歯科医院における業務効率化の鍵は「受付」|課題になりやすい理由や効率化する方法を解説!

歯科医院における業務効率化の鍵は「受付」|課題になりやすい理由や効率化する方法を解説!

2023年10月18日

歯科医院での業務効率化において受付業務の改善は重要な要素となります。受付業務の課題について理解し、改善のための施策を講じることが重要です。

本記事では、歯科医院において受付業務の効率化が重要である理由や、受付業務を効率化する方法について解説します。また、受付以外で効率化しておきたい業務についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Dentis編集部

記事監修

株式会社メドレー Dentis編集部

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歯科医院における受付の業務効率化の鍵は顧客満足につながる重要な要素

歯科医院で重要な業務の一つが「受付」です。

新型コロナウイルスの影響で、診療前の各種検査や院内の消毒などの業務が増え、診療までの待ち時間が以前より長くなりやすくなりました。さらに、完全予約制の導入や、手指の消毒、発熱チェックなど患者の対応事項も多くなり、より待ち時間が長くなる要素が増えています。このような状況下で、受付や会計の効率化によって待ち時間の短縮を図り、患者の満足度向上を図る対応が重要になっています。

受付業務が効率化できない3つの理由

歯科医院において受付業務の効率化が鍵である理由を紹介します。主な理由は次の3つです。

  • 少人数で対応している
  • 時間に対する意識が低い
  • 院長が業務内容を理解していない

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.少人数で対応している

1日の来院数が50名〜100名程度と、歯科医院が小規模の場合は受付業務を少人数で対応している場合が多いです。受付業務を少人数で行っていると、目の前の対応に終われ、新しい取り組みを実行に移しにくくなります。

また、受付業務に関する課題が院内で共有される仕組みがなければ、対応者一人で課題を抱えてしまい、最悪退職につながるリスクもあります。

そのように、属人化してしまった受付対応は業務の効率化が進みづらく、多くの業務を実行するなかでミスが出てしまい、患者へのサービス品質に影響を与える可能性があります。

2.時間に対する意識が低くなりやすい

受付業務は、歯科医院の中でも時間に対する意識が低くなりやすいという課題があります。これは、チェアによって診察時間・アポイント時間が決まっている診察室内と、時間的な制約がない受付業務で生じるギャップです。

受付には「何分以内に終了すべきか」という明確なルールは存在しないため、時間の意識が薄れやすい傾向にあります。そのため、診察室内のスタッフから「もっと急げばよいのに」という感覚の違いが生まれ、双方の業務理解にズレが生じやすいのです。

時間管理の意識を高め、患者に対して迅速かつ丁寧なサービスを提供するための工夫と取り組みが求められます。

3.院長が業務内容を理解していない

受付業務が課題となる背景には、院長の受付業務への理解を深めることが難しいという問題も存在します。

院長は歯科医師であり、受付業務の経験が少ないか、あるいは経験が無い場合が多いため、受付スタッフの細かな業務を理解しにくい課題があります。そのため、仮に患者から「対応が遅い」というクレームがあったとしても、受付スタッフのスキルレベルの問題なのか、業務過多による影響なのかを適切に判断できません。

このような状況では、院長と受付スタッフの認識に大きな差が生じてしまうため、日頃から院長が受付スタッフと密にコミュニケーションを取ることによって認識のギャップを埋める努力が必要です。

歯科医院の受付業務を効率化する5つの方法

受付業務が課題になりやすい理由について理解できたところで、次は受付業務を効率化する方法について紹介します。主な方法は次の5つです。

  • 予約システムを導入する
  • キャッシュレス決済を導入する
  • 自動精算機を導入する
  • 専任スタッフを配置しない
  • 受付業務の課題を院内で共有できる仕組みを作る

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.予約システムを導入する

予約システムを導入することで、患者がオンラインで自分自身の予約を管理できるようになります。受付業務のスタッフからすると、電話で予約を受け付ける手間を省けます。

また、予約日の直前に患者へ案内を通知が自動送信できたり、予約日変更・キャンセル自体も患者ができるので、全てを受付スタッフが対応する必要がなくなり、物理的に対応時間を削減してくれます。

