【歯科医院向け】医療における「ICT」とは?メリットや注意点、具体的な活用例を徹底解説!

【歯科医院向け】医療における「ICT」とは?メリットや注意点、具体的な活用例を徹底解説!

2023年09月11日

医療業界におけるICT、と聞いてすぐにどういうことか理解できる人は少ないでしょう。

その一方で、医療界にも次々とICTが導入されてきており、医療業界で活躍するためには知っておかなければいけません。今回は、医療界のICTとは何か、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

Dentis編集部

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株式会社メドレー Dentis編集部

歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。

医療における「ICT」とは?

医療分野で活用されることが多くなってきたICTですが、Information and Communication Technology(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)の略語です。日本語では「情報通信技術」と呼ばれます。ICTは、インターネット上での取引や、SNSでのチャット機能なども広い意味で含まれます。

医療分野でのICTの活用例としては、患者の個人情報をオンライン上で用いる電子カルテシステムや、医師と患者が実際に会わないでも診療ができるオンライン診療、オンラインでの診察予約システムなどがあげられます。ここでは、医療分野で使われるICTについて解説します。

ITとの違い

ITは、Information Technologyの略語であり、日本語では「情報技術」と呼ばれます。ITは、情報通信システムや、コンピューターに用いられているデータ通信を活用した技術などすべてのことを意味します。

その一方でICTは、IT技術をどのように活用すれば人の生活が便利になるか、ということに重きをおきます。医療におけるICTでは、特に患者側と医療現場とのやり取りがよりスムーズに行えるようにするための技術という意味合いで用いられています。

医療業界にICTが必要とされる理由

日本の医療業界では、ICTの必要性が年々高まってきています。最も大きな理由は、日本全体が少子高齢化社会になっていくにつれ、必要とされる医療従事者の数が減ってきて対応できなくなっていることです。

特に地方では、医師や看護師不足が顕著であり、医療機関なども都市部に偏在しているという問題点があります。その結果、医療従事者1人あたりの作業負担が増えてしまっています。医療を必要とするすべての人に平等な医療を提供するために、仕事をより効率化していく手段の1つとしてICTの重要性が注目されています。

医療のICT化で期待できるメリットは3つ

医療業界でICT化を推進していくことで見込まれるメリットは大きいです。ここでは、期待できる3つのメリットについて紹介します。

1.大幅な業務効率化が図れる

医療業界でICT化がすすむと、大幅に業務負担が軽減し、業務効率を改善できます。

従来では、診療予約を紙台帳で管理したり、患者情報も紙カルテで管理してきました。しかし、ICTを活用すれば、患者はアプリやWebサイトから空き時間を確認して診療予約が取れ、受付業務の業務負荷を軽減することにつながります。

また、紙カルテをICT化し電子カルテを導入することで、カルテの記入時間の短縮や、カルテを運ぶ作業がなくなります。

これまでの方法では時間も手間もかかっていた業務内容が、ICTを活用することで数多くの作業を1つにまとめたり、院内での業務伝達を効率化できることで、時間的にも作業負担を軽減できて人材不足を補うことができるというメリットがあります。

2.BCP対策としても期待できる

医療のICT化を推進すると、BCP(Business Continuity Plan)対策にも役立ちます。BCPとは、自然災害やテロなどの予測できない状況に遭遇した時に、システムを素早く復旧できる対応方法を事前に決めておくことを意味します。

医療をICT化しておけば、治療内容や内服薬などの患者に関するデータをクラウドや端末外のデータ保管システムに保存しておくことが可能です。地震や津波、台風などで医療機関のシステムやサーバーが壊れるなどの有事の際でも、バックアップデータからすぐにデータを抽出できるためBCP対策にも有効です。

3.地域差を無くすことができる

医療にICTを活用することで、医療の地域格差を是正することができます。現代の医療では、働き盛りの医療従事者が地方を出て都市部に集まりやすいという傾向があります。また、都会よりも地方で、高齢化社会が問題となりやすいです。

医療を必要とする人口が地方の方が多いのに対して、医療従事者が少ないという医療問題を解決するのに有効なのが医療のICT化です。ICTを推進することで、仕事効率が向上し、患者1人に対して必要な医療提供時間が短縮されるとともに、オンライン診療を用いれば、遠方の患者への診療が行えます。

医療におけるICTの活用例

医療現場で実際にICTがどのように活用されているのか、4つの活用例について紹介します。

【活用例1】オンライン診療

遠隔診療とは、医師と患者が直接顔をあわせることなく、パソコンやスマホを利用してビデオや電話などで診療を行うことです。従来では、医療機関にアクセスが悪い地方や離島の患者は、適切な診療を継続するのが難しいという問題点がありました。

