歯科医院を居抜き物件で開業する4つのメリット|デメリットやチェックすべきポイントも徹底解説!

歯科医院を居抜き物件で開業する4つのメリット|デメリットやチェックすべきポイントも徹底解説!

2023年07月06日

歯科医院として開業するためには、3つの物件の種類が挙げられます。その中でも居抜き物件は、前の住居が同じ歯科医院だった場合、設備や内装、患者やスタッフを引き継ぐことができる可能性があり、おすすめの物件です。

そこで本記事では、歯科医院を居抜き物件で開業することのメリットやデメリット、開業時に注意しなければならないチェック項目まで解説しますので、居抜き物件で開業を考えている場合にはぜひ参考にしてみてください。

歯科医院として開業するためには、3つの物件の種類が挙げられます。その中でも居抜き物件は、前の住居が同じ歯科医院だった場合、設備や内装、患者やスタッフを引き継ぐことができる可能性があり、おすすめの物件です。

そこで本記事では、歯科医院を居抜き物件で開業することのメリットやデメリット、開業時に注意しなければならないチェック項目まで解説しますので、居抜き物件で開業を考えている場合にはぜひ参考にしてみてください。

歯科医院として開業する際の物件種類

歯科医院として開業する際の物件種類には、以下の3つが挙げられます。

  1. テナント物件
  2. 新築物件
  3. 居抜き物件

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

テナント物件

テナント物件で開業する場合、商店街や商業ビルなどの店舗物件を借りて開業します。テナントは主に駅周辺やショッピングモールなど、人が多く集まる場所にあり、物件数も豊富です。

テナント物件では立地のよさから集患のしやすさと、自身が開業を希望している場所に物件を見つけやすいというメリットがあります。

しかし、条件のよい物件ほど保証金や家賃が高い傾向にあります。物件に対していくらまでなら予算を割けるのか、収支計画をもとに選択してください。

新築物件

歯科医院を新築物件で立てる場合は、戸建てを建設して開業することとなります。戸建は自宅と診療所を兼ねることもでき、フロア設計を何もない状態から好きに計画できるなど、自由度が高いことがメリットです。

デザインやインテリア、内装のレイアウト、使い勝手のよさなど、こだわりがある人におすすめの物件です。

しかし、新築で戸建てを建設する場合には、ほかの方法で開業するよりも多額の資金を必要とします。さらには、立地によっては集患に苦労するおそれがありますのでそれらを理解した上で選択してください。

居抜き物件

居抜きとは、前の居住者が利用していた施設や設備を使って開業する方法です。前に契約していた方が同業者だった場合、内装や設備はそのまま使用できます。そのため、テナント物件に比べると選択肢は少なくなりますが、初期費用を抑えながら開業できるのが大きなメリットです。

また、歯科の居抜き物件を探す専用サイトもあり、現在では歯科医院の居抜き物件を探しやすくなっています。

歯科医院向けの居抜き物件が賃貸だった場合、保証金や家賃に加えて設備の譲渡金額が発生する点に注意してください。

歯科医院を居抜き物件で開業する5つのメリット

歯科医院を居抜き物件で開業するメリットには、以下の5つが挙げられます。

  1. 開業のコストが抑えられる
  2. 経営を早期に安定させやすい
  3. 短期間で開業できる
  4. 患者を引き継げる可能性がある
  5. 資産としての目減りが少ない

ここではそれぞれのメリットについて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.開業のコストが抑えられる

居抜き物件を選ぶ最大のメリットは、コストを抑えられることです。レントゲンなどの高額医療機器は有償での譲渡となることが一般的です。新品を購入するよりもリーズナブルな費用でそろえることができます。

また、居抜き物件は、物件内部の傷み具合にもよりますが内装工事も手直し程度で済むことも多く、費用を節約することにもつながります。

資金力が豊富にない場合にはよい選択肢です。

2.経営を早期に安定させやすい

居抜き物件なら、経営を早期に安定させやすいことも見逃せないメリットです。同業者の居抜き物件であれば、前医院で働いていたスタッフを再雇用できる可能性があります。従来から続いていた患者とのつながりも継続し、そのまま来院してもらえる可能性が高いのです。

新しく開業する歯科医院にとって、集患方法は大きな課題となっています。たとえ同業者が使用していたからといって、必ずしも患者を引き継ぐことができるとはいえませんが、同じ場所に同じ歯科医院が建っていれば通ってくれる可能性はゼロではありません。集患経路が1つでも増えることは大きなメリットといえます。

3.短期間で開業できる

テナントや戸建てで新しく開業するためには、内装工事や機材の搬入などの工程が欠かせません。しかし、居抜き物件では既存の設備を使うため、同業者からの居抜き物件であれば機材搬入の手間が発生しないのです。

また、内装工事についてもとくにこだわりがなければほとんど追加工事をする必要がありません。

そのため、比較的短期間で歯科医院を開業できるのです。

4.資産としての目減りが少ない

居抜き物件を新しく購入する場合、資産の目減りが少ないこともメリットとして挙げられます。もし歯科医院を将来的に別の場所へ移転する場合、新規物件として建設してしまうと取得金額が高額となり、資産も目減りする可能性が大きいのです。

