【歯科医院向け】歯科医院の問診票に設けるべき項目を解説|初診時の流れやよくある質問もご紹介!

【歯科医院向け】歯科医院の問診票に設けるべき項目を解説|初診時の流れやよくある質問もご紹介!

2023年08月24日

歯科医院にとって問診表は、治療への最初の1歩です。しかし、歯科医院向けの問診票にはどのような項目を設定するべきか分からないという方もおられるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、歯科医院の問診票に設けるべき項目や初診時の流れ、よくある質問についてご紹介します。ぜひ、これらの情報を参考にしてみてください。

歯科医院における問診票とは?

受診時に患者の健康状態や症状に関する情報を収集するための重要なツールです。問診票には、受診目的や痛みの程度、既往歴や投薬歴、アレルギーの有無などが記載されます。

これらの情報は、患者の口腔内の状態を把握し、適切な診断や治療計画を立てるために必要です。
また、問診票によって患者自身も自分の口腔内の状態について意識ができます。

問診票は、初診だけでなく定期的に更新することが望ましいです。症状や健康状態に変化があった場合は、その都度問診票を修正することが大切です。これにより、治療効果の確認や予後の予測、合併症の予防などが可能になります。

問診票は、できるだけ正確かつ詳細に記入することが重要になります。記入する際には、薬手帳や健康保険証などを参考にすると便利です。

また、記入した内容については、患者とよく相談し、不明点や不安点があれば遠慮せずに質問することが大切です。問診票の適切な活用は、受診時の患者への対応を円滑にし、患者様の症状把握に貢献します。

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歯科医院の問診票に設けるべき5つの項目

歯科医院の問診票には、患者の健康状態や症状に関する情報を収集するための様々な項目があります。一般的には、以下の5つの項目が設けられています。

1.受診の目的・症状

なぜ歯科医院に来たのか、どんな症状があるのかをできるだけ具体的に記入します。これは、歯科医師が診断や治療方針を決める際に参考にするためです。具体的には、以下のような点に注意して記入します。

  • 痛みがある場合は、どの歯が痛むのか、どんな痛みなのか(チクッとする、ズキズキする、しみるなど)、いつから痛んでいるのか、何か原因があると思うことなど
  • 歯茎が腫れたり出血したりする場合は、どの部分がどのように変化しているのか、いつからその症状があるのか、何か原因があると思うことなど
  • 歯並びや噛み合わせに不満がある場合は、どのような不満があるのか、それがどのように生活に影響しているのか、どんな改善を望んでいるのかなど
  • 歯や歯茎以外にも口内や顎関節に違和感や不快感がある場合は、その内容や程度


2.既往歴

既往歴の項目では、今までにかかったことがある疾患や持病について記入します。これは、歯科治療に影響を及ぼす可能性があり、他の医療機関と連携する場合もあるためです。具体的には、以下のような点に注意して記入します。

  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、気管支喘息や婦人科系疾患などのアレルギー性の疾患がある場合は、その名称や発症時期、現在の治療状況など
  • 手術をした経験がある場合は、その種類や時期、合併症の有無など。
  • その他にも、心臓や肝臓、腎臓などの重要な臓器に異常がある場合や、免疫系の障害がある場合など


3.蕁麻疹・アレルギーの有無

蕁麻疹・アレルギーの有無の項目では、蕁麻疹やアレルギーが出やすいかどうかを記入します。
特に、薬物アレルギーや歯科金属アレルギーがある場合は必ず伝える必要があります。これは、投薬や麻酔などによって重篤な反応が起こる可能性があるためです。

また、歯科金属アレルギーの場合は、詰め物や被せ物の素材選びにも影響します。具体的には、以下のような点に注意します。

蕁麻疹は、皮膚に赤く盛り上がった発疹が出る症状で、かゆみや痛みを伴います。原因はさまざまですが、食物や薬物などのアレルギー反応が一般的です。

アレルギーは、本来無害なものに対して過剰に反応する免疫系の異常です。花粉やダニなどのアレルゲンに対して発症する場合もありますが、歯科治療では主に抗生物質や麻酔薬などの薬物アレルギーが問題になります。

歯科金属アレルギーは、金属製の詰め物や被せ物などに含まれる金属成分に対して発症するアレルギーです。口内だけでなく手足や体にも皮膚炎や湿疹などの症状が出ることがあります。

4.投薬歴

投薬歴の項目では、現在服用している薬やサプリメントについて記入します。薬の名前や用量、服用目的などを正しく書くことが大切です。薬手帳も必ず確認しましょう。

これは、薬の副作用や相互作用を考慮して負担の少ない治療計画を立てるためです。具体的には、以下のような点に注意します。

薬物アレルギーがある場合は、その薬の名前やアレルギー反応を記入します。歯科治療で使用する抗生物質や麻酔薬などに対して、重篤なアレルギーが起こる可能性があるためです。

高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、その治療に使用する薬の名前や用量を記入します。これは、歯科治療で使用する薬と相互作用して効果が変化したり、副作用が増強したりする可能性があるためです。

