【2024年最新版】オンライン診療ガイドラインで押さえるべき6つのポイント|よくある質問もご紹介!

【2024年最新版】オンライン診療ガイドラインで押さえるべき6つのポイント|よくある質問もご紹介!

2024年01月22日

オンライン診療を実施する場合、事前に厚生労働省が示しているガイドラインの内容をよく理解することが大切です。これにより、患者への適切な診療が可能になります。

本記事では、オンライン診療ガイドラインの内容や、オンライン診療ガイドラインで押さえるべきポイントについて解説します。また、オンライン診療のガイドラインでよくある質問についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

オンライン診療ガイドラインとは

オンライン診療ガイドラインとは、厚生労働省が出している医療機関がオンライン診療を適切に提供するための基準や手順を示したものです。

このガイドラインを参照することで、医療機関はオンライン診療を安全かつ適切に行うことができます。ただし、医科で利用する想定のガイドラインであるため、歯科医院では利用が難しい現状があります。

参考:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

オンライン診療のガイドラインに記載されている内容

オンライン診療のガイドラインに記載されている内容は以下のとおりです。

  • オンライン診療を取り巻く情報通信機の現状について
  • 無診察治療等の禁止や医療提供場所、情報セキュリティなどの関係法令について
  • 遠隔医療、オンライン診療などの指針内での用語の定義について
  • オンライン診療を実施するうえでの基本理念について

オンライン診療ガイドラインには、これらの内容が詳細に記載されています。詳細はガイドラインにて確認してみてください。

参考:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

オンライン診療ガイドラインで押さえるべき6つのポイント

次に、オンライン診療ガイドラインで押さえるべきポイントについて解説します。

  1. 初診は原則対面診療となる
  2. 初診は原則「かかりつけ医」が担当する
  3. オンライン診療はビデオ診察を基本とする
  4. 医師の所在は診療所でなくてもよい
  5. 患者側の合意と診療計画書の作成が必要になる
  6. 別疾患で医薬品を処方する際も対面診療が必要になる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.初診は原則対面診療となる

オンライン診療で押さえるべきポイントとしては、「初診は原則対面診療となる」点です。オンライン診療の場合、患者の口腔内の状況を正確に把握するのは難しいものです。

また、適切な医療を提供するためには、医師と患者の間に信頼関係の構築が必要ですが、オンラインでのやりとりだけでは、信頼関係の構築が難しいという課題もあります。

2.初診は原則「かかりつけ医」が担当する

オンライン診療では、初診は原則「かかりつけ医」が担当するものとなっています。この指針のなかでの「かかりつけ医」とは、対面診療を重ねており、患者との直接的な関係が存在する医師のことを指しています。

この背景には、オンライン診療では、患者との信頼関係の構築が難しい点や、細かな症状の確認がオンラインでは難しいなどの理由が挙げられます。

参考:日本医師会「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しについて」

3.オンライン診療はビデオ診察を基本とする

オンライン診療の通信手段については、「リアルタイムの視覚、および聴覚の情報を含む情報通信手段を採用すること」とガイドラインで定められています。

これは、オンラインという特性を踏まえたうえで、最大限の情報を得られるように努力すべき、という考えによるものです。つまり、オンライン診療はビデオ通話での診療が基本となります。

参考:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

4.医師の所在は診療所でなくてもよい

医師は所属する医療機関に居なくてもオンライン診療を実施できます。つまり、オンライン診療の導入により、産休や育児休暇中の医師、さらには子育てを理由に離職している医師も、オンライン診療が可能ということになります。

しかし、電子カルテを見ることができる環境や、患者のプライバシーが保てる環境などの条件を満たさなくてはなりません。このような柔軟な診療は、将来的な医師の働き方改革のポイントになると考えられています。

5.患者側の合意と診療計画書の作成が必要になる

オンライン診療の利用には、患者側からの希望および合意が不可欠です。これは、医師が一方的にオンライン診療を進めることを防ぐための狙いがあります。

また、作成すべき診療計画書には、患者の疾患や診断結果のまとめ、診療の方法や頻度などの記載が必要です。このように、オンライン診療には診療計画書の作成が必要であり、患者側との合意形成が必要である点を理解しておきましょう。

6.別疾患で医薬品を処方する際も対面診療が必要になる

オンライン診療の注意点として、「別疾患で医薬品を処方する際も対面診療が必要になる」という点があります。たとえば、患者が高血圧でオンライン診療を受けている最中に、花粉症の症状を訴えていても、花粉症の薬を処方してはいけません。

