【院長必見】開業に失敗する歯科医院の特徴は5つ|対策方法やよくある質問をご紹介します!

【院長必見】開業に失敗する歯科医院の特徴は5つ|対策方法やよくある質問をご紹介します!

2023年07月04日

現在、歯科医院は開業数よりも廃業数が上回り、健全に経営することの難しさを物語っています。ただし、失敗する歯科医院には共通する特徴があり、開業前に理解しておくことで失敗を回避できます。そこで本記事では、失敗する歯科医院の特徴から具体的な対策まで解説しますので、これから開業を目指す際は、ぜひ参考にしてみてください。

歯科医院を取り巻く現実

歯科医院の数は、今やコンビニエンスストアよりも多いといわれています。特に、人口が密集する東京や大阪などの都市圏内は歯科医院の数も多く、競争も激しくなっているのが現状です。

そのため、開業して間もなく閉院してしまう歯科医院も増えており、このままでは歯科医を目指す人自体が減少するおそれもあります。実際のデータでもその傾向は顕著に現れており、厚生労働省が2022年9月30日に公表した「医療施設調査」によると、新しく開設された歯科医院が1,352件でした。

しかし、同年度に廃業した歯科医院の数は1,478件と開設された数よりも廃業の数の方が多い結果となっています。廃業に至る原因には人口の減少などが想定されますが、患者を集めることに失敗したケースも少なくありません。
参考:2022年版医療施設調査

開業に失敗する歯科医院の特徴は5つ

開業に失敗する歯科医院の特徴には、以下の5つが挙げられます。

  1. 経営のノウハウがない
  2. 事前のリサーチが不足している
  3. 事業計画書を作成していない
  4. 他院との差別化ができていない
  5. コンサルタントに頼り過ぎている

ここではそれぞれの特徴について解説します。

【特徴1】経営のノウハウがない

歯科医師になるには、歯学部で6年間専門知識を学ぶ必要があります。卒業後は歯科医院に勤務する進路をとる生徒がほとんどです。

歯科医としての専門知識があっても、開業を見越して経営に関する知識を学ぶ歯科医は少なく、経営ノウハウを身につけないまま開業してしまうケースが多くあります。

歯科医院の経営は簡単なものではなく、成功に導くためには財務知識からマーケティング、従業員指導などのあらゆるノウハウが欠かせません。いくら専門知識があって優れた歯科医師だったとしても、開業医として経営を行っていくためには経営ノウハウがなければ失敗のおそれがあります。

しかし、歯科医として事業を運営していくには経営のためだけに時間を割くのは現実的ではないことも事実です。経営のために使う時間を確保するために、業務効率化やスタッフの育成を積極的に行っていくことが大切です。

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【特徴2】事前のリサーチが不足している

歯科医院経営が失敗する理由として、事前のリサーチ不足が挙げられます。事前に調査すべき内容は、開業予定地のまわりにあるライバル医院の動向や将来お客さんになってくれる世帯数の調査、通行人数などです。

成功している飲食店はこの現地調査を欠かしませんが、歯科医院においては十分に調査が行われないままに開業しているケースも多いです。

歯科医院の開業の事前リサーチや必要な手続きを知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
歯科医師の開業について知っておきたいこと! 流れ・手続き・成功のためのコツを紹介

【特徴3】事業計画書を作成していない

企業が新しいビジネスを立ち上げる際は「事業計画書」を作成します。これは、ビジネスの目的やコンセプト、月間来客数の見込み、人件費や設備など必要経費への投資額などを明確にするためです。

また、新規事業における必要事項を洗い出し、年間・月間の収支計画を立てて経営指針を明らかにできます。そのため、金融機関から開業資金の融資を受ける場合、この事業計画書は欠かせません。

事業計画書を作らないまま開業してしまうと、必要ないものにまで設備投資してしてしまい、運転資金が不足して廃業する可能性を高めることになります。

【特徴4】他院との差別化ができていない

歯科医院の数が多い地域では、患者の獲得競争も激化しています。そのような地域で開業する場合は、他院との差別化戦略は重要です。

いくつもある歯科医院の中から患者が「ここに通いたい」と感じてもらうには、歯科医師としての技術力だけでは不十分といえます。より多くの患者に選ばれるには、歯科医院のコンセプトや雰囲気、スタッフの応対のよさなどの差別化が欠かせません。

