【院長必見】スタッフが辞める歯科医院の特徴は7つ|やるべき対策やよくある質問もご紹介!

【院長必見】スタッフが辞める歯科医院の特徴は7つ|やるべき対策やよくある質問もご紹介!

2023年09月20日

「スタッフがすぐに辞める」「今後開業に向けてスタッフが長く勤めてくれるクリニックにしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

スタッフが辞める理由は、給料面や院内の雰囲気、福利厚生の有無など多岐にわたります。歯科医療従事者の人手不足が懸念されている現在、優秀なスタッフを採用するのも一苦労です。

そこで、スタッフが辞める歯科医院の特徴や有効な対策法について詳しく解説していきます。

スタッフが辞める歯科医院の特徴は7つ

スタッフが辞める理由はいろいろありますが、その中でも離職率が高い歯科医院の特徴を7つにわけて解説していきます。

1.院内の雰囲気が悪い

まず一番に挙げられるのが、職場環境や院内の雰囲気に関する悩みが発端となり辞めるケースです。医師の態度が悪い、怖いスタッフがいるなど職場環境の雰囲気によって、退職する場合があります。

歯科医院に限った話ではありませんが、医療に関する業務はチームプレイが重要です。スタッフの不満やイライラが他のスタッフにも波及し、患者からの印象も悪くなります。

人間関係の問題は当事者同士の問題だと思われがちですが、管理者である院長の責任でもあります。院長はスタッフが気持ちよく仕事ができるような環境を整え、コミュニケーションを円滑にするための働きかけを行いましょう。

良好な人間関係を築くことは歯科医院の成果にも大きく影響し、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。

2.スキルアップできる環境がない

次いで多く挙げられるのが、スキルアップできないといった職場環境に関連した理由です。実際に、歯科衛生士の勤務実態調査報告書でも「教育研修・レベルアップの機会の充実」が改善してほしい点としてランクインしています。
参考:歯科衛生士の勤務実態調査報告書 P.42

経験を積んだスタッフほど、患者に喜ばれるようなプロフェッショナルになりたいという意欲が高まります。キャリアにおいて成長意欲のあるスタッフには、現在のスキルを磨くためのセミナーや研修、資格取得が重要です。

一部の歯科医院では外部セミナーの参加費用を負担したり、資格取得の補助を行ったり、スキルアップに対する福利厚生が充実していますが、大半の歯科スタッフは自己負担でセミナーや研修に参加しています。

スタッフが自己成長できる環境を整えることは、歯科医院にとっても重要な課題であり、スタッフの定着とクオリティの向上に繋がると言えます。

3.成果が適正に評価されていない

成果が適正に評価されない職場では、スタッフの離職率が高いです。優秀なスタッフは日々の努力を重ねてより良い仕事をしようと向上心を持って業務にあたっているにもかかわらず、成果が適切に評価されない、給与に反映されないとなればモチベーションは低下し、離職を引き起こす恐れがあります。

こうした状況が続けば、優秀なスタッフも離職し売り上げだけでなく、患者満足度の低下を招くことも考えられます。仕事内容とスタッフの力量をしっかりと見極め、適切に評価するシステムを整えることが重要です。

4.新人スタッフに対する教育体制が整備されていない

スタッフの知識や技術のレベルはさまざまです。他の歯科医院で経験があるスタッフもいれば、一方で完全な未経験者や新卒者も存在します。

未経験者や経験が少ないスタッフの場合は、新人教育や研修体制が不足していると不安や不満を感じてしまう人が多いといえます。そのため、新入社員を十分にサポートせずに放置すると、彼らのモチベーションは低下してしまいます。

5.福利厚生や休暇制度が充実していない

福利厚生や休暇制度の充実は、スタッフの離職率に大きな影響を及ぼす重要な要素です。特に医療事務や歯科衛生士など女性スタッフの多い歯科医院では、働きやすい職場環境の整備は早急に解決すべき課題です。

産休・育休をはじめ、福利厚生や休暇制度を充実させることで、スタッフが長く働く意欲が高まります。ワーク・ライフ・バランスの時代において、スタッフの働きやすさと満足度を向上させるためにも、福利厚生と休暇制度の整備が重要です。

6.各スタッフごとの業務負担が大きすぎる

歯科業界は常に人手不足であり、人材確保が難しいと悩む院長が多いです。人手不足により、スタッフ一人ひとりの業務負担が重くなり「仕事量が報酬に見合わない」という不満から辞めるケースが増えています。

