【歯科医必見】電子カルテとは?汎用型などの種類・入力方法などを解説!
2023年07月27日
「電子カルテのメリット・デメリットが知りたい」「どんな種類があるんだろう?」
「電子カルテは難しいんじゃないか…」このように悩んでいる歯科医師は少なくないです。歯科医院において、業務をシームレスに行うことは重要です。そこで本記事では、電子カルテを導入するメリット・デメリットや凡用型などの種類について解説します。これから電子カルテの導入を検討している先生は、ぜひ参考にしてみてください。
記事監修
株式会社メドレー Dentis編集部
歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。
INDEX
- 電子カルテとは?
- 電子カルテのメリット
- 1.人的ミスを防止できる
- 2.情報の共有がしやすくなる
- 3.書類の作成がスムーズにできる
- 4.業務スペースを確保できる
- 電子カルテ4つのデメリット
- 1.コストが発生する
- 2.システムに慣れるのが大変
- 3.導入初期 の事務作業が大変
- 4.想定外のトラブルがある
- 電子カルテの種類
- オンプレミス型
- クラウド型
- レセコン一体型
- 電子カルテの入力は難しい?
- 1.オーダーセット
- 2.音声入力
- 3.電子カルテ代行入力
- 電子カルテ導入でよくある質問
- 1.セキュリティは安全ですか?
- 2.電子カルテが普及しない理由はなんですか?
- 3.電子カルテの義務化はいつから?
- 4.電子カルテの導入費用はどれくらいですか?
- 歯科業務支援システムDentisでは電子カルテを提供しています
- 1つですべてカバーできるシステム
- 歯科従事者と一緒につくる
- まとめ
電子カルテとは?
電子カルテとは、カルテをコンピュータ上で編集・管理できるシステムです。紙を電子化することで業務を効率化できます。
「矢野経済研究所」が2019年に実施した「新規開業クリニックに関する法人アンケート調査」によると、歯科に限らず新規開業する医療機関の95%が電子カルテを導入していることがわかります。
参照:株式会社矢野経済研究所「新規開業クリニックに関する法人アンケート調査を実施(2019年)」
電子カルテのメリット
電子カルテを導入するメリットは以下の5つです。
- 人的ミスを防止できる
- 患者の情報をリアルタイムで共有できる
- 書類をスムーズに作成できる
- 業務スペースを確保できる
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.人的ミスを防止できる
電子カルテを導入することにより、スタッフの間違いを未然に防げます。スタッフによっては乱雑に書いてしまったり、誤字があったりします。
そのような場合「患者情報を読み違える」「医師が過去の処置を間違えて理解し、正しい準備ができなくなる」など重大なアクシデントに繋がりかねません。
電子カルテは電子端末で記載するため、誤字・読み間違いを防止し、ミスを事前に防ぐことが可能です。
2.情報の共有がしやすくなる
電子カルテに入力したデータは、複数の端末を用いることで院全体で情報の閲覧が可能です。紙カルテだと一枚の紙だけに記載されているので、一度に情報を閲覧する人数に制限があります。その結果、スタッフ間との連携がしにくくなります。
電子カルテを導入することにより、患者の口腔情報や過去の診察履歴などを全スタッフがいつでも把握できるため、院内の連携がスムーズに行えます。
3.書類の作成がスムーズにできる
書類には患者や自院・担当医師の情報を記載しなければならないので、書類作成に時間がかかります。電子カルテでは、診断書や紹介状などを作成できる機能が備わっています。書類を一から作成する必要がないため、スムーズに作成できます。
4.業務スペースを確保できる
紙カルテは棚に保管しなければならないため、広いスペースが必要になります。カルテ棚が増えることで、院内の動線が混み合って動きにくくなります。
クラウド型の電子カルテでは、では、サーバーにデータが保管されるため場所を必要としません。必要スペースは、電子端末や周辺機器のみなので、院内の動線を確保できます。
電子カルテ4つのデメリット
電子カルテを導入するデメリットは以下の4つが挙げられます。
- コストが発生する
- システムに慣れるのが大変
- 導入初期の事務作業が大変
- 想定外のトラブルがある
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.コストが発生する
電子カルテは、イニシャルコストとランニングコストが発生します。専用のシステムサービス料金や端末の購入費、サーバー・Wi-Fi環境の保守費が発生するため予算を算出したうえで検討しましょう。
コストを抑える方法として、補助金制度を活用することが可能です。国や自治体の情報を随時チェックすることをオススメします。
2.システムに慣れるのが大変