他院と明確に差別化が図れている歯科医院では、患者からの口コミも集まりやすく、口コミがさらに患者を読んで集患しやすい好循環ができます。しかし、他院よりも魅力がなく、とくに通院する価値を見いだせない歯科医院は、患者の獲得に伸び悩んでしまうことが考えられます。
歯科医院経営における集患の手法を知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
歯科医院の集患方法とは?開業前に意識すること・患者離れを防ぐコツも紹介

【特徴5】コンサルタントに頼り過ぎている

歯科医院は同業者の数も多く、その分ライバルも数多く存在します。そのため、集患方法や医院のコンセプト、開業場所などを的確にアドバイスしてくれる歯科医師専門のコンサルタントに開業相談するケースも多くあります。

経験豊富なコンサルタントは、開業未経験の歯科医師にとって頼りになる存在です。しかし、すべてをコンサルタント任せにするのは危険です。

開業コンサルタントは開業までをサポートしてくれる存在であり、開業してからは自分自身で経営を行っていく場合が多いため、経営判断は自らが行う必要があります。

そのため、コンサルタントに頼りすぎていると、自分で判断をつけることができず、開業してから失敗につながるおそれがあるのです。

歯科医院の開業に失敗しないための対策は5つ

歯科医院の開業に失敗しないための対策には、以下の5つが挙げられます。

  1. 開業場所の選定にこだわる
  2. 自費診療の患者を増やす
  3. スタッフが働きやすい環境を整える
  4. 新しい患者を集め続ける
  5. ゆとりのある資金計画を立てる

ここではそれぞれに分けて解説します。

1.開業場所の選定にこだわる

歯科医院で集患できるかどうかは、立地によって大きく左右されます。そのため、失敗しないために最優先すべきは、開業場所にこだわることです。

歯科医院が密集している場所に開業してしまうと、患者を奪い合うことになります。そのため、いくら魅力的なプロモーションを行ったとしても、効果が出ない可能性もあります。

そのため、人口比率や世帯数などを事前に調査し、需要が期待できそうな場所を開業場所に決めることがポイントです。さらには、地域の年齢層や特性、自分がイメージするコンセプトが一致しているかも大切です。

2.自費診療の患者を増やす

歯科医院の経営を中・長期的に安定させるには、継続して収益を高める必要があります。そのためには、保険診療に加えて自費診療の患者を増加させなければなりせん。

これは、診療の幅を広げる意味からも重要な経営戦略です。自費診療を希望する患者の割合を増やすには、設備投資や診療内容の拡充、カウンセリングを重視して患者に寄り添うなどの方法があります。いずれも、患者の満足度が高まり、収益の確保も期待できる方法です。

3.スタッフが働きやすい環境を整える

歯科医院を円滑に運営するには、そこで働く歯科衛生士の確保は重要な課題です。資格を持って専門職に就ける人材は限られており、確保しにくいことが多くあります。転職市場でも需要が高く、定着して長く働き続けてもらうことは簡単ではありません。

また、都市圏では夜間や休日診療している歯科医院も多く、そのような歯科医院では慢性的な長時間労働が問題になっています。この点も、無理な働き方は離職率を高めてしまう原因です。

歯科医院の経営を成功させるには、働いてくれるスタッフの労働環境の最適化が常に求められています。そのためスタッフの労働時間をできる限り短くするためにも業務効率化は積極的に取り組んでいくことが大切です。

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4.新しい患者を集め続ける

集患がうまくいっているとかかりつけ医として一定数の患者も定着し、経営についても軌道に乗ってきます。しかし、経営が安定しているときに集患を疎かにしていると、新規患者数は減少してしまうものです。