この状況下で、院長が回転率と利益率を上げるために、最小限の人員で対応しようとすれば、スタッフからの不満や反発が生じます。スタッフの中には、落ち着いた環境下で患者一人ひとりと向き合いながら十分な時間をかけて丁寧に治療したいと考えているスタッフもいるはずです。

スタッフの意見を参考に、院内に適切な人員を配置し、問題解決につなげましょう。

7.他院に比べて給与が低い

歯科衛生士の給与は他の職種に比べて比較的高い部類に入ります。しかし「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によれば、平成27年時点では年収が「200万円以上300万円未満」が最も多い結果になっています。

毎月の手取り額は約25万円となるため、一見すると余裕があるように思われますが、東京都内の一人暮らしの場合は家賃や光熱費、通信費、食費などの固定費が高額であり、貯蓄に回すのは難しいのが現状です。

給料面での改善を検討するか、もしくは、キャリアアップできる環境を整えるなどの方法で問題を解決する必要があります。

多くのスタッフが辞める歯科医院がやるべき5つの対策

スタッフが辞めれば、現存するスタッフの負担が増える上に、求人に関わるコストも発生していまいます。採用したスタッフに少しでも長く勤めてもらえるよう、やるべき有効な対策を5つにわけて解説していきます。

1.スタッフ間のコミュニケーションの質を高める

スタッフ間のコミュニケーションの質を高めるためには、以下のような取り組みが重要です。定期的なミーティングや食事会を開催し、スタッフ同士の交流を促進しましょう。

こうした場を設けることで、業務や日常の悩みを共有し、お互いの理解を深められます。日常のコミュニケーションを大切にすることも重要です。

日々の業務の中で、ちょっとした雑談や笑顔で挨拶を交わすなど、さりげなくコミュニケーションの取っ掛かりを作りましょう。院長自身が積極的にコミュニケーションに参加する姿勢が大切です。

また、スタッフがお互いにフィードバックを送り合い、お互いの成長をサポートし合うことも有効な対策につながります。コミュニケーションを大切にすることで、結果的にスタッフ同士の絆を深め、人間関係の問題を解消できます。

マネジメント側が積極的な姿勢を示し、コミュニケーションの場を提供することが大切です。

2.給与体制を見直す

給与体制の見直しは、年功序列制度による能力と給与の不釣り合いを改善する重要な取り組みです。

優秀なスタッフのモチベーション向上に繋がるため、給与は基本給に加えて、能力や資格に応じた手当をプラスすることが有効であると考えられます。

たとえば、審美歯科に特化した「日本歯科審美学会認定歯科衛生士」や「インプラント専門歯科衛生士」には、専門知識を有するスタッフには手当を支給することで成長意欲が高まります。

給与体制の見直しはスタッフのモチベーションを向上させ、高度な専門知識の取得など、スキルアップにつなげることが可能です。

3.スキルアップできる環境を用意する

スキルアップできる環境を提供することは、スタッフのモチベーション向上と離職率の抑制に大きく関連してきます。一例ですが、外部セミナーへの参加費用を負担したり、予防歯科の先進国として有名なスウェーデンの歯科事情について学ぶ海外研修を実施したりすることで、スタッフは新たな知識とスキルを身につける機会を得られます。

結果的に、スタッフの成長意欲を高め、自身の専門性を高めることで、患者の満足度上昇、歯科医院の売上アップにつなげることも可能です。

4,院内の業務フローを見直す

スタッフの不満を解消し、効率的に業務を遂行するためには、院内の業務フローの見直しが重要です。まずは、ITツールを活用し、予約や患者管理の効率化を図りましょう。

上手く活用できれば、スムーズな業務運営を実現できます。また、歯科助手やクリーンアップスタッフを雇うことで、歯科医師や歯科衛生士が本来の専門業務に集中できる環境を整えましょう。

最終的には、スタッフの負担を軽減し、生産性を向上させることが可能です。院内の業務フローを見直すことで、スタッフの働きやすさが向上し、結果として患者にもより質の高いサービスが提供できます。

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5.要望や不満をヒアリングをする機会を設ける

スタッフと定期的にコミュニケーションを取ることは、離職率低下に大きく関係してきます。スタッフは、各々で異なる考えや感情を抱えており、問題がないように見えても内心に不満を抱えているケースもあります。

