【2023年最新版】歯科医院が活用できる代表的な補助金・助成金13選|特徴や注意点を解説!
2023年12月04日
歯科医院が活用できる補助金や助成金は数多く存在します。それぞれの制度について理解することで、歯科医院の発展に活用できます。
本記事では、補助金や助成金の違いや補助金を利用する際の注意点について紹介します。また、歯科医院で活用できる補助金と助成金についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
- 補助金・助成金とは?
- 補助金の特徴
- 助成金の特徴
- 補助金と助成金の違い
- 歯科医院が活用できる代表的な補助金7選
- 1.ものづくり補助金
- 2.IT導入補助金
- 3.事業再構築補助金
- 4.事業承継・引継ぎ補助金
- 5.創業者向け補助金
- 6.オンライン資格確認関係補助金
- 7.事業復活支援金(受付終了)
- 歯科医院が活用できる代表的な助成金6選
- 1.両立支援等助成金
- 2.働き方改革推進支援助成金
- 3.トライアル雇用助成金
- 4.キャリアアップ助成金
- 5.人材確保等支援助成金
- 6.人材開発支援助成金
- 歯科医院が補助金を活用する際の注意点は3つ
- 1.医療法人化すると対象から外れる場合がある
- 2.要件を達成できないと返還が必要になるケースもある
- 3.対象経費を自由診療分に限定される場合もある
- まとめ
補助金・助成金とは?
ここでは、補助金と助成金について紹介します。紹介するのは次の3つです。
- 補助金の特徴
- 助成金の特徴
- 補助金と助成金の違い
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
補助金の特徴
補助金とは、経済産業省をはじめとする公的機関や地方自治体が、産業の発展やイノベーションを促進する目的で提供している支援金のことを指します。
この補助金制度は、政策や事業を進めるため、特定の産業の育成のため、地方創生のためなど、さまざまな目的を達成するために企業の事業をサポートするものです。
たとえば、よく知られている補助金は「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」、「事業再構築補助金」などです。
いずれも採択審査があり、採択率は3割〜6割程度となっており、多くの補助金で高い競争率となっています。採択を得るには、いかにプロジェクトの内容について補助金を支給する合理性があるかを示すことが重要です。
助成金の特徴
助成金とは、主に厚生労働省や地方公共団体が提供する、雇用の促進や労働者の能力開発、職場改善などの活動を支援するための支援金です。具体的なものとしては「雇用調整助成金」や「キャリア助成金」などが挙げられます。
これらの助成金は、従業員の雇用安定やキャリアの発展を目的としており、原則として、申請者が一定の要件を満たしていれば支給されます。たとえば、事業継続が難しい、休業を余儀なくされるような状況がある場合には、労働者の職を安定させる目的として、助成金制度の対象になります。
このように、助成金は企業だけでなく、社会全体の雇用安定や労働環境の向上に貢献する重要な制度です。
補助金と助成金の違い
補助金と助成金の大きな違いは、受給のしやすさ、管轄、目的があります。
助成金の場合は、基準を満たしていれば受給できます。また、申請期間も長期間である場合が多く、随時募集されているという特徴があります。
一方で補助金は、定員も設定されており予算が限られているため、選出結果によっては採択されない可能性があります。こちらは募集期間も限られているため、期間内に必要な書類を集めて、「なぜ補助金が必要なのか」という点が明確に伝わるように申請しなければなりません。
利用したい補助金や助成金がある場合、それがどのような目的なのか、要件や募集期間などをよく理解して申請することが重要です。
歯科医院が活用できる代表的な補助金7選
代表的な補助金として、次の7つが挙げられます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
1.ものづくり補助金
ものづくり補助金は、生産性向上のための重要な支援策です。特に先進的な技術、たとえば口腔内スキャンのCT装置や3Dプリンターを導入する際にも、この補助金は大いに役立ちます。
ただし、第13次公募以降、医療法人や社会福祉法人は補助対象外とされたため、ものづくり補助金を申請できるのは、法人ではない個人事業主に限られるため注意が必要です。具体的な補助金額上限や補助率は以下のとおりです。
【申請要件】
- DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること
- デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善であること
従業員規模 | 補助上限金額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 750万円以内 | 2/3以内 |
6~20人 | 1,000万円以内 | 2/3以内 |
21人以上 | 1,250万円以内 | 2/3以内 |
ものづくり補助金は、中小企業が新しい設備投資や技術革新によって競争力を高めるための有用な制度となっています。
2.IT導入補助金
引用:IT導入補助金
IT導入補助金は、ITツールやソフトウェアの取得を支援するための制度です。歯科医院では、レセコンの導入やさまざまなソフトウェアが対象となり、医療法人や社会福祉法人、個人事業主の開業医も対象です。
また、IT補助金には主に「通常枠」と「デジタル化基盤導入枠」、「セキュリティ対策推進枠」の3つの枠が存在します。以下は、IT導入補助金の概要です。ぜひ参考にしてみてください。
通常枠 | デジタル化基盤導入類型 | セキュリティ対策推進枠 | |
---|---|---|---|
目的 | 業務効率化や売上アップといったビジネスの向上・強化を図るためのITツール導入 | 労働生産性の向上とともに、業務体系の非対面化に取り組む | ツール導入に伴うサイバー攻撃被害のリスクを低減させること |