電子カルテ導入初期は、操作方法に慣れるのが大変な場合もあります。研修制度の確立が必要な場合があるため、事前に準備をしておきましょう。
ツールによって、使いやすさは違います。導入の際にはデモを利用するなど、あらかじめ使いやすさを確認しておくことをおすすめします。
3.導入初期の事務作業が大変
紙カルテから電子カルテに移行する際は、これまでの患者情報を手動で入力する必要があります。メーカーによっては、紙カルテの情報をスキャンして取り込めるので、導入を検討している業者の担当者と相談してみましょう。
4.想定外のトラブルがある
電子カルテが使用できなくなると、診療が止まってしまうケースがあるため、どんなトラブルがあるか事前に把握する必要があります。
電子カルテの運用で起きうるトラブルは以下の通りです。
- サイバー攻撃
- サーバー障害
- 端末の故障
- 停電
それぞれ詳しく解説しますので、詳しくみていきましょう。
サイバー攻撃
サイバー攻撃による個人情報の流出やシステムダウンが近年報告されています。個人情報の流出は、歯科医院の信用失墜になります。
また、システムダウンが発生してしまうと、電子カルテを使用できず休診にせざるを得ないことが考えられます。
サーバー障害
サーバー障害が発生してしまうと、電子カルテの利用はできなくなります。復旧の目処がたたない場合は、紙カルテを代用して業務をする必要があるため、迅速な対応が求められます。
端末の故障
使用している端末が故障してしまうと、電子カルテの利用はできなくなります。
故障原因を調べて、修理もしくは端末の交換をする必要があります。メーカー専用機器であればトラブルサポートに問い合わせて、業務が滞らないようにしましょう。
停電
停電が起こってしまうと、電子カルテのみならずほとんどの機器が使用できなくなります。
紙カルテの運用に切り替えるなど、停電時の対策マニュアルを確立しましょう。
電子カルテの種類
電子カルテは大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類に分けられます。
また、「レセコン一体型の電子カルテ」についての機能も解説します。
オンプレミス型
オンプレミス型電子カルテとは、サーバーやネットワークを院内に設置し、有線で接続する電子カルテのことです。データの保存や管理を院内のサーバーで行えるので、ウイルス感染や情報の漏洩がしにくいのが特徴としてあげられます。
さらにオンプレミス型では操作を簡易にするなど、業務に適したシステムにカスタマイズが可能です。
クラウド型
クラウド型電子カルテとは、各メーカーが提供するサーバーを利用してデータを管理する電子カルテのことです。サーバー機器を用意する必要がないため、オンプレミス型より導入費用を抑えることができます。
また、クラウド上にデータが保存されているため、停電や災害などで診療履歴が失われることがありません。ただし、インターネットの接続がなければ、情報の閲覧はできないのでネット回線を整備する必要があります。
クラウド型電子カルテはセキュリティを不安視されることが多くありますが、クラウド型電子カルテで多く使用されている「AWS」や「GCP」というサーバーはそれぞれAmazonとGoogleが提供しており、セキュリティ面で大きく評価されています。行政や金融機関でも取り入れられているクラウドサーバであり、クラウド型のセキュリティはしっかりと対策されていれば安全性が高いといえます。
レセコン一体型
電子カルテとレセコンが一体となったものを、レセコン一体型といいます。
受付から会計、レセプト作業まで総合的にこなせるので、業務の効率化が図れるのが特徴です。
さらに、一つの端末で操作することができるので、管理がしやすく間違いが起きにくいのも特徴の一つです。
電子カルテの入力は難しい?
電子カルテの入力は、ある程度慣れが必要です。早く慣れるためにも効率よく入力する機能や方法を以下の4つ紹介します。
- オーダーセット
- 音声入力
- 電子カルテ代行入力
それぞれ詳しく解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.オーダーセット
口腔内の検査内容や治療・処方オーダーなどをセット登録できます。それぞれの歯科医院のニーズに合わせたオーダーが登録可能なので、何度も同じことを記載しなくて済みます。
2.音声入力
音声入力を利用することで、キーボードを使って入力する必要がなくなります。歯科医師は電子カルテに入力しながら、同時に他の作業を行えるため、効率的な診療が可能です。
3.電子カルテ代行入力
電子カルテ代行入力とは、医師の代わりに医療クラークが電子カルテへ入力することをいいます。電子カルテ入力を代行することで、医師の負担軽減と診療の効率化を図れます。
注意点として、医師事務作業補助者のみ代行作業が可能です。医師事務作業補助者になるためには、厚生労働省が定めた研修を受ける必要があります。
電子カルテ導入でよくある質問
電子カルテの導入でよくある質問には、以下の4つが挙げられます。
- セキュリティは安全ですか?
