【2023年最新版】クリニックの開業に必要な内容を徹底解説!資金の目安やよくあるトラブルもご紹介

【2023年最新版】クリニックの開業に必要な内容を徹底解説!資金の目安やよくあるトラブルもご紹介

2023年08月24日

クリニックの開業は、医師にとって大きなチャレンジになります。開業には多くの準備や知識が必要となり、失敗するリスクもゼロではありません。

しかし、開業にはメリットもたくさんあります。この記事では、クリニックの開業に必要な知識、よくあるトラブルや相談先、よくある質問などを詳しく紹介します。ぜひ、開業に向けて参考にしてみてください。

クリニックの開業を思い立ったらやるべきこと

クリニックを開業すると決意した場合、開業準備を始める前に知っておくべきことがあります。ここからは、開業に向けて知っておくべき情報を紹介していきます。

コンセプトを設定する重要性

クリニックの開業には、市場調査や競合分析を行った上で、具体的なコンセプトを設定することが必要です。コンセプトは、提供する医療サービスの種類や、ターゲットとする患者層、設立予定地の地域性などを考慮したものです。

ビジネスプランの基盤となり、設備投資やスタッフ採用、マーケティング戦略などの指針となります。また、コンセプトは、クリニックを他の医療機関と差別化するためのツールともなります。

コンセプト設定はクリニック開業の成功を左右する重要な要素です。

非常に注意深く、慎重に考える必要があります。

クリニックを取り巻く状況

新しく開業するクリニックは、社会状況や市場環境に大きく影響を受けます。医療業界は絶えず進化しているため、その変化に柔軟に適応しなければなりません。

現代の日本では少子高齢化が進行しており、それに伴い医療ニーズも変化しています。高齢者が増えることで、慢性疾患の治療や在宅医療の需要が増えるなど、医療ニーズは変化し続けています。

これらの動向を理解し、それに対応したサービスを提供することがクリニックの成功にとって重要です。

医療技術の進歩もまた、サービスの提供方法や経営戦略に大きな影響を与えます。最新の診療技術や医療機器を取り入れることで、より効率的な治療を提供し患者の満足度を向上させることが可能です。

動向を把握し、それに対応した経営戦略を立てることでクリニックは社会の変化に対応し、持続的な成長が可能になります。そのため、医療業界の最新の動向を常に認識し、自身のビジネスに反映させることが重要です。

クリニックの開業が増加傾向にある3つの理由

最近では、様々な理由からクリニックの開業が増えています。開業する人が増えている背景にあるクリニックの特徴を詳しく解説し、開業を検討している方々の参考になるような情報を提供します。

1.収益性が高い

クリニック開業の魅力の一つは、高い収益性にあります。特定の診療科目に特化したクリニックでは、効率的な診療体制を築くことで、それが収益向上につながります。

また、専門性を活かした独自の診療方針を立てることで、高度な医療サービスを提供し、それに見合った診療報酬を得ることも可能です。

自由診療の領域では、診療報酬制度の枠を超えた価格設定が可能になり、それが収益性向上に寄与します。ただし、クリニックの開業には高額な初期費用や運営費用がかかります。

そのため、資金計画や経営管理は慎重に行う必要があります。

2.融資のハードルが低い

クリニック開業の際には、銀行からの融資が比較的受けやすいというメリットがあります。これは医療機関という存在が社会的な信頼性を持ち、安定した診療報酬に基づく収益性があるため、金融機関から見てリスクが低いと評価されるからです。

さらに信用保証協会の保証を受けることで、一定の金利を確保しつつ、返済計画も柔軟に組むことが可能となります。このような保証制度は医師の起業を支援する仕組みの一つであり、その利用により初期投資の負担を軽減することが可能です。

3.事業計画や収支計算がしやすい

個人クリニックの開業では、提供する診療内容やターゲットとする患者層を自身で明確に定めます。
これにより、具体的な事業計画の作成や収支計算が容易となり、ビジネス運営をスムーズに行うことが可能です。