補助率 | 1/2以内 | 2/3以内 | サービス利用料の1/2以内 |
上限・下限 | 5~450万以下 | 50~450万以下 | 最大100万円 |
クラウド歯科業務支援システムDentisは、IT導入事業者であり、WEB予約などの歯科業務を効率化でき、歯科医院のDX化を図れます。
3.事業再構築補助金
引用:事業再構築補助金
「事業再構築補助金」は、新型コロナウイルスの影響を受けて、中小企業や中堅企業の事業再構築を支援する制度として創設されました。
歯科医院も売上が減少した場合に利用できる補助金制度ですが、単に設備やソフトウェアの導入費用を補助するための制度ではありません。具体的な対象としては、社会医療法人に加え、公益財団法人や一般財団法人、一般社団法人なども含まれます。
申請条件には収益減少や事業再構築への取り組み、認定経営革新等支援また、2020年4月以降の売上高の減少率や経済産業省の「事業再構築指針」に基づいた取り組みが該当するかどうかなど、詳細な基準が設定されています。なお、補助金額と補助率については以下の通りです。
対象企業 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|
中小企業(通常枠) | 100万円~6,000万円 | 2/3 |
中小企業(卒業枠) | 6,000万円超~1億円 | 2/3 |
中堅企業(通常枠) | 100万円~4,000万円 | 1/2 |
中小企業(通常枠) | 4,000万円超~8,000万円 | 1/3 |
グローバルV字回復枠 | 8,000万円超~1億円 | 1/2 |
また、申請手続きには電子申請システムを利用し、GビズIDプライムアカウントが必要です。必要書類としては、事業書、金融機関の確認計画書、売上高減少を示す書類、決算書などが挙げられます。
4.事業承継・引継ぎ補助金
引用:事業承継・引継ぎ補助金
「事業承継・引継ぎ補助金」は、経営者の交代や事業の再編、M&Aに際しての費用の一部を補助する制度として創設されました。具体的には、人件費や設備費、外注費、そしてマーケティング調査や委託費などが含まれます。
また、廃業登記費や在庫処分費、移転や移設に伴う費用も対象です。しかし、対象者には制限があり、個人経営の歯科医院のみが対象となっています。なお、補助金額と補助率などについては以下の通りです。
申請類型 | 補助対象 | 補助率 | 補助上限 |
---|---|---|---|
経営革新 | 経営資源引継ぎ型創業や事業承継(親族内承継実施予定者を含む)、M&Aを過去数年以内に行った者、又は補助事業期間中に行う予定の者 | 1/2 | 600万~800万円 |
専門家活用 | 補助事業期間に経営資源を譲り渡す、又は譲り受ける者 | 1/2・2/3 | ~600万円(M&A未成約の場合は~300 万円) |
廃業・再チャレンジ | 事業承継やM&Aの検討・実施等に 伴って廃業等を行う者 | 1/2・2/3 | ~150万円 |
また、申請の条件としては、事業承継やM&A成長時代の新しい事業モデルや経営改革に取り組む中小企業や小規模事業者が該当します。
そして、申請には多数の書類が必要です。補助金交付申請書をはじめ、決算書や売上高の減少を示す資料、税務署受付印のある確定申告書など、複数の書類で審査が必要です。
5.創業者向け補助金
「創業者向け補助金」は、新しい事業や歯科医院の設立、さらには第二次創業を考えている起業家の強力なサポートとして、各都道府県や市区町村が提供しています。
この制度は、歯科医院の新規開業者や既存の医院が新しい分野に進出する際にも利用可能で、多くの場合、最大200万円の支援を受けられることがあります。
しかし、補助金の内容や金額、要件は地域や自治体によって異なるため、詳細を知りたい場合は各自治体のホームページでの情報収集がおすすめです。
6.オンライン資格確認関係補助金
2021年10月より、マイナンバーカードや保険証の番号を利用して患者の資格履歴を一元管理し、内容の確認ができる「オンライン資格確認」が運用開始されています。
この制度をサポートするための「オンライン資格確認関係補助金」は、顔認証付きカードリーダーや関連するアプリケーション、さらには既存のシステムの改修などにかかる費用の一部が補助されるものです。
ただし、申請には注意点があります。補助金の申請は、システムの導入やシステムベンダーへの精算が完了した後でなければなりません。なお、補助金の補助限度額は以下の通りです。
医療機関 | 補助限度額 |
---|---|
病院(顔認証付きカードリーダーを1台申請) | 210.1万円まで |
病院(顔認証付きカードリーダーを2台申請) | 200.2万円まで |
病院(顔認証付きカードリーダーを3台申請) | 190.3万円まで |
大型チェーン薬局 | 42.9万円まで |
診療所または大型チェーン薬局以外の薬局 | 42.9万円まで |
また、申請に必要な書類は領収書(写し)です。これは、PDF形式などで一つのファイルにまとめ、ポータルサイトにアップロードする必要があります。歯科医院での利用も可能ですが、自由診療のみの医院は対象外のため注意が必要です。
7.事業復活支援金(受付終了)
「事業復活支援金」は、コロナウイルスの影響で困難な状況にある中小・小規模事業者やフリーランスの個人事業主を対象とした補助金です。特に、医療法人や個人事業主として運営する歯科医院も対象になります。
この補助金は、業種や地域に関係なく、給付金の額は事業規模や売上高の減少率によって決まります。具体的な給付額は以下の通りです。
売上減少率 | 個人事業主 | 法人 (年間売上高 1億以下) |
法人 (年間売上高 1億~5億以下) |
法人 (年間売上高 5億以上) |
---|---|---|---|---|
50%以上 | 50万 | 100万 | 150万 | 250万 |
30~50% | 30万 | 60万 | 90万 | 150万 |
申請条件としては、コロナの影響を直接受けていること、そして2021年11月~2022年3月のいずれかの月に売上高が大幅に減少していることが求められます。