【歯科医院向け】オンライン資格確認の導入補助金について|申請方法やよくある質問もご紹介します!
2023年10月31日
厚生労働省がオンライン資格確認の原則「義務化」の方針を掲げたことにより、歯科医院でのオンライン資格確認の導入が進んでいます。
本記事では、オンライン資格確認の導入状況や導入の際の補助金、導入に必要な費用について解説します。また、オンライン資格確認における補助金の申請方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
記事監修
株式会社メドレー Dentis編集部
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INDEX
- 【都道府県別】歯科医院におけるオンライン資格確認の導入状況
- オンライン資格確認の導入補助金について
- オンライン資格確認の導入に必要な3つの費用
- 1.資格確認専用端末の購入・導入にかかる費用
- 2.ネットワーク回線の導入・変更にかかる費用
- 3.レセプト・電子カルテシステムの導入・改修にかかる費用
- オンライン資格確認における補助金の申請方法
- ポータルサイトからの申請方法
- 郵送での申請方法
- 歯科医院におけるオンライン資格確認の補助金でよくある5つの質問
- 【質問1】補助金はいつ振り込まれる?
- 【質問2】オンライン補助金の申請期限はいつまで?
- 【質問3】オンライン資格確認における猶予申請の期限は?
- 【質問4】補助金は法人税法上の圧縮記帳の対象か?
- 【質問5】個人事業として補助金を受けた場合の税務処理は?
- まとめ
【都道府県別】歯科医院におけるオンライン資格確認の導入状況
歯科のオンライン資格確認の導入率をカードリーダーの申込率を導入率として捉えた場合、厚生労働省の発表によると2023年9月24日の時点では全 国で89.3%となっています。
都道府県別では以下の表の通りとなっています。
オンライン資格確認の導入補助金について
オンライン資格確認の導入の際、補助金が利用できます。ただし、2023年3月31日までにオンライン資格確認を導入した医療機関・薬局などが補助金の申請を行う場合、補助金の申請期限は2023年9月30日となっており、記事執筆時点では受付期間が終了しています。
しかし、やむを得ない事情により、猶予届を受理された医療機関・薬局などは、この期日の通りではありません。詳しくは、以下の表を確認してください。
猶予届の状況等 | 導入完了期限 | 補助金申請期限 |
---|---|---|
未提出 | 2023年3月31日 | 2023年9月30日 |
猶予類型1・4・5・6で受理済み | 2023年9月30日 | 2023年12月31日 |
猶予類型2・3で受理済み | 2024年3月31日 | 2024年6月30日 |
オンライン資格確認の導入に必要な3つの費用
次はオンライン資格確認の導入に必要な3つの費用について紹介します。
- 資格確認専用端末の購入・導入にかかる費用
- ネットワーク回線の導入・変更にかかる費用
- レセプト・電子カルテシステムの導入・改修にかかる費用
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.資格確認専用端末の購入・導入にかかる費用
オンライン資格確認の導入には、特定の機器とソフトウェアの準備が必要になります。具体的には、顔認証付きカードリーダーとパソコンを組み合わせて、患者の資格情報を正確に確認したり、支払基金から提供されるオンライン資格確認アプリのインストールの準備が必要です。
これらの機器やアプリケーションの購入・導入に関連する費用は、医療機関の規模や取扱いの規模に応じて異なりますが、資格確認を行うための重要な投資となります。
2.ネットワーク回線の導入・変更にかかる費用
オンライン資格確認の実施には、厚生労働省にて指定されたネットワーク環境が必要です。このため、ネットワーク環境の整備やルーターの設定、疎通確認は必須となります。
特に、患者の資格情報を確認するには、速度や安定性が求められるため、高速回線の導入や、既存の回線のアップグレードが考えられます。この費用は、導入する通信回線の種類や、現在のシステムの状態、そして改修範囲によって異なります。
3.レセプト・電子カルテシステムの導入・改修にかかる費用
オンライン資格確認の導入にあたって、レセプトコンピュータや電子カルテシステムの改修が必要な場合が考えられます。既存のシステムと新しいオンライン資格確認システムを正しく連携させるため、専門的な知識と技術が必要です。
特に、レセプトや電子カルテのソフトウェア環境によって、必要な改修の内容や範囲が変わる可能性があります。そのため、導入前にシステムを提供する会社に相談し、具体的な内容や費用を確認しておきましょう。
また、システムの改修にかかる費用は、内容や範囲、提供会社の料金体系により異なりますが、オンライン資格確認を実現するための投資として、適切なプランの選定が求められます。
オンライン資格確認における補助金の申請方法
次にオンライン資格確認における補助金の申請方法について解説します。
- ポータルサイトからの申請方法
- 郵送での申請方法
それぞれについて詳しくみていきましょう。
ポータルサイトからの申請方法
補助金を申請する際の方法として、専用のポータルサイトを通じて申請する方法があります。申請の際には、必要な書類をPDFやZIP形式にまとめ、1つのファイルとしてアップロードすることが必要です。申請方法の流れは以下になります。
- サイトにて指定したメールアドレスとパスワードでログインし、補助金の申請ページに進む
- 補助対象の金額を入力すると、申請できる補助金の額が自動的に表示される
- 書類の提出方法として「ポータルサイトからアップロード」を選択し、書類を送信する
- 内容の確認後、申請ボタンを押すと、申請手続きが完了
このように手続きは簡単ですが、正確な情報を入力し、書類提出を忘れないようにしましょう。
郵送での申請方法
オンライン資格確認の補助金を郵送で申請する際の手続きは、いくつかの重要な書類が必須となります。オンライン申請とは異なり、必要な書類が多いため、十分に注意が必要です。
申請には、導入にかかった費用の領収書とその内訳書の写し、オンライン資格確認事業の完了報告書、および「オンライン資格等確認関係補助金交付申請書」を揃える必要があります。これらの書類を確認した後、封筒にまとめて指定された住所宛に送ります。
ただし、書類が不足していると、申請が受け付けられない可能性があるため、念入りに内容をチェックし、必要なものを全て同封するように注意してください。
歯科医院におけるオンライン資格確認の補助金でよくある5つの質問
最後に歯科医院におけるオンライン資格確認の補助金でよくある質問について解説します。
- 【質問1】補助金はいつ振り込まれる?