しかし、居抜き物件はもともとの取得額を抑えられるため、資産が目減りする額も少額で済みます。

たとえば、5,000万円の費用をかけて開業、のちに廃業した場合、資産売却額を20%とすれば1,000万円となり、目減りする資産は4,000万円となります。居抜き物件のケースだと800万円で開業費用が済んだ場合、資産売却額20%で160万円、目減りした額は640万円となるのです。

歯科医院を居抜き物件で開業する3つのデメリット

歯科医院を居抜き物件で開業するデメリットには、以下の3つが挙げられます。

  1. 機材のメンテナンス費用がかさむケースがある
  2. 悪いイメージを引き継ぐ場合もある
  3. 自分の好みにしづらい

ここではそれぞれのデメリットについて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.機材のメンテナンス費用がかさむケースがある

高額な医療機器の購入費用を抑えられることはメリットですが、中古となるためメンテナンス費用がかさむおそれがあります。

最近オーバーホールしたばかりや、利用年数が浅い場合には安心して長く使用することができるといえます。

しかし、型が古かったり、メンテナンスがされていなかったりする機器の場合はそのまま使うことができません。その場合は、別途メンテナンス費用がかかったり、買い替えが発生したりするため、高額な出費となるかもしれないことには注意が必要です。

2.悪いイメージを引き継ぐ場合もある

居抜き物件の場合、もしも前の歯科医院の評判が悪かった場合には、悪いイメージをそのまま引き継いでしまうおそれがあります。

院長やスタッフが入れ替われば違う歯科医院と呼べますが、患者側からすれば同じ歯科医院に見えてしまうのです。そもそも、院長が変わったことをきちんと周知できるとは限りません。

また、休業期間が長ければ、患者も離れてしまっている場合が考えられます。そのため、居抜き物件といえども患者を引き継げないケースもあるのです。

3.自分の好みにしづらい

そもそも歯科医院の居抜き物件は数が少ないのが現状です。そのため、立地条件や内装、医療設備は自由に変更しづらい可能性があります。

また、好みの居抜き物件を見つけるためには、探しているタイミングと募集しているタイミングが一致していなければなりません。

どうしても自分好みに変更したい場合は、居抜き物件以外の物件で開業することを目指すのがおすすめです。

居抜き物件で歯科医院を開業する際のチェックポイントは3つ

居抜き物件で歯科医院を開業する際のチェックポイントは、以下の3つが挙げられます。

  1. 前歯科医院の評判
  2. 医療機器・内装の状態
  3. 立地条件

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。

1.前歯科医院の評判

まずは前の歯科医院の評判をチェックしてださい。たとえ新規の開業だったとしても、同じ種類の建物である以上、前の歯科医院の評判は大きく影響します。

もしも前歯科医院の評判が悪ければ、どのような問題が起きたのかを調査してください。たとえば、駐車場が狭くていつも満車になってしまう、スタッフの対応が悪くて嫌な思いをした、などです。原因がわかれば対応できます。

さらに、入れ替わりが激しい物件にも注意してください。いつもあそこは潰れている、というイメージがついてしまい、自分の歯科医院の評判が悪化する原因になります。

ネットで前歯科医院の評判をチェックしたり、実際に物件の近所を歩いて地元の人に話を聞いてみたり、事前調査が必要です。

2.医療機器・内装の状態

居抜き物件の場合、前の物件に医療機器があるからといって、そのまま使えるとは限りません。機種が古すぎないか、メンテナンスは行き届いているかを確認してください。

また、機器を引き継いだあとにどの程度のメンテナンス費用が発生するのかもあらかじめ確認しておく必要があります。

内装についても同じことがいえます。長く営業していた場合、老朽化しているおそれがあります。そのため、工事をしても初期費用が抑えられるか、何年後にリフォームの工事が必要になるかを想定し、その物件を選ぶメリットがあるかどうかを判断してください。

3.立地条件

物件が集患を見込める立地条件かも確認する必要があります。歯科医院へのアクセス方法や、潜在患者数を調査してください。

具体的に確認すべき項目は以下の通りです。

アクセス
  • 徒歩
  • 公共交通機関
  • 自動車
立地条件
  • 駅前
  • 住宅地
  • 商業施設

上記の条件に合わせて、周辺にライバルとなる歯科医院が何件あるのかをチェックします。歯科医院が密集している地域は避けた方が集患を見込めます。

まとめ

今回は「歯科医院を居抜き物件で開業するメリット」についてご紹介しました。歯科医院の居抜き物件は、件数こそ少ないものの初期費用も抑えて開業することができ、メリットがたくさんある開業方法です。

メリットだけでなく、注意すべきデメリットや、 居抜き物件で歯科医院を開業する際のチェックポイントもあわせて紹介しましたので、居抜き物件で開業を考えている場合の参考にしてください。

開業の全体像を理解したい方は、以下の歯科医院開業の流れを読んで開業後に成功させるためのポイントを抑えていただければと思います。
歯科医師の開業について、開業までの流れ・手続き・成功させるために重要なことを紹介 

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