この場合の有効策は、院長が定期的にスタッフと面談を行い、一対一で要望や不満をヒアリングする機会を設けることです。定期的な面談を通じて、スタッフの不安や不満を事前に把握し、適切な対応や改善策を提供することが可能です。

コミュニケーションの機会を設けることで、スタッフの満足度とモチベーションが向上し、離職を未然に防げます。

スタッフの退職に関してよくある3つの質問

人材雇用に関する注意点やスタッフが辞めた際に取るべき行動など、退職の申し出があった後に出てくる疑問を中心にピックアップして解説していきます。

【質問1】歯科医院が人材を雇用する際の注意点は?

歯科医院が人材を雇用する際の注意点は、2つあります。まず、雇用後に業務に慣れるまでは定期的に院長が面談をすることが重要です。面談を通じてスタッフの状況や不満を把握し、改善策を練ることで離職を防げる可能性があります。

2つ目に、入職時に離職の注意点をきちんと説明しておくことが必要です。雇用契約時に離職に関するルールを明確に説明し、従業員に求められる適切な行動を理解させることで、突然の離職を未然に防げます。

これらの対策を講じることで、スタッフの突然の離職を予防し、院長先生の負荷を軽減できる可能性があります。

【質問2】急にスタッフから辞めると申し出があった場合にすべき対応とは?

急にスタッフから辞めると申し出があった場合には、まず離職後の手続きについて説明することが大切です。離職を止めることは難しいかもしれませんが、引き継ぎ期間は働けるのか、退職期日はどうするか、などをきちんと話し合う必要があります。

急な退職申し出に対して在職、もしくは他のスタッフが怒りや不満を抱くこともあるかもしれませんが、院長が主導して対応することで、在職スタッフの不満も軽減することができます。在職スタッフにも負担がかからないように、引き継ぎをきちんと行い、スタッフと退職者の双方と新しい人材が来るまでの期間の対応について話し合ってもらいましょう。

退職するスタッフ・在職スタッフの円滑なコミュニケーションを院長がコントロールし、相互理解を促していくことが重要です。

【質問3】スタッフから退職を伝えられた後の流れは?

スタッフから辞めると申し出があった場合の流れは、以下の通りです。

まずは、スタッフに退職の意思と理由を確認しましょう。退職理由は雇用保険被保険者離職証明書の記載に必要となるためです。

引き止めたい場合は、待遇や制度の改善などを提案し、話し合いを行い、スタッフが思い留まるよう努めましょう。また、スタッフの貢献度や重要性を伝えることで、退職の決断を考え直してもらえる可能性もあります。

それでも退職の意思が変わらない場合は、退職届を提出してもらいましょう。就業規則で提出が求められている場合もあります。

退職届を確認し、残りの有休や引き継ぎの期間を考慮して退職日を決定し、退職手続きを進めます。

続いて、行うのは引き継ぎ依頼です。退職日の3日前までに引き継ぎが完了するようスタッフに依頼しましょう。

口頭での引き継ぎに加えて、データや文書ファイルにまとめておくとスムーズな引き継ぎが可能です。

最後は、退職に向けて社会保険や雇用保険、住民税などの手続きを行います。スタッフに必要な書類の返却を依頼しましょう。医院から貸し出していた制服や備品なども返却してもらいます。

これらの手続きを丁寧に行うことで円滑な退職が実現し、医院とスタッフの関係を良好な状態で維持できます。スタッフの退職による混乱を最小限に抑え、引き続き円滑な業務運営を目指しましょう。

定期的なコミュニケーションを大切にし、スタッフの意見や要望を理解することも重要です。

まとめ

今回は、スタッフが辞める歯科医院の特徴について紹介しました。院内の雰囲気が悪い、スキルアップできる環境がない、成果が正当に評価されていないなど、職場環境に関する理由から退職を考えるスタッフが多くみられます。

これらの問題を解決するためには、スタッフ間のコミュニケーションの質を高めたり、給与体制を見直したり、スキルアップできる環境を用意するなどの対策が必要となります。それでも退職を選択する場合は、感情的にならず、スムーズに引き継ぎや退職手続きを行っていきましょう。

定期的なコミュニケーションを大切にし、スタッフが長く勤めたいと思えるような環境を作ることが大切です。

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