遠隔診療を導入すれば、患者は家や施設にいながら医師や看護師、薬剤師とコミュニケーションを取れます。初回診療からオンライン診療をすることは基本的にできないと決められていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、制限が緩和されることで、遠隔診療のメリットが認知されるようになってきました。

【活用例2】電子カルテ

電子カルテは多くの病院で取り入れられてきている電子データで患者情報を保管するシステムです。従来の紙カルテに記載されていた患者データを電子カルテで管理することで、医療スタッフ間で情報の共有がしやすくなり、仕事が効率化します。

また、紙カルテの場合、情報が多くなってくると保管場所にも困りますが、電子カルテだと保管スペースも必要ありません。

【活用例3】電子版お薬手帳

電子版お薬手帳とは、これまでの内服したお薬を電子データで管理・確認できるシステムです。従来の紙のお薬手帳を使った場合には、患者が紛失したり持参しなかったりすると、どのようなお薬を飲んでいるのかがすぐに把握できず、治療を進めにくいケースもありました。

医師と薬剤師、看護師が同時にお薬手帳の内容を電子版お薬手帳でチェックできれば、お薬の副作用チェックやお薬の相互作用などにも気づきやすくなります。

お薬内容だけでなく、健康診断を受けた履歴や日々の運動記録、副作用のチェック表などが記載できるシステムがついている電子版お薬手帳もあり、より活用しやすくなっています。

【活用例4】地域医療情報連携ネットワーク

地域医療情報連携ネットワークとは、厚生労働省が進めるICTを用いた情報共有システムのことです。

患者の同意があれば、患者の医療情報を電子化して、複数の病院で共有することができるシステムであり、転院する際でも医療情報を簡単に得られるため、地域で患者をサポートしていきやすくなります。

現時点ではまだ広く普及していませんが、今後普及率が高くなるように公的なフォローアップ体制が整っていくようです。なお、クラウド歯科業務支援システムDentisは、オンライン診療や電子カルテなどのICTを導入するサポートをしています。

医療にICTを導入する際の注意点は3つ

医療業界にICTを用いるのには数多くのメリットがある一方で、注意すべきポイントもあります。ここでは、ICTを医療に導入する時の3つの注意点について解説します。

1.医療現場によっては駆使できない場合もある

医療現場によってはICTを導入してもうまく使いこなせないというケースもあります。医療機関内の多くのスタッフがパソコンやネットの操作に慣れてなければ、利便性の高いICTシステムを取り入れても業務は効率化しません。

医療機関のスタッフ全員が効率よく仕事できるように、しっかりと事前に説明したり使い方を指導したりすることが大切です。

2.セキュリティ面での懸念点が生じる

医療でICTを用いる際には、特に高いセキュリティシステムが必要です。ICTを導入すると、患者の個人情報をインターネット上に保管することになるため、不正なアクセスによって個人情報が漏洩してしまうリスクがあります。

医療における患者情報はトップレベルのプライバシーであるため、漏洩してしまうと病院自体の信用も落ちる可能性が高いです。セキュリティレベルをできるだけ上げるために高いセキュリティシステムを導入するようにしましょう。

3.システムエラーへの対処法が必要になる

医療をICT化すると、システムに問題が生じた時に適切な対応が必要になります。システムエラーの種類によっては高度なIT技術が求められる場合もあります。

また、システムに頼りきってしまうと、地震や台風などの自然災害によってシステムがクラッシュした際に、システムが復旧するまでは医療業務をまったく行えなくなります。

システムがダウンしても変わらない医療を提供するためには、システムエラーが出現した際に、システムに依存することなく業務を行っていくのかという対応方法を決めておくことが重要です。

まとめ

医療業界でICTを活用すれば、医療者側と患者側とのコミュニケーションが取りやすくなります。

医療アクセスが悪い患者もオンライン診療を通じて高いレベルの治療を受けられ、医療者側も電子カルテや電子版お薬手帳などを用いることで業務が効率化し、負担が軽減するというメリットがあります。

その一方で、個人情報漏洩対策のために高いセキュリティシステムが必要、システムに順応するための準備が必要、システムダウンした際の備えが必要などのデメリットもあります。歯科を含む医療分野でICT化する際には、メリットとデメリットをよく考えたうえで導入するようにしましょう。

クラウド歯科業務支援システムDentisは、歯科医療をICT化する際にオンライン診療や電子カルテなどのあらゆるサポートを提供します。

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