売上が高い歯科医院の特徴を解説!売上アップのコツも紹介

売上が高い歯科医院の特徴を解説!売上アップのコツも紹介

2025年07月07日

「思ったほど売上が伸びない」「他院との差別化が難しい」
このような悩みを抱える歯科医院は少なくありません。経営を安定させ、収益を着実に伸ばすためには、自院の状況を客観的に把握し、改善策を見つけることが大切です。

本記事では、厚生労働省の公的データをもとに、歯科医院の平均的な売上や診療状況を解説します。さらに、売上を伸ばしている医院の共通点や、今すぐ取り組める具体的な改善策についても紹介します。

Dentis編集部

記事監修

株式会社メドレー Dentis編集部

歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。

歯科医院の平均的な売上や患者数はどのくらい?

自院の経営状況を客観的に分析するために、まず業界全体の平均データを把握しましょう。ここでは、公的な統計データをもとに、歯科医院の平均的な売上や、開業医の年収について解説します。

1日あたりの売上や必要な患者数についても考察しますので、自院の現状と照らし合わせてみてください。

歯科医院の平均的な売上は約6,940万円

厚生労働省が実施した「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)」によれば、2022年における歯科診療所の医業・介護収益(いわゆる売上)は、平均で約6,940万円となっています。この金額は、前年である2021年とほぼ同水準です。

収益の内訳や詳細なデータについては、厚生労働省のサイトで確認できます。

参考:第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)|厚生労働省

一方で、歯科医院の経営にかかる年間の費用は平均約5,807万円とされており、収益との差額である約1,133万円が損益差額、すなわち利益となります。個人で開業している歯科医師の場合、損益差額が実質的な院長の所得に相当し、そこから所得税や社会保険料などが差し引かれます。

なお、歯科医師の平均年収に関する詳しい情報や、収入を高めるための方法については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

関連記事:歯科医師で年収1億円は可能?歯科医師の平均年収や年収を上げるためのポイントを解説

歯科医院の1日の売上は約28万円

歯科医院の1日あたりの平均収益は、約28万円と推計されています。この金額は、厚生労働省の調査で示された年間医業・介護収益の平均約6,940万円をもとに、年間の診療日数で割り出したものです。

一般的な歯科クリニックでは週休2日制を採用しており、祝日やお盆、年末年始なども休診となるため、年間の診療日数は約245日(=365日−120日)程度と想定されます。したがって、6,940万円を245日で割ると、1日あたりの売上目安は約28万円です。

1日あたりの平均的な患者数は33人

厚生労働省が公表している「最近の医療費の動向」によると、歯科診療における1人あたりの医療費は約8,400円です。つまり、平均的な売上を維持しているクリニックは、1日あたりに33人の患者を診察している計算になります。

ただし、この数値はクリニックの診療日数や、患者1人あたりの報酬単価によっても異なります。自費診療の割合が高い場合や診療単価が高い処置が多い場合には、同じ売上でも必要な患者数は少なくなるためです。

目標売上を達成するためには、自院の患者1人あたりの報酬単価を算出し、一日あたりに必要な患者数を把握しておくと良いでしょう。自院の正確なデータを把握するためには、電子カルテの経営分析機能などを活用すると効率的です。

参考:最近の医療費の動向-MEDIAS-(令和6年度)|厚生労働省

売上が伸びる歯科医院の特徴

ここでは、売上が安定して伸びている歯科医院に共通する特徴を紹介します。自院に取り入れられる要素がないか、ぜひ確認してみてください。

地域のニーズに合うサービスを提供している

売上が伸びている歯科医院の多くは、地域特性に合わせたサービス提供を行っています。例えば、会社員が多いエリアでは、夜間や土日の診療に対応し、通院のハードルを下げているケースが目立ちます。子育て世代が多い地域では、小児歯科の標榜だけでなく、キッズスペースのある医院やバリアフリー設計の医院が人気です。

地域のニーズに合ったサービスを提供することで、患者の満足度が高まり、リピーターが増えます。結果として、新たな患者も集まりやすくなり、自然と売上も安定していきます。