診療報酬の試算や、予想される患者数の見込みなどをもとに、リアルな財務計画を作成し、それに基づいた経営ができます。

クリニックの開業に必要な資金の目安

クリニックを開業するには、多額の資金が必要です。具体的にどれくらいの費用がかかるのかを紹介していきます。

医療機器や材料費の目安

医療機器・材料費は、2,000万~3,500万円です。主な費用は診療ユニットやレントゲンなどの機器になります。もし、大型機器を導入する場合は、スペースや内装にも大きく影響するため、より多くの費用が必要になります。

また、必要な機器はそのほかにも、バキュームシステムやエアーコンプレッサー、滅菌器などが必要になります。そのため、予算を考慮しながら、必要な台数をバランスよく準備しなければなりません。

賃貸契約や内外装工事費の目安

賃貸契約や内外装工事費は、開業する地域や物件の条件によって変わります。一般的な内科クリニック(テナント開業)の場合、賃貸契約や内外装工事費は約3,000万円くらいとなります。

敷金(保証金)は月額賃料の6〜12ヶ月分、礼金・仲介手数料は月額賃料の1〜2ヶ月分が目安です。内装工事費は坪単価60万円からとされています。

運転資金の目安

運転資金とは、開業当初からかかる人件費や固定費を支払うために必要な資金のことです。これは、開業後の経営安定に重要です。

一般的な内科クリニック(テナント開業)の場合、運転資金は約3,500万円くらいとなります。固定費6ヶ月分(人件費や賃料など)と変動費6ヶ月分(検査外注費や薬剤費など)を合わせたものです。

広告費や求人費の目安

広告費や求人費とは、開院時に制作するチラシやホームページ、看板などの広報費用やスタッフの採用費用のことで、集患や人材確保に必要な投資です。

一般的な内科クリニック(テナント開業)の場合、広告費や求人費は約600万円くらいとなります。採用費には募集広告作成や人材紹介費用のほか、採用LP作成や接遇研修なども含まれます。

【参考元】
クリニックの開業資金はいくら必要?診療科目別の費用と収入【2020】 | Tax-tech
【開業医になる】クリニックの開業に必要な資金は? – 株式会社STスマイル (stsmile.co.jp)

クリニック開業に関する3つの相談先

クリニックを開業する際には、様々な課題が立ちはだかります。重要となるのが、適切な専門家への相談です。

1.コンサルタント

クリニック開業に関する具体的な相談先の一つが、医療業界に詳しいコンサルタントです。コンサルタントはビジネスプランの策定、マーケティング戦略の立案、そして集患方法についてのアドバイスを提供します。

これらはクリニックの成功にとって非常に重要な要素であり、一人で考え抜くのは困難な場合もあります。コンサルタントが持つ専門的な知識と経験は、自分だけでは気付けない新たな視点や可能性を開き、成功につながる道を模索するのに大いに役立ちます。

2.社会保険労務士

人事や労務管理については、社会保険労務士に相談すると良いです。社会保険労務士は、労働法規を始めとする法律を遵守した労働環境の整備や、労働条件の最適化、またスタッフ間のトラブルが発生した際の法的解決など、人事労務全般にわたる相談に応じます。

クリニック運営においては、専門的な医療サービスを提供するだけでなく、良好な職場環境を作ることも重要です。

3.税理士

クリニック開業では、会計や税務についての専門知識が必要になります。そこで役立つのが税理士の力です。税理士は、税法の専門家であり、適切な税務対策の策定や、正確な経理処理を通じてビジネスの法令遵守を支援します。

さらに、現状の経営状況を理解し、未来の経営戦略を設計する際にも、貴重な情報や視点を提供できます。つまり、税理士は開業の初期段階から経営の成長、安定化に至るまでをサポートする重要なパートナーと言えるでしょう。

クリニックの開業でよくある3つの質問

開業には様々な準備や知識が必要です。そこで、クリニック開業に関するよくある3つの質問について、わかりやすく解説します。

1.クリニックの開業準備にかかった費用は経費にできる?

