歯科医院がキャッシュレス決済を導入するメリットは?導入率や注意点、チェックすべきポイントを解説!
2023年08月24日
キャッシュレス決済の導入は、歯科医院に多くのメリットがあります。そして、キャッシュレス決済の将来性は政府の推進策や消費者ニーズの高まりから期待されています。本記事では歯科医院がキャッシュレス決済を導入するメリット、導入率や注意点、チェックすべきポイントを解説します。
INDEX
- キャッシュレス決済とは?
- 日本におけるキャッシュレス決済の現状
- 医療機関におけるキャッシュレス決済の導入率
- キャッシュレス決済の種類
- 歯科医院がキャッシュレス決済を導入する4つのメリット
- 1.医院全体の業務効率化につながる
- 2.院内での感染リスクを抑制できる
- 3.治療費の未収金リスクを低減できる
- 4.会計ミスの防止とデータ管理の効率化ができる
- 歯科医院がキャッシュレス決済を導入する際の注意点は2つ
- 1.高齢者の多い医院では合わない場合がある
- 2.資金繰りに支障をきたす可能性もある
- 歯科医院がキャッシュレス決済の導入時にチェックすべきポイント
- 導入や運用にかかるコスト
- 歯科医院のキャッシュレス決済でよくある3つの質問
- 【質問1】キャッシュレス決済の主な精算方法は?
- 【質問2】歯科医院でキャッシュレス決済を導入する際の流れは?
- 【質問3】日本におけるキャッシュレス決済の将来性は?
- まとめ
キャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに電子的な方法で支払いを行うことです。
日本におけるキャッシュレス決済の現状
日本では、政府が「キャッシュレス・ビジョン」において、2025年までに国内のキャッシュレス決済比率を約40%程度、将来的に約80%まで高めることを目標に掲げています。日本のキャッシュレス決済比率は、経済産業省の発表によると、2019年時点で26.8%でした。2021年には32.5%に増加し、2022年には36.0%に達しています。
世界の主要国と比べるとまだ低い水準ですが、近年は手数料の安いQRコード決済などが普及し、若者だけでなく中高年の利用者も増えています。2019年から2020年6月までは、経済産業省主体で行われた「キャッシュレス・ポイント還元事業」がキャッシュレス化を加速させました。
参考:2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)
医療機関におけるキャッシュレス決済の導入率
医療機関におけるキャッシュレス決済の導入率は他業界と比べて遅れています。2018年の厚生労働省の調査では、病院全体の49%がクレジットカード決済を導入していました。
しかし、電子マネー決済は2.2%、QRコード決済は0.2%にとどまっていました。この原因としては、患者の高齢化やコスト負担の大きさなどが挙げられます。
キャッシュレス決済の種類
-
クレジットカード決済
カード会社が支払いを代行し、後日ユーザーの銀行口座から引き落とされ、ポイントやマイルが貯まりますが、利用限度額や年会費が設定されています。
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デビットカード決済
支払いは即座に銀行口座から引き落とされ、リボ払いや分割払いはできません。
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QRコード決済
スマートフォンのアプリでQRコードを読み取って支払います。手数料が低く、ポイント還元率が高いですが、利用できる店舗に制限があります。
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電子マネー決済
チャージしたお金を使って支払いができ、スムーズな会計が可能ですが、チャージの手間が必要です。
-
キャリア決済
携帯電話のキャリアと連携して支払います。利用は簡単ですが、利用限度額や手数料に注意が必要です。
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ネットバンク決済
インターネット上の銀行口座から直接支払います。振込手数料が安く、いつでも利用できますが、セキュリティ対策が重要です。
これらの決済方法は、利便性や手数料、セキュリティ対策などにより、適した使用場面や利用者が異なります。
歯科医院がキャッシュレス決済を導入する4つのメリット
歯科医院がキャッシュレス決済を導入すると、以下のようなメリットがあります。
1.医院全体の業務効率化につながる
キャッシュレス決済は、現金の取り扱いにかかる時間や手間を大幅に削減します。具体的には、次のような改善が期待できます。
- 会計ミスの防止:お釣りや預り金の計算ミスを防げます。
- リスクとコストの削減:現金の保管や運搬に伴うリスクやコストを減らせます。
- 作業省力化:集計や記録入力作業を効率化し、スタッフの業務負担を軽減します。
- データ管理の容易化:オンラインで支払情報を管理し、記録や確認作業が簡単になります。
このようにキャッシュレス決済は、会計プロセスの効率化につながります。
2.院内での感染リスクを抑制できる
- 物理的な感染媒体の排除:現金やカードなどの物理的な媒体からの感染リスクを減らす。
- 接触回数の減少:患者やスタッフの物への接触回数を減らし、感染リスクを抑制する。
キャッシュレス決済は特にパンデミック時に有効な感染予防対策となります。
3.治療費の未収金リスクを低減できる
- 未収金リスクの軽減:患者が治療費を支払えない場合に次回診療時に持ち越す必要がなくなります。
- 即時支払い:現金のない患者でも支払いを即座に完了できます。
キャッシュレス決済によって未収金リスクが低減し、患者の支払い負担も軽減されるため、治療費の支払いに関するストレスが軽減されます。
4.会計ミスの防止とデータ管理の効率化ができる