- 【質問2】オンライン補助金の申請期限はいつまで?
- 【質問3】オンライン資格確認における猶予申請の期限は?
- 【質問4】補助金は法人税法上の圧縮記帳の対象か?
- 【質問5】個人事業として補助金を受けた場合の税務処理は?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
【質問1】補助金はいつ振り込まれる?
申請内容の確認や必要な審査が行われ、補助金の交付が決定されるまでの期間は、補助金の種類や申請のタイミングによって異なります。審査が無事完了し、補助金の付与が決定された後、次のステップとして補助金の振込が行われます。
【質問2】オンライン補助金の申請期限はいつまで?
オンライン資格確認の補助金の申請期限は2023年9月30日までと定められています。この期限までに、オンライン資格確認を開始した医療機関・薬局は補助金の申請手続きを完了させる必要がありました。
ただし、特別な事情で期限内の導入が難しい場合、猶予申請を提出することで補助金の申請期限を延長できます。その場合、猶予申請の内容や受理状況に応じて、オンライン資格確認の導入期限や補助金の申請期限が変わります。
【質問3】オンライン資格確認における猶予申請の期限は?
2023年1月に療養担当規則等の一部を改正する省令が公布されました。その際に2022年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関・薬局は届出を行うことにより、一定期間、導入の義務が猶予される経過措置が設けられることになっています。
※2023年4月より、オンライン資格確認の導入は原則「義務化」されています。下記の内容は、導入が猶予される措置です。
この経過措置に関する具体的な期限については、以下のとおりです。
やむを得ない事情 | 期限 |
---|---|
⑴令和5年2月末までにベンダーと契約締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の保険医療機関、薬局(システム整備中) | システム整備が完了する日まで(遅くとも2023年9月末まで) |
⑵オン資に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関、薬局(ネットワーク環境事情) | オン資に接続可能な光回線のネットワークが整備されてから6ヶ月後まで |
⑶訪問診療のみを提供する保険医療機関 | 訪問診療のオン資(居宅同意取得型)の運用開始(2024年4月)まで |
⑷改築工事中、臨時施設の保険医療機関、薬局 | 改築工事が完了するまで 臨時施設が終了するまで |
⑸廃止・休止に関する計画を定めている保険医療機関、薬局 | 廃止・休止まで(遅くとも2024年秋まで) |
⑹その他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局 | 特に困難な事情が解消されるまで |
参考:厚生労働省|オンライン資格確認原則義務化の経過措置について
【質問4】補助金は法人税法上の圧縮記帳の対象か?
補助金は法人税の課税対象であるため、法人税が課されます。受け取った補助金が約3割程度減少すると、補助金の目的である企業の支援が十分に果たされないため、この問題の解決に「圧縮記帳」という特例が設けられています。
この圧縮記帳は、国や地方自治体からの補助金等で取得した資産を、一度に経費として落とせる制度です。これにより、補助金で得た収入と資産にかかる経費が相殺され、税負担が軽減されます。
今後、この制度を利用するためには一定の要件が定められており、適切な財務・申告が求められます。オンライン資格確認関連の補助金も、国からの支援策の権利として提供されるため、この圧縮記帳の適用を受けることが可能です。
【質問5】個人事業として補助金を受けた場合の税務処理は?
個人事業に対して、所得税法上では、圧縮記帳の規定はありませんが、類似した制度として「総収入金額不算入の特例」があります。
申告書に一定の事項を記載することにより、「国庫補助金等のうち、固定資産の取得にあてた金額相当額を総収入金額に算入しない」とする特例です。
結果として、補助金の収入分に税金を納付する必要はありません。法人の圧縮記帳とは異なる方法での処理となりますが、税金の軽減としては同様の効果があります。
まとめ
この記事では、オンライン資格確認の導入状況や導入の際の補助金、導入に必要な費用について解説しました。
厚生労働省がオンライン資格確認の原則「義務化」の方針を掲げたことにより、歯科医院でのオンライン資格確認の導入が進んでいます。
オンライン資格確認の導入は、歯科医院においても保険情報の入力・確認の手間が減るなどのメリットがあります。まだ導入できていない歯科医院においては、この記事を参考にしてみてください。
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記事監修
株式会社メドレー Dentis編集部
歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。
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