【歯科医院向け】紙カルテと電子カルテの違いとは?移行を成功させる4つのポイントを徹底解説!
2023年07月27日
電子カルテの普及により、紙カルテから電子カルテに移行する医療機関が増加傾向にあります。そのため「電子カルテに移行するメリットやデメリットは?」「紙カルテと電子カルテの違いは何?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では、紙カルテと電子カルテの明確な違い、移行するメリット・デメリット、移行を成功させるポイントについて詳しく解説します。電子 カルテに移行するか迷っている、移行するためのポイントを知りたい場合は、ぜひ最後までご覧ください。
INDEX
- 紙カルテと電子カルテの違いとは?
- 紙カルテで運用する3つのメリット
- 1.導入や運用にかかるコストが安い
- 2.機器に関する新しい知識を覚える必要がない
- 3.災害時や緊急時に強い?
- 紙カルテで運用する3つのデメリット
- 1.保管スペースが必要になる
- 2.判別に時間や手間がかかる
- 3.情報の共有に時間がかかる
- 紙カルテから電子カルテに移行する3つのメリット
- 1.情報管理がしやすく効率的に作業を進められる
- 2.書き間違い や読み間違いを原因とするミスを減らせる
- 3.保管スペースを減らせる
- 紙カルテから電子カルテに移行する3つのデメリット
- 1.スムーズに運用できるまでに一定の時間がかかる
- 2.導入・運用にコストがかかる
- 3.運用に適した電子カルテを選ぶ必要がある
- 紙カルテから電子カルテへの移行を成功させる3つのポイント
- 【ポイント1】紙カルテと電子カルテのいずれも併用する
- 【ポイント2】現在からさかのぼって期間を区切る
- 【ポイント3】研修制度やマニュアルを準備する
- まとめ
紙カルテと電子カルテの違いとは?
紙カルテと電子カルテの明確な違いは、下記の表に記した通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
紙カルテ |
|
|
電子カルテ |
|
|
電子カルテの普及によって、診療情報や検査結果をすべてデータ上に保存できるようになりました。そのため、別の場所から同時に閲覧したり、書き間違いや読み間違いによるヒューマンエラーを防ぐことが可能になったりと、さまざまなメリットが得られるようになりました。
一般病院での電子カルテの普及率は、57.2%にまで上昇しており、診療所でも49.9%と約半数の医療機関で電子カルテが導入されています。
参考:電子カルテシステム等の普及状況の推移
紙カルテで運用する3つのメリット
続いて、紙カルテの運用を続けるメリットについて解説します。医療機関によっては、紙カルテの運用が向いているケースもあります。
紙カルテのメリットを把握し、電子カルテの導入が適切であるかどうかを決める際の判断材料にしてみてください。
1.導入や運用にかかるコストが安い
紙カルテの運用を続けるメリットとして始めに挙げられるのが、コストが安い点です。電子カルテの導入には、初期費用や月額費用が発生するため、費用を抑えることが一番の目的であれば、紙カルテの運用がベストであるといえます。
自院の規模や費用対効果を検討した上で、紙カルテの運用を継続する方が適切な場合もあります。
2.機器に関する新しい知識を覚える必要がない
医師やスタッフによっては、電子機器の扱いに慣れていなかったり、新しい知識の習得を嫌がったりする可能性があります。
習得までに時間がかかると、逆に業務の効率化を下げる危険性もあるため、紙カルテの方が良かったと後悔するケースも考えられます。電子カルテの導入を決める前に、医師やスタッフなどに意見を聞くのがおすすめです。
3.災害時や緊急時に強い?