現金でのやりとりが不要になるため人為的なミスを防ぐことができます。支払い情報の正確な反映とデータの集計・分析が容易になるため管理が効率化されます。
以上がキャッシュレス決済の導入に関する要点と注意点のまとめです。
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歯科医院がキャッシュレス決済を導入する際の注意点は2つ
キャッシュレス決済導入時には、注意することがあります。
1.高齢者の多い医院では合わない場合がある
キャッシュレス決済は、高齢者にとっては使い方が分からなかったり、不安に感じたりすることがあります。歯科医院では治療費が高額になることもあり、現金で支払いたいという方もいると思います。
そのため、キャッシュレス決済を導入すると、高齢者の満足度が下がる可能性があるため注意が必要です。この問題を解決するためには、以下のような対策が考えられます。
- 現金払いの選択肢も残すことで、患者の希望に応える
- 使い方やメリットを分かりやすく説明することで、患者の理解を促す
- 操作やトラブルに対応できるように、スタッフの研修を行う
2.資金繰りに支障をきたす可能性もある
キャッシュレス決済は、現金払いと違って支払いから医院への入金までに時間がかかることがあります。また、キャッシュレス決済の利用料や手数料なども発生します。
これらの要因によって、医院の資金繰りに支障をきたす可能性もあるので注意が必要です。この問題を解決するためには、以下のような対策が考えられます。
- 導入前に、キャッシュフローを見直しておく
- 種類やサービスを比較して、コ ストパフォーマンスの高いものを選ぶ
- 政府や自治体などが提供するキャッシュレス決済導入に関する補助金や助成金などを活用する
歯科医院がキャッシュレス決済の導入時にチェックすべきポイント
歯科医院がキャッシュレス決済の導入時にチェックすべきポイントについて説明します。
それぞれのポイントには、メリットとデメリットがありますので、自院の状況に合わせて検討してください。
導入や運用にかかるコスト
キャッシュレス決済の導入には以下のようなコストが発生します。
- 決済端末の購入費用やレンタル料
- 決済サービスの利用料や手数料
- システム開発や広報活動などの事務経費
これらのコストは、選択する決済手段やサービスによって異なります。また、補助金や助成金の活用により、コスト負担を軽減することが可能です。
キャッシュレス決済の導入時には、自院の規模、患者層、予算などを考慮し、コストパフォーマンスの高い決済手段やサービスを選択することが重要です。
キャッシュレス決済の導入時には、自院の患者層やニーズに合わせて、適切な決済手段を選ぶことが重要です。患者の利便性を高めるためには、できる限り多様な決済手段に対応することも大切です。
歯科医院のキャッシュレス決済でよくある3つの質問
歯科医院のキャッシュレス決済に関する3つの質問について、分かりやすく解説します。
【質問1】キャッシュレス決済の主な精算方法は?
キャッシュレス決済の精算方法は以下の3つに分類されます。
【前払い型(プリペイド)】
- プリペイドカードなどに事前に現金をチャージして利用します。
- PASMOやSuicaに現金をチャージしてご利用の方も多いでしょう。
【後払い型(ポストペイ)】
- クレジットカードなどにより、利用後に一括または分割で支払います。
- 利用者の信用力に基づいて契約した限度額内で支払いができます。
【即時払い型(デビット)】
- デビットカードなどにより、利用時に即時に口座から引き落とされます。
- 口座の入金額を限度に支払いができます。
【質問2】歯科医院でキャッシュレス決済を導入する際の流れは?
歯科医院でキャッシュレス決済を導入する際の流れは以下のようになります。
⒈決済サービスプロバイダーとの契約
- 複数のプロバイダーを比較し、適切な契約を選択します。
- 決済手段や手数料、サポート体制などを検討します。
2.決済端末とシステムの導入
- プロバイダーから提供される決済端末やシステムを導入します。
- 自院で独自の決済端末やシステムを開発・購入する場合もあります。
3.スタッフへの研修と患者への周知
- スタッフに対しては、決済端末やシステムの操作方法やトラブル対応などを研修します。
- 患者に対しては、キャッシュレス決済の利用可能性とメリットについて周知します。
以上が歯科医院でキャッシュレス決済を導入する際の流れの要点です。
【質問3】日本におけるキャッシュレス決済の将来性は?
日本におけるキャッシュレス決済の将来性は非常に高いと言えます。政府のキャッシュレス化推進策や消費者のニーズの高まりがその主な要因です。
政府は「キャッシュレス・ビジョン」を掲げ、2025年までに国内のキャッシュレス決済比率を約4割に、将来的には約8割に高める目標を掲げています。
キャッシュレス決済は現金決済に比べて効率的でコスト削減にも繋がります。キャッシュレス決済に移行する傾向がみられる理由は、現金の煩わしさもあり消費者が支払いの簡便さや特典の存在を重視しているからです。
楽天インサイトの調査によると、キャッシュレス決済手段を利用できることが望ましいと思われる場所として、医療機関が挙げられています。そして消費者庁の調査では、「現金払いしか利用できずに困った店舗、場面」に対して多くの人が病院・診療所を挙げているのです。
日本のキャッシュレス決済市場は成長し、ますます多くの企業や店舗が導入することが予想されます。
まとめ
この記事では、歯科医院がキャッシュレス決済を導入するメリットや注意点、チェックすべきポイントなどを解説しました。キャッシュレス決済は、歯科医院の業務効率化や感染予防対策、他院との差別化などに貢献できる有効な手段です。
しかし、導入する際には、コストや決済手段、レセコンとの連携などを慎重に検討する必要があります。歯科医院でキャッシュレス決済を導入したい場合、クラウド歯科業務支援システムDentisがおすすめです。
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