を削減する
歯科医院の経営状態を毎月欠かさず確認し、無用な固定費を削減することで利益率を高めることができます。削減可能な固定費には、人件費やメンテナンス費用などが挙げられます。
売上に対して、必要以上にかかりすぎている固定費は見直す必要があります。たとえば、時間あたりの患者数と見合わないスタッフを配置していることで、不要な人件費が発生している場合などがあります。
日頃から予約が埋まりがちな曜日や時間帯を把握し、適切な人数を配置することで人件費の削減が可能です。
より、精密な人員計画を立てるには、予約管理システムを導入し、データの集計・分析を行うことをおすすめします。
開業医の廃業率でよくある3つの質問
開業医の廃業率でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 【質問1】歯科医院を廃業するかどうかの判断基準は何ですか?
- 【質問2】歯科医院の廃業数はどのくらいですか?
- 【質問3】歯科医院を廃業する場合にかかるコストはいくらですか?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
【質問1】歯科医院を廃業するかどうかの判断基準は何ですか?
歯科医院は、創業数と廃業数がほぼ同じくらいで推移している業種です。そのため、入れ替わりが激しく、廃業を余儀なくされる医院も後を断ちません。廃業を検討する際の判断基準には、以下のようなものが挙げられます。
- 黒字化できる見込みがあるのか?
- 運転資金を確保できるのか?
- 自身が経営改善するモチベーションがあるか?
これらを満たせなければ、事業承継や廃業を検討した方がよいかもしれません。
【質問2】歯科医院の廃業数はどのくらいですか?
歯科医院の経営を継続するのは非常に難しいです。
帝国データバンクが出している「医療機関の休廃業・解散動向調査(2021年)」の2016年からの休廃業・解散件数の推移を見てみると、毎年70〜80件の歯科医院が廃業しています。また、歯科医院が廃業する原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 開業の前の準備不足
- 設備投資負担増
- 慢性的な人手不足
参考:医療機関の休廃業・解散動向調査(2021年) | 株式会社 帝国データバンク[TDB]
【質問3】歯科医院を廃業する場合にかかるコストはいくらですか?
歯科医院を廃業する際、あらゆる名目でコストが発生します。総額にすると、約1,000万円程度の負担が必要になる場合があります。廃業にかかるコストの項目には、以下のようなものが挙げられます。
- 医療廃棄物の処分費用
- 医療機器の処分費用
- 不動産の取り壊しや解約にかかる費用
- 残債務の弁済費用
- 退職金の支払い
これらの費用と併せて、患者から未収金があれば回収することにもコストが必要です。
まとめ
歯科医院における廃業率について解説しました。歯科医院は競争率が高い業種となり、創業と廃業が繰り返されています。そのような市場環境で生き残るには、マーケティングの視点から集患戦略を立てることと、効率的に事業投資を行うことが重要です。
また、医療サービスを向上させ、コストを最適化することも求められます。
クラウド歯科業務支援システムDentisでは、患者の満足度を高めながら業務効率の向上を実現することが可能です。
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