【院長必見】クリニック開業までのスケジュール|開業直後に起きやすいトラブルもご紹介!
2023年07月05日
クリニックの開業には、綿密なスケジュール計画が必要です。計画を立てずに開業準備を進めてしまうと、資金繰りの失敗や大幅な計画の遅れが発生します。
この記事では、クリニックの開業地選びから開業後のスケジュール、さらには開業後によくあるトラブルまで解説していますので、これから開業する先生はぜひ参考にしてみてください。
INDEX
- クリニック開業までのスケジュール
- 12〜18ヶ月前「開業時期・事業計画の決定」
- 7〜12ヶ月前「土地・物件選定」「資金調達」
- 4〜6ヶ月前「医療機器の選定」「内装決定」
- 1〜3ヶ月前「採用活動」「集患」
- 〜1ヶ月前「申請手続き」「研修」
- クリニックの開業直後に起きやすい5つのトラブル
- 1.院長と看護師の対立が起きる
- 2.集患に苦戦する
- 3.コンサルタントとの認識が異なる
- 4.当初の予算よりも出費が嵩む
- 5.開業地や物件選びが難航する
- クリニック開業まで のスケジュールでよくある3つの質問
- 【質問1】開業に適している時期とは?
- 【質問2】開業医が利用できる補助金や助成金は?
- 【質問3】用意すべき開業資金の目安は?
- まとめ
クリニック開業までのスケジュール
クリニック開業までのスケジュールは、以下の5つのフローに分けられます。
- 12〜18ヶ月前「開業時期・事業計画の決定」
- 7〜12ヶ月前「土地・物件選定」「資金調達」
- 4〜6ヶ月前「医療機器の選定」「内装決定」
- 1〜3ヶ月前「採用活動」「集患」
- 〜1ヶ月前「申請手続き」「研修」
ここでは、フローごとの詳しい内容について解説します。
12〜18ヶ月前「開業時期・事業計画の決定」
クリニックの開業を決めてまず最初に取り組むべきは「開業時期・事業計画の決定」です。クリニックが建つ土地選びや物件の選定は非常に重要です。
たとえば、戸建を新しく立てるのであれば、建築に必要な期間をあらかじめ考えておかなければなりません。一般的には、テナントでの開業は12ヵ月、戸建での開業は18ヵ月の準備期間を想定しておいてください。
また、開業する時期を決めたあとには「事業計画」を立てる必要があります。事業計画とは、クリニックのコンセプトや理念、終始構造や資金繰りを決めて経営が正常に稼働するかどうかを決める計画です。キャッシュフローについても明確にしたうえで、事業計画書としてまとめておきましょう。
歯科医院の開業の事前リサーチや必要な手続きを知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
歯科医師の開業について知っておきたいこと! 流れ・手続き・成功のためのコツを紹介
7〜12ヶ月前「土地・物件選定」「資金調達」
事業計画書をまとめ、クリニック開業のイメージが鮮明になれば、次にやるべきは「診療圏調査」をもとに開業地や物件を選ぶことです。
開業地や物件が決まってから内装工事や医療機器の納入を決めるのでは、遅いため、6ヵ月前までには物件を決定し、賃貸借契約を済ませておかなければなりません。
それと同時に、資金調達も進める必要があります。事業計画書をもとにして、借入額を決定し、金融機関との交渉を始めましょう。交渉の際は金融機関の担当者と面接をし、審査が行われます。審査に通れば、借入が可能になります。
4〜6ヶ月前「医療機器の選定」「内装決定」
物件が決定したら、次に医療機器の選定や内装のレイアウトを決めます。こちらは、可能な限り医院やクリニックの工事経験が豊富な業者へ依頼するのがおすすめです。
また、内装のレイアウトを決める際には、導線の確保や医療機器のための十分な広さを確保してください。一度搬入した機材は簡単に変更がきかないため、導入数や継続数の高い医療機器を選ぶのが大切です。
電子カルテの導入を検討している場合、医療機器との連携が必要です。この段階で選んでおくと失敗が少なく済みます。
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1〜3ヶ月前「採用活動」「集患」
クリニック開業の1〜3ヶ月前からは、スタッフの採用活動と急患を始めます。スタッフ(看護師、技師、受付など)は、事業計画書で定めた人員計画をもとに必要な人数を採用してください。スタッフの求人には、募集広告や求人サイトが活用できます。
さらに、来院を見込んでいる地域の住民へ、開業するクリニックの存在を知ってもらう必要があります。PR施策としては、新聞広告や地域情報誌への掲載、Webサイトの作成があります。予算や効果的な施策内容を検討し、実施してください。
歯科医院経営における集患の手法を具体的に知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
歯科医院の集患方法とは?開業前に意識すること・患者離れを防ぐコツも紹介
〜1ヶ月前「申請手続き」「研修」
クリニック開業には、保健所および厚生局に申請手続きを行ってください。行政の手続きに不備があると書類の再提出や聞き取りなどが発生し、予定通りの開業ができなくなってしまいます。そのため、申請時には細心の注意を払ってください。
また、開業1ヶ月前からスタッフの研修を開始する必要があります。クリニックの理念など、スタッフ間での共通認識を育むのです。さらに、具体的な業務の進め方や備品の発注方法、医療機器の使い方についてもスタッフに指導していきます。
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クリニックの開業直後に起きやすい5つのトラブル
クリニックの開業直後に起きやすいトラブルには、以下の5つが挙げられます。
- 院長と看護師の対立が起きる
- 集患に苦戦する
- コンサルタントとの認識が異なる
- 当初の予算よりも出費が嵩む
- 開業地や物件選びが難航する
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.院長と看護師の対立が起きる
開業直後によくあるトラブルとして、院長と看護師の対立が挙げられます。これは、立場の違いから微妙なすれ違いが生じ、のちに対立構造が発生してしまうのです。