歯科医院での治療が終われば、通わなくなる患者が多数を占めるため、経営を成功させるには、広告やホームページ、SNSなどを活用して集客し続ける必要があります。

特に、ホームページなどへWeb予約の動線をつけることは、直接的な集患に繋がるため非常に効果的です。さらには、SMSやメールなどで予約日前に連絡することでキャンセル防止にも繋がります。

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さらに、人の興味の移り変わりは激しく、トレンドやニーズに応じて新しい治療方法の提案も欠かせません。

近年では、オンライン診療を導入することで集患につなげる事例も多くなっております。Dentisでは歯科医院に特化してオンライン診療の概要をまとめた資料をご用意しておりますのでぜひ参考にしてみてください。
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5.ゆとりのある資金計画を立てる

開業してから2ヶ月は、診療報酬が入りません。そのため、開業資金がぎりぎりの場合、開業直後に人件費や備品の仕入れに必要な経費が不足するおそれがあります。

また、どれほど計画を完璧に立てても、開業準備が順調に進むとは限りません。工事の遅れや書類の不備、人が集まらないなどがあれば、開業が数ヶ月遅れることも考えられます。

よって、適切な資金計画を立て、開業資金にもゆとりを持たせておけば、資金不足による失敗を防ぐことが可能です。

歯科医院の開業失敗でよくある3つの質問

歯科医院の開業失敗でよくある質問には、以下の3つが挙げられます。

  • 【質問1】歯科の開業における土地選びのポイントは?
  • 【質問2】歯科医院を開業する際の主な相談先?
  • 【質問3】歯科開業の失敗を防ぐために必要なスキルは?

ここではそれぞれの質問について解説します。

【質問1】歯科の開業における土地選びのポイントは?

「地元を活性化させたい」など、歯科医院の開業には故郷への思いや思い入れのある土地にこだわる思いを切り離して考えることが必要です。

まずは経営面を最優先させて適切な開業地を選ぶことが大切です。どれほど思い入れのある土地で開業しても、経営を続けられなければ開業する意味がありません。

歯科の経営は常に非常に厳しい状況に置かれていることを念頭に、一人でも多くの患者を救うための経営を最優先にする必要があります。また、院長の経歴や目指したい方向性などから、開業地を選択する場合もあります。

さらに、土地ごとの特性も重要です。開業地にビジネス街や都会の中心部を選ぶ場合には、ハードもソフトも最新鋭の歯科医院作りが必須になります。一方、住宅地に開業する場合には駐車場の確保が欠かせないなど、開業地ごとの特性を掴むようにしてみてください。

【質問2】歯科医院を開業する際の主な相談先は?

開業する際の知識が不足している場合は、歯科医院の開業を得意とするさまざまなパートナーと連携することでスムーズに準備が進められます。歯科医院を運営するにあたって、適切なアドバイスを得られます。主な相談先は以下の通りです。

  • 税理士:納税関連の相談
  • 社会保険労務士:人事や労務、雇用に関する相談
  • ディーラー:機材や器具の提案
  • 歯科医院を専門としたコンサルタント:開業や経営に関する相談


【質問3】歯科開業の失敗を防ぐために必要なスキルは?

廃業した歯科医院が開設数を上回っている要因にはさまざまなものが考えられますが、開業後間もない歯科医院ではなくとも失敗するリスクはあります。

開業後かなりの年数が経っている歯科医院の経営悪化や医師の高齢化なども廃業の原因になっているのです。失敗しないための対策や注意点は、以下のとおりです。

  • 開業地のリサーチなど事前調査
  • ゆとりのある資金計画
  • 経営者としてのスキル
  • パートナーに任せきりにしない

まとめ

今回は「開業に失敗する歯科医院の特徴」についてご紹介しました。失敗する原因に思い当たる節があれば、開業前に心配ごとを解消してから準備に取り掛かってください。

また、具体的な対策についても解説しましたので、開業前・後のそれぞれの場面で振り返りながら経営の最適化を図る参考としてみてはいかがでしょうか。

まずは何からすべきかお悩みの方は、以下の記事でご紹介している歯科医院開業の流れを読んで開業後に成功させるためのポイントを抑えていただければと思います。
歯科医師の開業について、開業までの流れ・手続き・成功させるために重要なことを紹介

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