歯科医院によっては、受付業務を歯科助手が兼任しているケースも多いため、受付業務にかかる時間を削減できることで、より多くの時間を歯科助手業務に割けるようになり、医院全体のサービスレベルの向上が期待できます。

2.キャッシュレス決済を導入する

キャッシュレス決済の普及は、歯科医院においても効率化の新たな鍵です。特に若い世代は、少額の支払いから高額な支払いまで、キャッシュレスでの支払いを好む傾向にあります。

また、歯科医院でのキャッシュレス決済の導入は、受付業務を効率化するための大きな手段となります。現金を扱うことの手間や、現金管理のリスクを軽減できるため、スタッフの業務負担の軽減が可能です。

さらに、患者にとっても手間なく迅速に支払いができるので、ストレスが軽減されます。キャッシュレス決済の導入は、歯科医院の業務の効率化はもちろん、患者へのサービス向上にもつながります。

3.自動精算機・セミセルフレジを導入する

現在、業務効率化の観点で、自動精算機・セミセルフレジの導入が注目されています。

会計処理を自動化することで、人手がかかる作業を大幅に削減することが可能です。現金の取り扱いを減らし、カードや電子マネーによる支払いを増やすことで、レジ締めにおける過不足のリスクも軽減できます。

このように、自動精算機・セミセルフレジを導入することで、スタッフは本来の業務に専念できるようになり、患者もスムーズな会計によって時間的ストレスから解放されるのです。これらのメリットを考慮すると、自動精算機の導入は、現代の歯科医院において必要な取り組みといえます。

4.専任スタッフを配置しない

受付業務に専任スタッフを配置しないことで、クリニック全体で新しいシステムや業務を導入することに抵抗が少なくなると言われています。なぜなら、医院のスタッフ全員が様々な業務に従事することで、スタッフ同士の業務理解が深まるためです。その場合、たとえば、新しい予約システムやキャッシュレス決済を導入することに対して抵抗が少ない傾向があると言われています。

しかし、スタッフ全員が様々な業務に取り組もうとしても、すでに専任の受付スタッフがいる場合があることも確かです。そのような場合には、歯科助手(DA)が受付業務もできるようにトレーニングすることで対応してみるのはいかがでしょうか。

以上のように、専任スタッフを配置しない選択は、効率的な運営とスタッフ間の協力性​​を高める効果があるといえます。

5.受付業務の課題を院内で共有できる仕組みを作る

受付に限らず、業務改善は、それを決定する院長や事務長などのキーマンが課題感を把握するところから始まります。

現場スタッフが気づいた課題感は、きちっと院内で共有できる仕組みを作りましょう。

課題リスト一覧などを作成して、共有するオペレーションを作っても良いですし、院内共有に特化したサービスを使うこともよいでしょう。

クラウド歯科業務支援システムDentisは、サブカルテのアクティビティという機能を使い、気づいたこと、患者からの指摘など瞬時に院内共有できる仕組みを搭載しており、院内スタッフの連携強化を支援します。

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受付以外で効率化しておきたい3つの業務

受付業務を効率化する方法について理解できたところで、次は受付以外で効率化しておきたい業務について紹介します。主な業務は次の3つです。

  • カルテの編集・管理業務
  • 問診業務
  • レセプト業務

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

1.カルテの編集・管理業務

歯科医院で業務効率化を目指す際、重要となるのがカルテの編集・管理業務です。そのため、多くの医療機関で電子カルテの導入が進められています。

電子カルテの導入によって、紙カルテへの記載時間や待ち時間が削減され、歯科業務全体の業務効率化を図ることが可能です。

また、診療情報の提供書などの文書作成も効率的になります。電子カルテの導入により、医療スタッフの負担も軽減され、よりクオリティの高い診療に専念することが可能になります。

2.問診業務

歯科医院において、問診業務の効率化も重要です。特にWEB問診の導入は多くのメリットを提供します。WEB問診を活用すれば、患者に院内で問診表を記入してもらう必要がありません。

質問項目についても、紙の問診票よりも、よりカスタマイズした問診票を作成できます。さらに、問診情報がデジタルデータとして保存されるため、電子カルテへの転記作業が大幅に削減されます。