クリニック開業にかかる費用は一部を経費として計上することが可能です。経費とは、事業を運営するために必要な費用のことで、これらは所得から差し引かれ、課税所得を減らせます。

開業に伴う薬剤費や人件費などは経費に該当します。しかし、経費を正しく計上するには、領収書などの証拠が必要です。

また、概算経費という制度を活用することで、一部の経費については精算せずに一定の割合で計上することも可能です。

2.失敗しないためのクリニック開業ポイントは?

成功への道を切り開くためにクリニック開業では、次の3つのポイントが重要です。

  1. 自分の治療方針や特色を明確にする

    クリニックが提供する治療法やサービスの特色を明確にします。これにより、患者は自分に合ったクリニックを見つけやすくなります。
    また、クリニックがどのように他と違うのかを表現することで、クリニックのブランド価値を高めることができます。

  2. 競合が少ない地域で開業する

    開業する地域の選定は非常に重要です。新規患者獲得に大きな影響を与えます。
    競合が少ない地域で開業することが重要ですが、地域の人口統計、医療ニーズ、アクセスの良さも考慮する必要があります。

  3. 初期投資や運営費用の抑制

    クリニック開業は大きな初期投資が必要です。
    不動産や医療機器のリースを活用し、効率的な人事管理を行うことで経済的負担を軽減することができます。

これらのポイントに注力し、長期的なビジョンと具体的な戦略を持つことで、成功するクリニックを開業することが可能です。

3.クリニック開業までの大まかな流れ・スケジュールは?

クリニック開業までの流れは大まかに4つのステップがあります。

  1. 事業計画と経営方針の作成

    最初のステップは、事業計画と経営方針を明確にすることです。 この段階では、あなたが提供する医療サービスの種類、ターゲットとする患者層、クリニックのビジョンとミッションなどを詳細に決定します。
    また、財務計画(初期投資、運転資金、予想収益など)もこの段階で立案します。
    これらの計画は、今後のすべての決定の基盤となるので、十分な時間と考えを投入することが重要です。

  2. 市場調査と開業地の選定

    次に、具体的な診療圏の調査を行います。
    開業地の選定は成功に大きく影響を及ぼします。
    地域の人口統計、競合する医療機関の数と種類、患者の需要などを詳細に調査します。 これらの情報は、開業地の選定だけでなく、設立するクリニックのサービスメニューや運営スタイルにも影響を及ぼします。

  3. 施設の建設と設備の調達

    開業地が決まったら、クリニックの建設やリノベーションを計画します。
    これには、建物の設計、建設業者の選定、設備や医療機器の購入が含まれます。 また、この段階で必要な許認可の手続きを進めます。 例えば、建築許可や医療機関の許可などが必要です。

  4. 人材採用と開業準備

    建設と設備の調達が進むのと並行して、人材採用を開始します。
    必要なスタッフの数とスキルセットを決定し、適切な人材を見つけるためのリクルーティングを行います。
    同時に、クリニックの広告宣伝を計画し、開業に向けたプロモーションを開始します。 さらに、必要な保険の加入や税務の手続きなど、開業に向けたその他の手続きもこの段階で行います。

  5. これらのステップを順序立てて進めることで、開業への道のりがスムーズになります。それぞれのステップは時間と労力を必要としますが、しっかりと計画し、一歩一歩進めていくことで、成功するクリニックを開業することが可能となります。

まとめ

この記事では、クリニックの開業に必要な内容を徹底解説しました。クリニックの開業は、収益性が高く、融資のハードルが低く、事業計画や収支計算がしやすいというメリットがあります。

しかし、開業後には人間関係や集患などのトラブルに直面する可能性もあります。そのため、開業前にはコンセプトを設定し、開業後にはコンサルタントや社会保険労務士などの専門家に相談することが大切です。

また、クリニックの開業では、業務効率化し、患者とのつながりを強化することも重要です。そのためには、ITを活用し、あらゆる業務をデジタル化することで、高い品質のサービスを提供することが求められます。

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