患者1人あたりの報酬単価が高い

売上の高い歯科医院では、患者1人あたりの報酬単価を高める工夫が徹底されています。多くの医院が自費診療を取り入れてはいますが、特に売上が伸びている医院では、ホワイトニングやインプラントなどニーズの高い自費メニューを効果的に訴求し、患者に選ばれる体制を整えています。

また、保険診療の範囲でも、診療報酬が高い処置や定期的な口腔メンテナンスなどを実施して、自然と1回あたりの単価を上げているのも特徴です。

ユニットの稼働率が高い

無断キャンセルや予約の空白時間が少なく、ユニット(診療台)の稼働率が高い傾向が見られるのも、売上の高い医院に共通する特徴です。例えば、リマインド連絡を徹底したり、治療内容に応じて柔軟に予約枠を調整したりすることで、空き時間を最小限に抑えているのです。

また、予約システムやレセコンなどのITツールを積極的に活用している医院も多く見られます。治療計画や診療スケジュールを可視化・共有することで、限られたユニットを効率よく活用し、1日の診療回数を最大化しているのです。稼働率を効率化することで、ユニット数を増やさずとも、売上を伸ばしている医院は少なくありません。

売上を増やすために取り組みたい3つのポイント

売上を安定させ、持続的に伸ばしていくためには、新たな診療サービスの導入や業務内容の見直しが欠かせません。ここでは、売上アップのための具体的なポイントを3つ紹介します。

自費診療を取り入れる

自費診療は、報酬単価を高める代表的な方法です。保険診療では、診療内容ごとに報酬は一律で定められていますが、自費診療であれば、医院で独自に料金を設定できます。例えばホワイトニングやセラミック治療、歯列矯正などを導入し、患者のニーズや治療計画に応じて提案することで、収益の向上が期待できます。

自費診療は、保険診療に比べて自由度が高く、治療の選択肢を広げられる点も大きなメリットです。審美性や機能性にこだわる患者のニーズに応えやすく、患者満足度の向上にもつながります。

積極的に情報発信を行う

地域の患者に医院の存在や特徴を知ってもらうためには、積極的な情報発信が欠かせません。特に、Googleビジネスプロフィールや公式ホームページ、SNSなどを活用して、自院の強みや診療内容をわかりやすく発信していきましょう。

また、院内ポスターや掲示物など、オフラインでの情報発信も効果的です。来院中の患者にサービス内容や取り組みを伝えることで、自費診療の希望者が増加する効果も期待できます。

業務のDX化を図る

予約や問診・会計などをスタッフが手作業で行っている場合は、積極的にシステムの導入を検討してみましょう。院内業務をデジタル化することで、スタッフの負担軽減に加え、受付や会計での待ち時間短縮にもつながるため、患者満足度の向上が期待できます。

システム導入には一定のコストが発生しますが、費用対効果を見極めながら、業務改善の可能性を検討することが重要です。適切な設計と運用がなされなければ、思わぬコスト増に繋がることもあるため、事前の準備が成功の鍵となります。

経費削減でクリニックの利益を高める方法も

利益を高めるには、売上を伸ばすだけでなく、経費の見直しも重要です。例えば、電子カルテやレセコンをオンプレミス型からクラウド型に変更することや、複数のシステムを1本化することによって、保守費や設備コストを節約できます。

ほかにも、消耗品の仕入れ先を見直す、節税対策として法人化を検討するなど、さまざまな対策があります。取り組みやすい項目から優先的に検討すると良いでしょう。

まとめ

歯科医院の経営を安定・向上させるには、まず業界全体の平均データを把握し、自院の状況と比較することが重要です。平均年収や1日あたりの売上・患者数を知ることで、目標設定や改善点の明確化につながります。

売上が伸びている歯科医院には共通する特徴があります。地域ニーズに合ったサービス提供、報酬単価の向上、自費診療の導入、ユニット稼働率の最適化など、日々の診療における工夫が収益に直結しています。

さらに、情報発信の強化や業務のDX化、そして無理のない経費削減も、収益性を高めるための大きなポイントです。システムの導入や変更をお考えの際は、歯科業務に必要なシステムを一元管理できるクラウド型システム「Dentis」もぜひご検討ください。


<参考URL>
https://tokyo-doctors.com/webdoctor/8597
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/24_houkoku.html

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