電子カルテは、災害時や緊急時にサーバーがダウンしてしまうと、一時的にカルテ情報を閲覧できなくなるリスクがあります。その点、紙カルテであれば、停電などの環境的な影響を受けることなく閲覧が可能ですが、災害時では書類の紛失リスクがあります。
電子カルテを利用する場合は、災害時も想定してバックアップ対策をしっかりとれるよう情報管理を徹底する必要があります。
一方、電子カルテにもさまざまなメリットがあるため、紙カルテと併用で運用していく選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
紙カルテで運用する3つのデメリット
紙カルテの運用を続けることで生じるデメリットを3つ紹介します。場合によっては、患者のクレームにつながる可能性もあるため、紙カルテの運用が適切かどうかをしっかりと見極めましょう。
1.保管スペースが必要になる
電子カルテの場合、データはすべてパソコン上で管理するため、省スペースで済みますが、紙カルテは、診療が完結した日から5年間分のカルテを保管することが義務付けられています。
病院の規模や病床数にもよりますが、カルテの数は年々増加していくため、事前に準備していたスペースでは足りなくなる可能性もあります。加えて、1年ごとのカルテの仕分け作業が必要となる点も大きなデメリットです。
2.判別に時間や手間がかかる
紙カルテの場合、すべての情報が手書きになるため、読みづらい文字を判読したり、書き損じを修正したりなど、手間と時間がかかります。
例えば、患者から診療情報提供書の作成を依頼された際、過去の診療記録を振り返ろうにも文字を判読、まとめるまでに時間を要します。最悪の場合、紙カルテを紛失するリスクもあります。電子カルテを導入すれば、検索性に優れ、データを紛失するといった心配もありません。
3.情報の共有に時間がかかる
「診察は終わったのにカルテが会計まで運ばれてこない」「検査室での結果を見たいのにすぐに閲覧できない」「カルテ棚からカルテを出すのが遅れてしまった」など、紙カルテだけでは情報の共有に時間がかかります。
スタッフの負担も増える上に、患者の待ち時間も長くなるため、クレームにつながる危険性もあります。なお、クラウド歯科業務支援システムDentisは、電子カルテを含む歯科業務が1つのシステムで導入可能なため業務を効率化することが可能です。
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紙カルテから電子カルテに移行する3つのメリット
紙カルテから電子カルテに移行することで、情報管理がしやすくなる、人為的なミスを防げる、保管スペースを減らせるなどさまざまなメリットが得られます。今回は、3つのメリットについて詳しく解説します。
1.情報管理がしやすく効率的に作業を進められる
「患者から問い合わせがあったのにカルテが見つからない」などの経験があるのではないでしょうか。電子カルテであれば、検索機能を使ってすぐにカルテを閲覧できます。
結果的に、患者を待たせることなく対応できるため、サービスの資質向上につながります。
さらに、検査室や診察室から同時にカルテを閲覧できるため、カルテを移動させる手間を省くことも可能です。スタッフの負担も軽減できるため、時間をより効率的に使えるようになります。
2.書き間違いや読み間違いを原因とするミスを減らせる
紙カルテを見た時に「書いてある文字が読めない」と悩んだことはありませんか?医師によっては書き方にクセがあったり、略語を使用したりすることがあるため、情報の伝達ミスや読み間違いが生じる可能性があります。
しかし、電子カルテを導入すれば、読み間違いによるミスや判読が難しいなどのトラブルを防止し、正確な情報を共有することが可能です。また、会計確認やレセプトチェックの際に、電子カルテがミスを指摘してくれるため、返戻件数を減らせます。これにより、精度の高い情報管理が可能となります。
3.保管スペースを減らせる
紙カルテを使用する場合、外来数や病床数に応じて大量のカルテを管理・保管する必要があります。しかし、電子カルテを導入すれば、保管スペースに関する慢性的な問題を解消することが可能です。
加えて、年毎に行うカルテの廃棄や仕分け作業も不要となるため、空いた時間を他の業務に充てられます。結果的に、より効率的に業務を進められ、スタッフの負担を軽減することができるのです。
紙カルテから電子カルテに移行する3つのデメリット
紙カルテから電子カルテに移行するにあたって、多くのメリットを得られますが、デメリットが生じるのも事実です。主なデメリットとして3つ挙げているので、詳しく解説していきます。
1.スムーズに運用できるまでに一定の時間がかかる
