歯科医院の内装・外装・看板・ロゴの考え方とは? 集患に効果的なデザインを実現する方法を解説
2023年01月19日
歯科医院において、内装、外装、看板、ロゴなどは「医院の顔」でもある重要な部分です。だからこそ、その医院の魅力や特徴をきちんと体現する必要があります。
しかし開業される院長の方々の多くはデザインに関する知識がなく、どう考えればいいかわからないこともあるでしょう。そこで今回は「歯科医院の内装、外装、看板、ロゴ」などのデザインの考え方について紹介します。
設計会社やデザイン会社に委託をするとしても、ある程度の知識を持っておくことをおすすめします。話が進まなかったり、意図していない制作物ができたりする可能性があります。ぜひこちらの記事を通して、デザインのコツについて把握してみてください。
INDEX
歯科医院のデザインの考え方
歯科医院は医科と比べて、診療所の数が多いのが特徴です。そのぶん地域内での競争が激しく、患者さんをより多く集める必要があります。
しかし「歯科診療所」とまとめると多いものの、歯科診療所は「小児」「矯正」「審美」など、複数に細分化されます。それぞれで患者さんの属性が違うため、厳密にいうと部分的には住み分けができているといえます。
そこで大切なのが「コンセプト」です。「自院では何を標榜し、どういった患者さんに来てほしいのか」を前提としてまとめておく必要があります。
今回ご紹介する内装・外装・看板・ロゴなどのデザインは、すべて「コンセプト」から逆算してつくります。
コンセプトの例1
- コンセプト「子どもが通いたくなる歯科医院」
- 標榜:小児治療
- ターゲット層:子供がいるファミリー層
- デザイン面の工夫:「カラフルな色合いやキャラクターで可愛らしさを押し出す」「ユニットの配置を工夫して親も一緒に健診などができるようにする」
コンセプトの例2
- コンセプト「歯を美しくメンテナンスしてQOLを高める」
- 標榜:審美歯科・矯正治療
- ターゲット層:富裕層の大人
- デザイン面:「白や黒を基調にした高級感、清潔感があるカラーリングを意識する」「ロゴは洗練されたスタイリッシュなデザインを意識する」
ちなみに以下の記事では歯科医院の集客の方法について細かく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。
歯科医院の集患方法とは?開業前に意識すること・患者離れを防ぐコツも紹介
歯科の内装制作で知っておきたいこと
ここからは内外装工事、看板、ロゴなどを制作するにあたって、あらかじめ知っておきたいことを紹介していきます。まずは内装工事です。
歯科の内装工事の特徴
- ユニットの台数で総面積が大きく変わる
- 給排水に使用する配管工事が必須となる
- レントゲン用のX線防護工事が必要になる
- ユニットを個室にする歯科医院が増えている
- 高齢者もターゲットに含まれる場合はバリアフリーも意識する
内装工事の際には上記の要素をあらかじめ決めておかなくてはいけません。特にユニットをブースなどで仕切って個室にすることで「プライバシーの保護」ができます。患者満足度向上のためにも効果的な工夫です。また「感染対策」にもつながるので便利です。
そのほか地域の高齢化率によっては、バリアフリーへの意識も重要です。
歯科の外装工事・看板制作で知っておきたいこと
続いて外装工事・看板の制作前に知っておきたいことを紹介します。
歯科の外装工事・看板制作の特徴
医療広告規制に当たらないメッセージを心がける
- あらかじめ外装のどの部分に看板を出すのかを決めておく
- 遠目から見ても歯科医院とわかるような看板を意識する
特に店舗の看板は集客するうえで非常に重要なポイントです。まずは看板の種類について把握をしておきましょう。
外装部分の看板の種類
- ファサード広告:屋根部分に医院名などを記載するタイプの看板
- ボールサイン(自立サイン):建物とは別に地面に基礎を設置して自立させる大きめの看板
- ウィンドウサイン:窓の部分に記載する看板
- 袖看板:建物の壁面などに小さく設置された看板
- スタンド看板:医院前などに設置する小さめのサイズの看板
- 野立て看板:ポールサインと同様、地面に基礎を設置したうえで掲載する看板
- 壁面サイン:壁面部分に医院名などを記載するタイプの看板
上記のうち、どの看板を設置するかを事前にイメージしたうえで、外装工事の発注をする必要があります。