5.その他の懸念点

その他の懸念点の項目では、上記以外に伝えたいことや相談したいことを記入します。たとえば、妊娠中や授乳中であることや、自由診療を希望するかどうかなどを書きます。

これは、治療内容や費用に関する要望や不安を伝えるためです。また、抜歯の経験や血液凝固異常なども記入する場合があります。具体的には、以下のような点に注意します。

  • 喫煙している場合

    その頻度や量の記入が必要。これは、喫煙が歯周病やインプラントの成功率に影響を与える可能性があるため。

  • 妊娠中や授乳中の場合

    その旨を記入。これは、歯科治療で使用する薬が胎児や乳児に影響を及ぼす可能性があるため。

  • 自由診療を希望する場合

    保険診療では対応できない治療法や材料を選択したい場合や、費用に関する相談をしたい場合に有効。

  • 抜歯の経験がある場合

    その回数や時期を記入する。抜歯後の経過や合併症があったかどうかを確認するため。

  • 血液凝固異常がある場合

    その原因や治療法を記入する。歯科治療で出血が多くなったり止まりにくくなったりする可能性があるため。

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歯科医院における初診時の流れは3ステップ

初診時の流れは、患者にとっても歯科医師にとっても重要なプロセスです。初診時には、患者の口腔状態を正確に把握し、適切な診断や治療方針を決める必要があります。
そのためには、以下の3ステップをしっかりと行うことが大切です。

【ステップ1】問診票に記入してもらう

患者の基本情報や歯の症状、健康状態などを問診票に記入してもらいます。問診票は、歯科医師が診断や治療方針を決める際に参考にするものです。

問診票は、受付で渡される場合や、歯科医院のホームページからダウンロードして自宅で記入できる場合があります。

【ステップ2】検査データをもとに診断を実施する

このステップでは、問診票の内容をもとに歯科医師が患者の口内腔の状態を診察し、必要な検査をします。検査には、レントゲン写真や口腔内写真、歯周ポケット測定などが必要です。

これらの検査データをもとに、歯科医師は患者の口腔内の問題を見極め、診断します。検査結果を元に、歯の健康状態だけでなく、全身の健康状態との関連性も考慮に入れた上で、最適な治療計画を立てます。

【ステップ3】症状や治療プランを説明する

このステップでは、歯科医師が患者に対して、症状や治療プランについて説明します。説明の際には、画像や模型などを使ってわかりやすく伝える場合もあります。

治療内容について不安や疑問がある場合は、納得がいくまで話し合うことが大切です。また、治療内容や費用、通院スケジュールに関する要望も確認します。

患者が治療計画を理解し同意したことを確認します。患者の納得と協力が得られるようにすることが重要です。

歯科医院の問診票でよくある3つの質問

問診票には、疑問に思うことや不安に感じることも多いかもしれません。歯科医院の問診票でよくある3つの質問について、その意味や目的を解説します。

【質問1】問診票は義務付けられた書類ですか?

問診票には、患者の口腔内の状態や健康状態に関する重要な情報が記入されます。そのため、歯科医師は、問診票の内容をもとに、患者に最適な診断や治療方針を決められます。しかし問診票は、法律で義務付けられた書類ではありません。

歯科医師法や医療法などに基づいて作成されるものです。歯科医師は、患者の同意を得た上で問診票を作成し、個人情報の保護に努める必要があります。また、患者は、問診票に正確な情報を記入することで、安全かつ効果的な治療を受けられます。

【質問2】問診票とカルテの違いは?

問診票とカルテは、ともに患者の症状や健康状態を記録する書類ですが、作成する目的や内容が異なります。問診票は、診療前に患者が記入する書類で、自身の基本情報や受診目的、既往歴や投薬歴、アレルギーの有無などを伝えるものです。

歯科医師が患者の口腔内の状態を診察し、必要な検査をする際に参考にします。また、問診票はカルテの一部として保存されます。

カルテは、歯科医師が作成する書類で、患者の口腔状態や治療内容を記録するものです。
レントゲン写真や口腔内写真などの検査データや診断結果、治療計画や治療経過などが記載されます。

カルテは、歯科医師が治療方針を決めたり変更したりする際に参考にします。カルテは法律で定められた期間の保存が必要です。

【質問3】問診票に家族歴を記載する理由は?

問診票に家族歴を記載する理由は、家族間で遺伝的に発症しやすい疾患やリスク因子がある場合に、歯科医師がそれを把握し、予防や早期発見に努めるためです。

家族歴とは、患者の血縁者(両親や兄弟姉妹など)がかかったことがある疾患や持病のことです。家族に糖尿病や高血圧などの生活習慣病が多い場合は、患者もそれらの病気になりやすい可能性があります。

生活習慣病は、歯周病や虫歯などの口腔内の疾患と密接に関係しており、治療効果や予後にも影響します。そのため、歯科医師は家族歴をもとに、患者に適切な予防指導や定期的な検診を勧めることが可能です。

家族にアレルギー体質が多い場合は、患者もアレルギー反応を起こしやすい可能性があります。
アレルギーは、投薬や麻酔などの治療に影響するため、歯科医師は家族歴をもとに、患者に安全な治療を提供できます。問診票に家族歴を記載することは、患者の口腔内の健康を守るために重要なことです。

まとめ

歯科医院の問診票は、初診時の患者の健康状態や治療に関連する重要な情報を収集するための重要なツールです。それは受診の目的や症状、既往歴、アレルギーの有無、投薬歴、その他の懸念点など、患者の全般的な健康情報を把握するための情報を提供します。

問診票は初診時の診察流れの一部であり、診断と治療計画の作成に貢献します。また、問診票は法的に義務付けられた書類ではありませんが、その情報は患者のカルテとともに重要な医療記録です。

歯科医院が提供する医療サービスの質を向上させ、患者の安全を確保するためには、適切な問診票の使用が不可欠です。それは患者とのコミュニケーションを向上させ、より適切な診断と治療を可能にします。

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