「使い方がわからない」「使いこなすまでに時間がかかる」といったマイナスの声もよく聞かれます。この問題を解決するためには、事前に習得期間を設けたり、取り扱いのルールを明確にしたりすることが重要です。
事前の準備を怠ると、逆に業務の効率が低下する可能性があります。このような事態を避けるためには、直感的に操作できる電子カルテシステムの導入が不可欠です。使いやすく、わかりやすいインターフェースを備えたシステムを選ぶことで、スタッフが円滑に業務を行い、効率的な医療サービスを提供できます。
2.導入・運用にコストがかかる
電子カルテを導入するにあたって、初期費用だけでなく、毎月の運用コストも発生します。
一般的な初期費用と月額費用の相場は以下の通りです。
オンプレミス型電子カルテの初期費用は約300〜500万円程度で、月額費用は約2〜4万円程度です。 クラウド型電子カルテ:の初期費用は約0〜10万円程度で、月額費用は約1〜3万円程度です。
ただし、初期費用や月額費用とは別に、周辺システムとの連携費用やシステムの更新に関連する費用が別途発生する場合もあります。電子カルテの導入を検討する際には、公的な補助金制度の活用や、自院の規模に対する費用対効果を慎重に考慮する必要があります。
3.運用に適した電子カルテを選ぶ必要がある
自院の規模や必要とする機能、電子カルテを導入する目的を事前に明確にしておかないと、想定以上の費用がかかったり、適切な業務オペレーションを徹底しなかったことで、逆に業務効率が悪化する場合もあります。電子カルテを選ぶ前に、下記の点をしっかりと決めておきましょう。
- 電子カルテを導入する目的
- 予算
- 必要な機能
- 周辺機器との連携
- サポート体制
- 費用対効果
- システムの使いやすさ
特に、サポート体制はメーカーごとに異なるため、事前に確認しておく必要があります。
システムの使いやすさなどについては、スタッフの意見も取り入れたり、デモ機を導入したりしながら検討してみてください。
クラウド歯科業務支援システム「Dentis」では、事前にデモをご利用いただくことが可能です。
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紙カルテから電子カルテへの移行を成功させる3つのポイント
紙カルテから電子カルテへの移行を成功させるためのポイントとして、紙カルテと電子カルテの併用や充分な研修を行うなどが挙げられます。これらを踏まえた上で、3つのポイントについて解説します。
【ポイント1】紙カルテと電子カルテのいずれも併用する
紙カルテと電子カルテを併用する運用方法もあります。メーカー側は、移行時のサポート体制を整えており、移行に関するさまざまなノウハウを持っているため、自院に最適な紙カルテの併用方法を提案してくれるはずです。
紙カルテの併用を検討している場合は、早めにメーカー側にその旨を伝えておきましょう。
紙カルテの併用が決まったら、併用方法に関するルールを明確に定め、スタッフの混乱を防ぐ必要があります。
【ポイント2】現在からさかのぼって期間を区切る
現存する紙カルテの数によっては、すべての紙カルテを手作業で入力する移行方法もあります。しかし、紙カルテの数が多い場合は時間と人手が必要です。
この場合、有効な移行方法は「先月からさかのぼって3カ月以内に通院している患者のカルテを今月中に移行する」などの期間を区切る方法があります。段階的に進めることで、スタッフの業務負担を軽減できます。
【ポイント3】研修制度やマニュアルを準備する
電子カルテを導入するには、スタッフの協力が必要不可欠です。スタッフが事前に電子カルテの操作方法を理解し、スムーズに運用するためには、充分な研修制度や適切な体制を整備することが重要となります。
さらに、操作確認だけでは、不十分な点も出てくることが予想されます。常に操作方法を確認するためのマニュアルを作成してくことも検討しましょう。
不測の事態に備えて、サポート会社やメーカー担当者に対応時間を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、紙カルテと電子カルテの違いについて紹介しました。紙カルテから電子カルテに移行することで、情報管理がしやすくなる、人為的なミスを防げる、保管スペースを減らせるなどさまざまなメリットが得られます。
現在の業務をさらに効率的に遂行できるよう、自院に合った電子カルテの導入を検討してみてはいかがでしょうか。なお、クラウド歯科業務支援システムDentisは、電子カルテを含む歯科業務が1つのシステムで導入可能なため業務を効率化することが可能です。
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