- 電子カルテが普及しない理由はなんですか?
- 電子カルテの義務化はいつから?
- 電子カルテの導入費用はどれくらいですか?
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
1.セキュリティは安全ですか?
セキュリティー対策をして、スタッフ教育を徹底する必要があります。電子カルテには、患者情報が含まれているため、ウイルス感染による情報漏洩のリスクは否めません。
ただしクラウド型・オンプレ型ともに電子カルテのセキュリティは高まっています。クラウドサーバに不安を持つ方もいるかもしれません。しかし現在ではレベルが高まっており、国内でも行政・金融機関など、特に個人情報を守る必要があるケースでも用いられています。
2.電子カルテが普及しない理由はなんですか?
日本における電子カルテ普及率は、2020年(令和2年)の段階で約50%です。
参考:電子カルテシステム等の普及状況の推移|厚生労働省
全体のおよそ半分は、電子カルテの普及に至ってないのが現状といえます。
紙カルテを導入し続けている理由として以下の理由が挙げられます。
- 紙カルテに使い慣れている
- 導入、運用コストが発生する
- 電子機器への苦手意識がある
上記のことから導入を見送るケースが普及に至っていない理由といえます。
3.電子カルテの義務化はいつから?
2021年(令和3年)10月からはオンライン資格確認の導入本格運用が始まりました。オンライン資格確認の導入の原則義務化は、2023年(令和5年)4月から始まっています。
さらに政府は、2030年までにクラウド型電子カルテの導入をほぼ全ての医療機関で目指すとしてます。
参考:内閣官房 医療DX推進本部
完全な義務化とは公表されていません。しかしクラウド型電子カルテの導入が増えることが予想されます。
4.電子カルテの導入費用はどれくらいですか?
電子カルテの導入費用は、メーカーや種類によってさまざまです。ここでは「オンプレミス型」と「クラウド型」それぞれにお答えします。
「オンプレミス型」
オンプレミス型の導入費用は、約300万〜500万円が相場になります。サーバやネットワークを院に設置して運用するためやや費用が大きくなる傾向です。
「クラウド型」
クラウド型の導入費用は、無料〜100万円が相場となります。オンプレミス型と比べると、サーバなどの初期費用がかからない分、費用が抑えられます。
それぞれの費用相場を紹介しましたが、レセコン機能やサポートサービスの有無により料金体系は異なるため、導入を検討している際は各メーカーに問い合わせすることをオススメします。
歯科業務支援システムDentisでは電子カルテを提供しています
Dentisは歯科診療において必要な機能を幅広く網羅しています。予約、問診、診療、カルテ、レセプト、決済などをオンライン上で行えるツールです。
Dentisの特徴は大きく2つです。「1つですべてカバーできるシステム」「歯科従事者と一緒につくる」それぞれ紹介していきます。
1つですべてカバーできるシステム
歯科業務は、予約から決済まで様々な工程が存在します。そのため他社システムを併用すると、余計な費用や業務が発生します。Dentisには、施術を除くすべての歯科医院の業務を支援する機能があるため、余計な費用や業務が発生しません。
より詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
「歯科業務支援システムを一本化することのメリットとは? 複数のシステムを併用した場合との比較」
歯科従事者と一緒につくる
Dentisでは、現役の歯科医師や歯科衛生士・歯科助手出身のスタッフがエンジニアと共同で製品開発をしています。「歯科従事者が感じる日々の大変さ」「開発チームの知識と経験」2つを合わせることで、より満足度の高いシステムになります。
より詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください。
「歯科従事者とエンジニア・デザイナーが近い距離で協力する」Dentisが製品開発で大切にしていることを紹介
まとめ
今回は「電子カルテとは何か」「電子カルテのメリット・デメリット」「電子カルテの種類」「電子カルテの入力方法」について紹介しました。電子カルテの導入を検討している先生は、各メーカーと相談したうえで最適なものを選んでみてはいかがでしょうか。
記事監修
株式会社メドレー Dentis編集部
歯科や医療に関する情報をわかりやすく発信しています。システムに関する情報だけでなく、医院経営や最新のトピックについても幅広くお届けしています。
レセコン・電子カルテの比較はこちらから
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