このように、別疾患を発症した場合においても、十分なアセスメントと治療計画の策定のため、原則として対面診察が必要になるのです。ただし、同じ疾患に関する医薬品の変更や追加など、既存の治療方法の修正についてはオンライン診療内での対応が認められています。

他に確認すべき資料

次に、オンライン診療のガイドライン以外で確認すべき資料について解説します。

  1. オンライン診療の初診に適さない症状(一般社団法人日本医学会連合)
  2. オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.オンライン診療の初診に適さない症状(一般社団法人日本医学会連合)

一般社団法人日本医学会連合は、オンラインに適さない症状を明確に示しています。特に緊急性の高い症状では、直接の医師の診察が必要です。

具体的には、激しい歯痛や顎顔面痛、顎顔面領域における外傷や出血、口腔内や顎顔面領域の顕著な腫脹や発疹、さらに神経麻痺などの症状が該当します。

これらの症状は、直接の診察や治療が迅速に必要なケースが多く、オンライン診療だけでは十分な診断や治療が難しいと考えられています。

参考:一般社団法人日本医学会連合「⽇本医学会連合 オンライン診療の初診に関する提⾔」

2.オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤

一般社団法人日本医学会連合では、オンライン診療の初診での投与について十分な検討が必要な薬剤についても示しています。主な薬剤については以下のとおりです。

  • 病原微⽣物に対する薬剤:抗菌薬、抗ウイルス薬と抗ウイルス療法薬など
  • 抗悪性腫瘍薬:すべて
  • 炎症・免疫・アレルギーに対する薬: 副腎ステロイド薬、抗リウマチ薬、免疫調節薬など
  • 代謝系に作⽤する薬:糖尿病治療薬、痛⾵・⾼尿酸⾎症治療薬など
  • 循環器系に作⽤する薬剤:抗不整脈薬、ジギタリス製剤など
  • 消化器系に作⽤する薬剤:肝疾患治療薬、膵疾患治療薬など

これらは、一律に初診処方不可ではありませんが、個々の患者の状態によって適切に対応する必要があります。

参考:一般社団法人日本医学会連合「⽇本医学会連合 オンライン診療の初診に関する提⾔」

オンライン診療のガイドラインでよくある2つの質問

最後に、オンライン診療のガイドラインでよくある質問について紹介します。

  • 【質問1】オンライン診療に関する最新の情報はどこから確認できますか?
  • 【質問2】オンライン診療を導入する医療機関側のメリットは?

それぞれについて詳しくみていきましょう。

【質問1】オンライン診療に関する最新の情報はどこから確認できますか?

オンライン診療における最新の情報は、厚生労働省のホームページを参照しましょう。歯科医院を運営する際にも、治療方針や診療報酬の変更、新たなガイドラインに迅速に対応する必要があります。

特に、オンライン診療のガイドラインは状況に応じて更新されることがあるため、厚生労働省のサイトを定期的に確認し、新しい通知や更新情報に注意を払うことが重要です。

参考:厚生労働省「オンライン診療に関するホームページ」

【質問2】オンライン診療を導入する医療機関側のメリットは?

オンライン診療の導入は、医療機関側に多くのメリットをもたらします。主なメリットは以下のとおりです。

  • 患者の来院の負担軽減

    自宅や勤務先から診療を受けることが可能になり、移動時間などのストレスが軽減され、再診率の向上につながる

  • 診療時間外でも受診可能

    従来の診療時間を超えた柔軟な対応が可能となるため、夜間休日の診療を求める患者にも対応できる

  • 遠方の患者への対応可能

    通院が困難な地域の患者や新たな患者層の取り込みが期待できる

このように、オンライン診療の導入により、集患につながるメリットがあります。

まとめ

この記事では、オンライン診療ガイドラインの内容やオンライン診療ガイドラインで押さえるべきポイント、オンライン診療のガイドラインでよくある質問について解説しました。

オンライン診療を実施する場合、事前に厚生労働省が示しているガイドラインの内容をよく理解することが大切です。これにより、患者への適切な診療が可能になります。

また、オンライン診療の導入には、適切なオンライン診療システムの導入が欠かせません。オンライン診療システムを選ぶ際は、医院のニーズにマッチしており、導入実績が豊富なシステムを選ぶことが大切です。

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