歯科医院のロゴ制作で知っておきたいこと
続いてロゴ制作で知っておきたいことを紹介します。
歯科のロゴ制作の特徴
- 自院が患者さんに提供したいこと、コンセプトを体現できているか
- デザインは時代に左右されないか
- 今後看板などに設置する際に邪魔をしないか
- パッと見たときに印象に残りやすいか
前提としてロゴは自院を象徴するものです。さまざまなシーンでロゴが登場します。だからこそ「自院が目指すこと」「患者さんに提供したい価値」を体現できているか、を細かくチェックをしましょう。
またデザインは時代によって流行り廃りがあるものです。そのため、現在よく見るデザインだとしても数年後には古いと認識されてしまうかもしれません。そうしたミスを防ぐために、あえて普遍的なデザインにするのも手段の一つです。
またロゴは看板や名刺などに印字したり、3D化して設置することもあります。そのときに問題なく視認できるか、も重要なポイントとなります。例えば過度に緻密なロゴにした場合、大きく印刷すればはっきり見えますが、名刺などに小さく印字したときに潰れてしまう可能性もあります。
内外装・看板・ロゴ制作の流れ
ここまで内外装・看板・ロゴ制作にあたっての注意点などをご紹介しました。最後にデザイン会社に発注する際の具体的な制作の流れを紹介しましょう。
1.コンセプト・ターゲットをはっきりさせておく
まずは先述したように、コンセプトやターゲットなどをはっきりさせておきましょう。今後制作会社とのすり合わせでも中心になる部分です。
2.依頼先を選ぶ
続いて、デザイン会社を選びます。クライアントを問わない、経験豊富な会社もあれば、歯科医院に特化した制作会社もあります。歯科医院に特化した会社の場合、内外装工事などの専門的な作業にも慣れているので、スムーズに話が進むでしょう。
また1社だけに任せるのではなく、複数社に声をかけて相見積もりをとることを忘れないようにしましょう。
3.見積もり書の確認
制作会社や建築会社と契約を結ぶ前に見積書が届きます。複数社に声をかけている場合、そのぶんの見積書が届きますので、事前にコスト感のバランスをみて、依頼先を絞り込んでいきましょう。
4.契約
金額感のイメージに納得したら「契約」となります。契約前に気になることはすべて質問をしておきましょう。主に以下の事柄は特によく確認をしておく必要があります。
- 契約書に記載の金額のほかにかかる費用はないか
- 制作や工期の目安はいつごろか
- 修正をする場合の回数・費用はどれくらいか
- 実際に制作・建設をするのは誰か(下請け企業など)
- もし工期などが延びて、開業予定日に開業できなかった場合の補填はどうするか
- 施工などで開業後にトラブルが起きた場合の補填はどうするか
後々、トラブルに発展しがちなポイントは事前に整理をして、疑問を解消しておかなければいけません。
5.計画書・企画書を確認する
依頼先が決まったら、デザイン制作会社・工事業者から計画書や企画書の共有があります。施工や制作のスケジュールが記載されていますので、必ず事前に目を通したうえで完成イメージと相違がないかを確認しておきましょう。
またこのときにも違和感や疑問点があったら、質問をすることが大切です。
6.制作がスタートする
ここまでが決まったら、実際に制作がスタートします。院長としては、適宜進捗を確認しましょう。ロゴなどは一発で完成品が決まることは少ないです。院長自身が事前のコンセプトに合っているかなどを確認したうえで、修正点などを指示しましょう。
内外装・ロゴ・看板デザインは歯科医院に売上を大きく左右する
外装や看板、ロゴは患者さんが最初に目にする部分です。医院とのファーストコンタクトとなる場所といっても過言ではないでしょう。だからこそ、事前にコンセプトをしっかり考えて、確定させておく必要があります。するとしっかり集患でき、安定して売り上げをつくることにつながります。
また開業時は「クラウド型のシステム」を積極的に活用することで、業務効率化につながります。デザイン面と一緒にスタッフの離職防止や、利益の最大化を考えている院長様は、ぜひ開業時にDentisの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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