主な原因として、コミュニケーション不足があります。また、院長が特定の看護師に対して偏ったコミュニケーションの取り方をすると、問題につながるおそれがあるのです。
最悪のケースだと、スタッフの一斉退職も考えられます。対策としては、普段からスタッフ全員に均一なコミュニケーションをとることが挙げられます。
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2.集患に苦戦する
経営を安定させるためには、集患が絶対的に必要です。しかし、集患が思うようにいかなくとも、事業計画書通りの収入があれば、ひとまずは問題になりません。年単位での集患計画を立てていってください。主な集患の施策には、以下のものがあります。
- Webサイトの拡充
- 予約システムの導入
- 医療接遇の向上
- SEO対策
- MEO対策
歯科医院経営における集患の手法を具体的に知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
歯科医院の集患方法とは?開業前に意識すること・患者離れを防ぐコツも紹介
3.コンサルタントとの認識が異なる
開業の際には、アドバイザーとして開業コンサルタントを採用する場合もあります。しかし、コンサルタントとの認識が一致しない場合、トラブルになるおそれもあるのです。
「開業コンサルタント」といっても、可能な限りあらゆる立ち位置から専門的にアドバイスするため、想定していたよりも相性が合わない場合があります。また、コンサルタントによっては開業の一部分しか担当しないケースもあり、経営面では役に立たないケースもあり得ます。
もし、開業準備だけでなく経営サポートもコンサルティングも受けたい場合は、コンサルタントがどこまで支援してくれるのか、事前に確認しておきましょう。
4.当初の予算よりも出費が嵩む
クリニック開業直後は、設備投資に多大な出費を伴います。そのため、事業計画書で想定していたよりも高い金額の設備や医療機器を導入してしまうと、のちの資金繰りに大きな影響を与えてしまうのです。
当初想定していた予算内に収めるためには、開業コンサルタントや、ほかのクリニックの導入経験がある会計士など、知見のある人に相談するのがおすすめです。もし、当初より大幅に予算が増えてしまうと追加融資を申し出さなければならず、時間的なロスが発生します。
5.開業地や物件選びが難航する
そもそも、開業地や物件選びが難航してしまうと、そのあとのすべてのスケジュールに遅れが生じます。
ただでさえ開業準備は慣れないことをしながらあらゆる予定をこなさなくてはなりません。すべての動向を把握しながら進めていくためには、あらかじめゆとりをもったスケジュールを組んでください。
物件を戸建てにして建設する場合、1年半が目安です。少なくとも、開業予定の半年前には工事が完了しているようにしましょう。物件の完成が遅れると、ほかの工程に大きなズレが生じ、結果的に時間とコストを大きく消費します。
クリニック開業までのスケジュールでよくある3つの質問
クリニック開業までのスケジュールでよくある質問には、以下の3つが挙げられます。
- 【質問1】開業に適している時期とは?
- 【質問2】開業医が利用できる補助金や助成金は?
- 【質問3】用意すべき開業資金の目安は?
ここではそれぞれの質問について解説します。
【質問1】開業に適している時期とは?
クリニックの開業に適している時期は、1年を通じて「3〜5月」と「10〜11月」とされています。これは、歯科医院内覧会を実施した場合の見学者数から推測することが可能です。
歯科医院内覧会を春と秋に実施した場合、非常に多くの見学者を集めることができます。しかし、夏・冬に開催した場合、上記の70%程度の見学者しか集まりません。
悪天候と重なると、半分以下となることもあります。そのため、気候がよく、患者としても外出しやすい春・秋に絞って開業するのがおすすめです。
【質問2】開業医が利用できる補助金や助成金は?
開業医が利用できる可能性がある補助金や助成金には、以下のようなものが挙げられます。
- IT導入補助金
- 感染拡大防止支援金
- 医療施設等施設設備費補助金
- キャリアアップ助成金
- 地域雇用開発助成金
Dentisは、2023年のIT導入補助金の事業者登録をしております。IT導入補助金の活用にご興味をお持ちの方向けに無料相談を実施しております。お悩みの方は以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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補助金や助成金は、種類ごとに受給要件が大きく異なります。クリニック開業には多額の資金が必要です。受給できる可能性がある補助金や助成金は全て比較し、利用できそうなものについては申請してみてください。
参考:【開業医向け】クリニックの開業や経営に利用できる!補助金・助成金制度を紹介
【質問3】用意すべき開業資金の目安は?
クリニックの開業資金は、最低でも5,000万円、クリニックのタイプによっては最大7,500万円程度が必要とされています。
実際、勤務医として働きながら自己資金を貯めている人もいますが、5,000万円をすべて貯金で賄うのは難しいことです。一般的には、自己資金をいくらか貯金し、不足分は銀行から融資を受けて開業します。主な開業費用とその内訳は、以下の通りです。
- 内外装工事費:1,000万~2,500万円
- 医療機器費:1,500万~3,000万円
- 賃貸借契約時の諸経費など:500万円~
- 運転資金:600万円~
まとめ
今回は「クリニック開業までのスケジュール」についてご紹介しました。開業までには多くの準備が必要になり、資金も膨大になります。計画的に準備に取り掛かってください。
また、クリニックの開業直後に起きやすいトラブルについても解説しました。スタッフ同士の共通意識やコミュニケーションの平準化を図る参考としてみてはいかがでしょうか。
まずは何からすべきかお悩みの方は、以下の記事でご紹介している歯科医院開業の流れを読んで開業後に成功させるためのポイントを抑えていただければと思います。
歯科医師の開業について、開業までの流れ・手続き・成功させるために重要なことを紹介
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