3.レセプト業務

レセプト業務は、組合健保や協会けんぽなどの健康保険の保険者に対して、診療報酬を請求する重要な業務です。すでにほとんどの歯科医院が対応されていると思いますが、レセプト業務の効率化にはレセコン(レセプトコンピュータ)の導入が有効です。

レセコンのチェック機能を活用することによって算定漏れや返戻を減らせます。

歯科医院の業務効率化でよくある質問

受付以外で効率化しておきたい業務について理解できたところで、次はよくある質問を2つ紹介します。

  • 【質問1】業務効率化に向けて仕事の棚卸しをするコツは?
  • 【質問2】在庫管理でよくある問題点は?

それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。

【質問1】業務効率化に向けて仕事の棚卸しをするコツは?

業務改善には、まず現場の業務を把握するところから始まります。ただ、どうやって業務を棚卸していけば良いのでしょうか?棚卸しにはいくつかのステップがあります。まずは最初に、どんな仕事があるかをすべてリストアップしましょう。

リストアップは全スタッフにお願いしますが、まずは粒度を問わず、思いつきベースでも良いという前提で、書き出してもらうことが重要です。洗い出せたら、それぞれの仕事に誰がどれだけの時間がかかるかを記入します。書き出して、実施時間も把握できたら、業務を項目整理(受付業務・診療業務・月次業務)に仕分けをし、どの業務にどのくらいの時間がかかっているのかを定量的(数字で)把握するようにしましょう。

ここまでできれば、次にそれぞれの業務の対応時間の理想値を設定していきます。業務を最も効率よく行っている人に話を聞きながら、現実的な値を設定するのが重要です。全ての理想値を設定し終わったら、それを実行するためのマニュアル作成となります。マニュアルは、各業務を効率的に行なっている人からヒアリングを行い、そのコツを言語化して、マニュアルを作成することが重要です。

このマニュアルを院内で徹底することで、作業効率の向上が期待できます。このような方法で棚卸しをおこなえば、新しいシステムやツールを導入する際にもスムーズです。なぜなら、その導入の背景や必要性が明確になっているからです。

業務効率化において大切なのは、人の意見やアドバイスを取り入れて最適な業務フローのマニュアルを作成し、それを徹底的に実践することだといえます。

【質問2】在庫管理でよくある問題点は?

受付以外で効率化に寄与する業務として、在庫管理が挙げられます。

在庫管理は、多くの分野において重要な業務の一つであり、特に消耗品を多く扱う歯科医院では、細心の注意が必要です。歯科医院では、バラバラの場所に在庫が置いてあり、それらをノートやパソコンで管理するケースが多く見られます。しかし、この方法では業務効率を悪化させる可能性があります。

上記の方法では、バラバラの場所に在庫が置いてあるため、精度の高い在庫管理を継続的に行うことが難しい傾向があります。たとえば、在庫数量の記載を間違えてしまったり、使用途中の在庫があるにもかかわらず新しい在庫を開封してしまったりし、帳簿と在庫数が合わなくなってしまうといった問題が生じます。


これらの状況を改善するために、まずは在庫保管用の棚を設置するとよいでしょう。在庫管理専用の棚を設けて一元管理することで、院内にある在庫量が把握しやすくなります。また、在庫には入荷日を記したラベルを貼り付けるのがおすすめです。

このラベルとパソコンやノートなどの台帳と表記を統一することで、同じ材料であっても、入荷日によって細かく、より精度の高い在庫管理が可能になります。

まとめ

この記事では、歯科医院の受付業務が業務効率化において重要である理由や、受付業務を効率化する方法について紹介しました。

歯科医院で業務効率化を成功させるには受付業務の改善が鍵になります。受付業務の課題について、院長自らが課題を理解し、効率化のための施策を講じることが重要です。

歯科医院の業務効率化を実現させるうえでは、DX化の促進が不可欠です。WEB問診やレセプト業務、カルテ作成などの業務を効率化し、スタッフの職場環境の改善や、患者へのサービスレベルの向上を目指してください。

クラウド歯科業務支援システムDentisは、Web問診やWeb問診、電子カルテ、サブカルテといった機能により、歯科医院のDX化の促進に役立ちます。

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